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変形性足関節症の治療法とは?原因や症状は?手術治療についても解説

変形性足関節症の治療法とは?原因や症状は?手術治療についても解説

皆さんは「変形性足関節症」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?加齢や肥満などによって生じる「変形性膝関節症」は聞いたことがある方が多いかもしれません。変形性足関節症も変形性膝関節症もどちらも変形性関節症の一種であり、関節に痛みや腫れが現れる疾患です。この記事では、変形性足関節症の原因や症状、治療法について詳しくお伝えします。

変形性足関節症とは

まずは、変形性足関節症はどのような疾患で、何が原因でどういった人がなりやすいのかをご説明します。

変形性足関節症とはどのような疾患ですか?
軟骨が損傷して、関節に痛みや腫れ、変形を起こす疾患が「変形性関節症」であり、その症状が足首に生じている場合を「変形性足関節症」と呼びます。具体的には、足首にある脛骨と距骨の表面を覆っている軟骨がすり減っている状態を指し、歩く際の足首の痛みや歩き始めの違和感が代表的な症状です。 また、症状が進行すると、歩行時に限らず痛みや腫れが現れます。しかし、膝に生じる変形性関節症に比べて、足に変形性関節症が生じる数は10分の1程度と少ないことから、なかなか発症に気づかなかったり、適切な診断に至らなかったりすることもあります。
変形性足関節症の原因を教えてください。
変形性足関節症の原因として最も多いのは、骨折や捻挫といった怪我です。足首を骨折したことがある、捻挫を繰り返しているといった場合は、その後数年たってから変形性足関節症を発症するリスクがありますので注意が必要です。 また、けがをしていなくても、サッカーやバレエといった足首に負担がかかるスポーツを長年続けていると、変形性足関節症になるリスクが高まります。さらに、痛風や関節リウマチ、関節内出血、細菌感染なども、足関節の変形を起こす原因になるといわれています。その他、このような理由がなくても変形性足関節症を発症する方は一定割合いるため、既往歴や生活習慣に限らず、すべての方が注意すべき疾患だといえるでしょう。
変形性足関節症はどのような人がなりやすいですか?
前述したように、足首に負担をかける生活をしている人が、変形性足関節症になりやすいといえます。サッカーやバレエ以外に、体操やバスケットボールも捻挫を起こしやすいスポーツなので注意が必要です。また、ハイヒールを日常的に履いている場合も足首をひねりやすいので気をつけましょう。

変形性足関節症の検査・診断について

変形性足関節症の検査・診断について 変形性足関節症は足関節の軟骨がすり減ることで起こる疾患であり、足に負担をかけている方が特になりやすいということがお分かりいただけたかと思います。では、実際の診療では、どのような検査が行われ、どのように診断がつくのでしょうか。

変形性足関節症の診断にはどのような検査がありますか?
軟骨がすり減って変形性足関節症を発症しているかどうかは、レントゲンで確認することができます。ただし、正しく診断するためには、立っている状態でレントゲン撮影を行うのはもちろん、体重をかけたり、ひねったりといった状態で撮影をすることが重要です。レントゲンは多くのクリニックに備えられている機器ですが、このような足の関節に負担をかけて行う検査には対応していないクリニックも多くあります。そのため、足首に痛みや違和感を覚えた場合は、荷重位での足関節の検査ができるクリニックを選びましょう。レントゲン撮影のほか、より詳細に検査をするために、CT検査やMRI検査を行う場合もあります。
変形性足関節症は完治しますか?
残念ながらすり減った軟骨は自然に戻るようなことはありません。治療は保存療法で進行を食い止めたり痛みや炎症を抑えたりすることを基本に、関節の変形が進行してしまっている場合は手術を検討することになります。

変形性足関節症の治療について

変形性足関節症の治療について 変形性足関節症によりすり減った軟骨は現在の医療では回復させることができないため、軟骨の損傷が激しい場合は手術を検討する必要があります。また、そのような状況にならないために、早めに治療を開始することも大切です。ここからは、変形性足関節症の具体的な治療方法についてご説明します。

変形性足関節症の治療にはどのような種類がありますか。
変形性足関節症の治療として現在行われているのは、保存的治療と手術です。まず、保存的治療では、主に薬物療法、装具療法、生活指導が行われています。薬物療法で用いられているのは、鎮痛剤や湿布のほか、ステロイドや局所麻酔薬の注射などです。保険適用ではありませんが、ヒアルロン酸注射を行う場合もあります。装具療法では、サポーターやインソールの着用で、足首への負担を軽減します。生活指導に関しては、立ち仕事や足首に負担がかかる運動の制限、減量や筋力増強のためのアドバイスを行います。足首に負担をかけない運動としては、スイミングやエアロバイクが推奨されています。そして、これらの保存的治療で症状が改善しない場合には、鏡視下骨棘切除術・下位脛骨骨切り術・足関節固定術・人工足関節置換術といった手術が検討対象となります。
鏡視下骨棘切除術とはどのような手術ですか?
鏡視下骨棘切除術は、比較的症状が軽い場合に行われる手術です。骨棘(こつきょく)とは、すり減りなどが原因で骨がとがり、棘のような形状になったもののことであり、これを足関節鏡という内視鏡を使って切除することで痛みの軽減を図ります。手術自体は30分から1時間程度で終わりますが、3日から7日程度の入院が必要になります。
下位脛骨骨切り術とはどのような手術ですか?
症状が中度の場合に主に行われるのが、下位脛骨骨切り術と呼ばれる手術です。この手術では、膝から足首に伸びている脛骨と呼ばれる骨の、足関節の少し上の部分を切ることで、傾きや変形を矯正します。鏡視下骨棘切除術よりも入院期間は長く、2週間から3週間ほどが目安となっています。
足関節固定術とはどのような手術ですか?
足関節固定術は、脛骨と距骨をスクリューで固定したり、脛骨から距骨や踵骨にかけて骨の中に太い金属の棒を入れて固定することで、痛みが出ないようにする手術です。足首を固定すると聞くと、歩けなくなるとイメージする方も多いかもしれないですが、足首にはいくつかの関節があり、それらが固定した関節の働きを補ってくれるため、日常生活に大きな支障が出ることは基本的にありません。この手術は、中等症から重症の方に適応されます。
人工足関節置換術とはどのような手術ですか?
人工足関節置換術は、距腿関節を人工の関節(インプラント)に置換することで、痛みを軽減する手術です。中等症から重症の方に対して行う手術ですが、足首の活動量が多い方に手術をすると、短い時間でインプラントが摩耗したりゆるんだりしてしまうことから、70歳以上のご高齢の方に対して行われます。また、70歳以上の場合でも、普段の生活状況などによっては適応できないこともあるため、医師とよく話し合うことが大切です。

編集部まとめ

変形性関節症が足首に発症する「変形性足関節症」について、原因や症状、治療法などをまとめましたが参考になったでしょうか。変形性足関節症は、膝関節症と比べるとなじみがない症状かもしれませんが、歩く・立つといった動きに欠かせない足首に痛みや腫れが生じるため、発症すると大きな負担となります。足首に負担をかけるスポーツや生活をしている方はもちろん、そうでない方もちょっとした違和感や痛みに気を配り、予防や早期発見に努めましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松繁 治医師(新東京病院)

松繁 治医師(新東京病院)

岡山大学医学部卒業 / 現在は新東京病院勤務 / 専門は整形外科、脊椎外科

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