あなたはAGA治療についてどのようなイメージを持っていますか。
「費用が高い」「治療期間が長い」「効果が出ない」など、あまりよくないイメージをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回はAGA治療のデメリットを解説します。
「もうすでに不安を抱いているのに、どうしてわざわざデメリットを伝えるのか?」と疑問に思った方もいるかもしれません。
それでもデメリットをお伝えする理由は、人は「知らないもの」に対して一番強く不安を抱くからです。
つまりデメリットの正しい知識を身に付けることで、あなたの漠然とした不安が解消され「AGA治療を行うかどうか」を冷静に判断できるようになるでしょう。
この記事では、AGA治療のデメリットや失敗しないためのポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
AGA治療とは?
- AGAのメカニズムを教えてください。
- AGA(Androgenetic Alopecia)を一言で説明すると、髪の毛の寿命が極端に短くなっている状態です。AGAの基礎知識として、男性ホルモンが原因と聞いたことはありませんか。
正確には男性ホルモンの一種である「テストステロン」が体内の還元酵素である「5αリダクターゼ」と作用し、変化した「DHT(ジヒドロテストステロン)」が原因の1つであるとされています。DHTは毛母細胞の分裂を抑制し、ヘアサイクルの短縮を起こすからです。
通常であればヘアサイクルは2~6年かけて行われ、40回程度繰り返してから毛根の寿命を迎えるといわれています。しかしDHTが作用するとヘアサイクルは100日前後になり、髪の毛が十分に成長しないまま抜けてしまいます。
そのため、AGAの人は髪が細くなった・抜け毛が多くなったと感じるのです。
- AGA治療薬にはどのようなものがありますか?
- 国に承認されている内服治療薬として「フィナステリド」と「デュタステリド」の2種類があります。先述のとおり、AGA治療ではDHTを減らすことがとても重要です。そこで着目されたのが「5αリダクターゼ」でした。
5αリダクターゼの活性度が弱まれば、DHTの生成が抑えられるからです。こうして開発されたフィナステリドは「5αリダクターゼII型」を、デュタステリドは「5αリダクターゼI型とII型の両方」の働きを阻害し、ヘアサイクルを正常に整えていく効果を発揮します。
ほかにも、国から承認されている外用治療薬としてミノキシジルがあります。ミノキシジルは血行の促進・成長因子の生産促進により発毛効果を発揮します。
- AGA治療の治療期間はどのくらいですか?
- 個人差はありますが、1年はかかると考えておいた方がいいでしょう。6ヵ月頃から効果を感じられる人が増えてきますが、その時点で治療を辞めてしまうとAGAが再度進行してしまう可能性があるからです。
AGAは進行性の脱毛症のため、症状が改善されたと感じても維持療法を行うことが一般的だといえます。症状が改善されたら薬の量を減らすことも可能ですので、自己判断で治療を中止せず定期的に受診してください。
AGA治療のデメリット・副作用・費用
- AGA治療のデメリットを教えてください。
- AGA治療の主なデメリットは以下のとおりです。
- 治療期間が長い
- 定期的な受診が必要
- 費用が高額
それぞれ独立したデメリットのように見えますが、実はすべてつながっています。治療期間が長いと定期的な受診が必要となり時間的・精神的負担になるうえ、費用も高額になっていきます。
定期的な受診が難しい場合、オンライン診療を行っているクリニックもあるので、そちらを利用するといいでしょう。また、無料カウンセリングを行っているところもあるので、治療を始める前に一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
その際、どのくらい費用がかかるのかも併せて相談をするのも一つです。
- AGA治療の副作用にはどのようなものがありますか?
