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人工関節手術後の注意点は?日常生活で心がけることについて解説!

人工関節 手術後 注意点

人工関節手術は、関節の痛みを和らげるために損傷や変形した関節を人工のものに置き換える手術です。肩、肘、指、股、膝、足など、さまざまな関節に適用し、手術件数は増加傾向にあります。 本記事ではそんな人工関節手術後の注意点について以下の点を中心にご紹介します。

  • 人工関節手術後に日常生活で心がけること
  • 人工関節手術後の運動
  • 人工関節手術後の定期検診の頻度と重要性

人工関節手術後の注意点について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

人工関節手術後に日常生活で心がけること

人工関節手術後に日常生活で心がけること

椅子に座るときは脚を組まない方がいいですか?
人工股関節全置換術後の生活の場合、椅子に座る際に脚を組むことは避けたほうが良いでしょう。脚を組むと人工股関節に不必要なストレスを与え、脱臼のリスクを高める可能性があります。新しい関節が安定して周囲の筋力がつくまでは、座るときにも注意することが大切です。
しゃがむ姿勢も避けるべきですか?
人工股関節手術後の日常生活では、特定の動作に注意が必要です。股関節を深く曲げる動作、いわゆるしゃがむ姿勢などはなるべく避けましょう。
定期的な検診を受けることも重要です。手術後も日常生活に気を配ることで人工関節の寿命を延ばし、快適な生活を維持する可能性が高くなります。
お風呂場では、低いイスに座らない方がいいですか?
人工股関節手術後は、お風呂場でも注意が必要です。前述のように、手術後の脱臼を防ぐために低いイスに座ることは避けた方が良いとされています。
しかし最近では、筋肉や靭帯、腱を傷つけずに手術をする新しい方法が普及してきており、脱臼のリスクが減少しているとされています。そのため、一部の施設では生活上の制限を全く設けていない場合もあります。ですので、具体的な制限については手術を担当する医師に相談することが大切です。

人工関節手術後の運動について

人工関節手術後の運動について

テニス、野球、バスケットボールなどの激しい運動は避けた方がいいですか?
人工股関節手術後は、激しいスポーツは避けることが推奨されています。テニス、野球、バスケットボールなどは人工関節に強い衝撃を与え、人工関節を摩耗させたり、破損させたりする可能性があります。また、上記のスポーツは関節の安定性を損ない、再手術のリスクを高める可能性もあります。
しかし、スポーツが生活において必要な方などの場合は、定期的な検診と再手術のリスクを理解した上で活動を続けることが許可されている場合があります。人工関節の状態などは個人差もあるので、必ず医師や理学療法士と相談して運動するようにしましょう。
散歩などの軽い運動はしても大丈夫ですか?
人工股関節手術や人工膝関節手術の手術後は、激しい運動は避けた方が良いですが軽い運動は問題ありません。特に散歩は筋力低下の防止と骨の萎縮防止のために有効とされています。ただし、手術直後はバランスを取りにくいため平らな道を歩きましょう。また、筋力トレーニングも有効とされます。
以上のことを踏まえ、適切な運動をすることで手術後も快適に過ごせるとされています。

人工関節手術後の定期検診について

人工関節手術後の定期検診について

定期検診はどのくらいの頻度で受診した方がいいですか?
人工関節の寿命を延ばすためには、定期的な検診が必要です。術後の経過が良好であっても少なくとも年に1回は医師の診察を受け、人工関節の状態を確認しましょう。また、異常を感じた場合はすぐに医師に相談することが重要です。
関節の状態やクリニックによって変わりますが、人工膝関節手術後の初年度は、3週間、3ヵ月、半年、1年後の4回の検診が求められるとされています。定期検診は人工膝関節の適切な機能を維持し、早期に問題を発見するために不可欠だからです。
人工関節の寿命は患者さんの生活習慣や体重管理に大きく影響されるので、適切な生活と定期検診で寿命を延ばせる可能性が高まります。
人工関節手術後の定期検診の重要性を教えてください。
手術後の定期検診は、人工関節が適切に機能しているかの確認や、早期に問題を発見するための重要な手段です。人工関節は手術後の症状改善が良好な場合が多いため、手術を受けたことを忘れがちになります。しかし、人工関節は人工的に作られたものという性質上、人工関節を支える骨との境界は常に存在しています。年を重ねること、人工関節を支えなければいけない環境にさらされること、人工関節の使用で発生する微細な摩耗粒子(小さな削られた粉)など、骨にさまざまな影響や変化が起こる可能性があります。こういった変化により、人工関節のゆるみや人工関節の周りで骨折が起こる可能性があります。人工関節のゆるみや人工関節周囲の骨折は初期段階ではなかなか症状を現さないので、早期発見のためにも定期的に検診を受けることが重要です。

また、手術後のリハビリテーションも重要です。リハビリテーションは術後の回復を促進し、術後の合併症である静脈血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクを減らすために重要とされています。

人工関節手術後の定期検診では何をチェックしますか?
人工関節手術後の定期検診では、患者さんの健康状態と人工関節の状態を評価します。
具体的な内容としては、レントゲン写真やCTスキャンなどの画像検査を通じて、人工関節部品の状態や金属のゆるみ、ポリエチレンの摩耗、金属や骨の変化などを確認します。また、患者さんの日常生活における問題点を把握するために問診を行い、関節の可動域を測定して関節自体や隣接する関節に問題がないかを確認します。さらに、人工股関節の場合は年齢とともに腰が曲がるなどの変化が生じることで、脱臼しやすくなる可能性があるため、こういった変化も確認します。

上記のような定期検診を行うと、早期に問題を発見し適切な対策を講じられる可能性が高まります。また、患者さん自身が異常を感じた場合は、定期検診のスケジュールに関係なく、すぐに医師に相談することが大切です。定期検診を受け、人工関節を長持ちさせましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで人工関節手術後の注意点についてお伝えしてきました。人工関節手術後の注意点の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 人工関節手術後は、椅子に座る際に脚を組まないことや、しゃがまないこと、お風呂場で低いイスに座らないことなどを心掛けることが必要とされる
  • 人工関節手術後は、散歩や筋力トレーニングなどの軽い運動は問題ないが、テニスや野球、バスケットボールなどの激しい運動は避けるべきとされる
  • 人工関節手術後の定期検診は、早期に問題を発見したり人工関節を長持ちさせるために重要であり、少なくとも年に1回は医師の診察を受ける

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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