- 内服薬のフィナステリドとデュタステリドの副作用として、初期脱毛と性機能低下があります。性機能低下の発現率は2%程度といわれており、特別発現率が高いわけではありません。もし性機能低下を感じても、生活に困らない程度ならば治療を優先し服薬を継続しましょう。
ですがまれに重篤な副作用として肝機能障害が起こることがあり、その場合はただちに服薬を中止します。外用薬のミノキシジルの副作用には初期脱毛のほかに痒み・かぶれがあります。
- 初期脱毛について教えてください。
- 初期脱毛とは、新しい強い髪の毛が生えてくる準備の事です。薬によりヘアサイクルが正常なものに変化する過程で、古くて弱い髪の毛が抜け、新しく強い髪の毛が生えてきます。
初期脱毛が起こるのは悪いことではなく、むしろ治療がうまく進んでいる証拠です。なかには、初期脱毛を理由に治療を中止する人もいます。
毛量が増えることを期待して治療を開始したのに、逆に抜け毛が増えてしまうと大変強いショックを受けることは想像に難くありません。ですが「初期脱毛は治療がうまく進んでいる証拠」と知っていたら、抜け毛の量が増えても動じることなく治療を続けることができるのではないでしょうか。
- AGA治療にかかる費用はどのくらいですか?
- クリニックによって大きく異なるため、一概にはいえません。毎月1万円で収まるところもあれば、3万円を超えるプランを提示しているクリニックもあります。
AGA治療は継続が重要なため、経済的に無理をしなければならないプランはおすすめできません。治療開始前に詳細な説明を受け、内容や費用を十分に確認しておくことが得策でしょう。
複数のクリニックで見積もりを出してもらい、比較検討もおすすめです。
- AGA治療を途中でやめたらどうなりますか?
- AGA治療を途中でやめてしまうと、治療開始前の薄毛状態に戻ります。現状ではAGAの完治が難しく、治療はAGAの進行を抑えることがメインとなっています。
そのため、治療を中断した瞬間から症状が進行するといえるかもしれません。治療にかけた時間や費用を無駄にしないためにも、治療の継続が重要です。
AGA治療に失敗しないためのポイント
- 投薬治療以外の治療法にはどのようなものがありますか?
- 投薬以外の治療としてさまざまなものがありますが、2017年に発行された男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインで推奨度ランクB以上(行うようにすすめる)に認定されているものは以下のとおりです。
- ミノキシジルの外用薬(推奨度A)
- アデノシンの外用薬(推奨度B)
- 自毛植毛術(推奨度B)
- LEDおよび低出力レーザー照射(推奨度B)
ミノキシジル・アデノシンの外用薬は市販もされているため、購入を検討したことがある方も多いのではないでしょうか。特にミノキシジルは比較試験により明確な効果ありと証明されたため、ガイドラインでも推奨度A(行うよう強くすすめる)を獲得しています。
自毛植毛術はAGAが進行していない後頭部などから毛根を採取し、患部に移植する方法です。自分の髪の毛を移植するので定着率が82.5%と高い一方で、痛みや合併症のリスクなどに注意しなければなりません。
LEDおよび低出力レーザー照射は副作用が少なく効果も期待できるとされているのですが、光源の種類・波長・出力が報告によって異なるという曖昧さもあります。
- AGA治療に失敗しないためのポイントを教えてください。
- AGA治療で何よりも大事なポイントは早めに治療を開始することと専門のクリニックに通うことです。治療の開始が早ければ早い程効果を期待できます。
そして専門のクリニックの受診をおすすめする理由は、診断が難しいことです。AGAは進行度合いが「ハミルトン・ノーウッド分類」と呼ばれる世界基準で細かく決められています。しかし、素人では細かい判別が不可能といっていいでしょう。そのため、専門の経験が豊富な医師の診断が必要不可欠です。
またAGA治療は長期間にわたるので、治療費や定期的な通院が大きな負担となる場合もあります。治療を始める前に期間や費用の目安を確認しておくのも、失敗しないための大事なポイントではないでしょうか。
編集部まとめ
今回はAGA治療のデメリットについて解説しました。
AGA治療は長期にわたり費用も高額になることが少なくないため、治療開始を迷っている人も多いのではないでしょうか。
AGA治療を検討しているのであれば、メリットとデメリットをしっかりと考慮してから開始するか否かの判断することをおすすめします。
無料カウンセリングを行っているクリニックもあるので、自分の髪の状態を知るために問い合わせてみるものいいでしょう。
今回の記事が、あなたの早期決断の参考となれば幸いです。
参考文献