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膝軟骨再生とは?膝軟骨再生治療はどんな場合に行うの?

膝軟骨再生

膝軟骨再生についてご存知ですか?本記事では膝軟骨再生について以下の点を中心にご紹介します。

  • 保険適用になる病気
  • 再生医療について
  • 膝軟骨再生治療の流れ

膝軟骨再生について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

そもそも膝軟骨再生とは?

そもそも膝軟骨再生とは?

膝の関節内に間葉系幹細胞を注射することで、軟骨再生を促す治療法です。 患者の健康な軟骨を培養し欠損した部分に移植する手法が用いられ、膝の健康を取り戻すための画期的な治療法として注目されています。

膝軟骨再生が保険適用になる病気

膝軟骨再生が保険適用になる病気

膝軟骨再生治療は、一部の病気を除いて2013年4月から保険適用で受けられるようになりました。ここでは公的医療保険の対象になる病気を紹介します。

外傷性の軟骨欠損症

外傷性の軟骨欠損症とは、スポーツ中の接触や交通事故など、膝軟骨の一部が外からの強い衝撃により欠けてしまう、もしくは剝がれてしまう症状のことを指します。 具体的なシチュエーションとしては、「サッカーの試合中に他の選手とぶつかった」や「交通事故によってひざを強く打った」といったケースが考えられます。 軟骨だけでなく、靱帯や半月板も同時に損傷することがあり、その場合、総合的な治療が求められることもあります。軟骨は、再生能力が低いという特性を持ち、一度損傷を受けると、自らの力での治癒や再生は期待できません。そして、このような軟骨の損傷を放置すると、将来的に変形性膝関節症のリスクが増大するとされています。

離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)

離断性骨軟骨炎は、主に10代のスポーツ選手に発症しやすい膝の疾患で、骨の表面を覆っている軟骨とともに骨が剥がれることから起こります。この症状は、激しいスポーツや労働によって、膝へ繰り返し力が加わることで発生します。特に、軟骨下の骨への持続的なストレスが原因とされています。 症状の初期段階では、自覚症状が乏しいこともありますが、骨と軟骨が剥がれて関節内に遊離すると、著しい痛み、腫れ、さらにはひざの正常な動きが制限されることがあります。特に、遊離した骨軟骨片が関節の隙間にはさまると、関節がロックされて動けなくなる「ロッキング」という状態になります。

再生医療方法について

再生医療方法について

再生医療には実はさまざまな種類があります。ここでは再生医療方法の種類とそれぞれの特徴を一つひとつ解説していきます。

幹細胞治療

幹細胞治療は、患者の自身の脂肪から取り出した幹細胞を用いた再生医療の一つです。この治療法の特徴は、幹細胞の能力にあります。幹細胞は自身と同じ細胞を生成することや、他の細胞タイプに分化する能力があり、脂肪由来の幹細胞は軟骨にも変化できます。これにより、変形性膝関節症などの損傷した関節軟骨の再生が期待できます。 さらに、幹細胞は炎症を抑える物質を生産する能力を持っているため、関節の炎症の抑制や痛みの軽減といった効果が見込まれます。医学論文においても、幹細胞の鎮痛効果に関する報告が増加しています。具体的には、幹細胞治療を受けた患者は、治療後数ヵ月〜数年の期間で症状の持続的な改善を体験しているとのこと。この持続期間は、ヒアルロン酸注射やステロイド注射の数週間とは比較にならないほどです。

PRP療法

PRP療法は、患者自身の血液を使用した治療法です。具体的には、患者の血液を採取し、それを遠心分離して“血小板”を多く含む“血漿”層、すなわちPRP(多血小板血漿)を抽出します。このPRPを患部に注射することで、治療効果が期待されます。 PRPの特徴は、血小板に豊富に含まれるさまざまな成長因子にあります。これらの成長因子は、出血の止血作用のほか、組織の修復を促進する役割があります。PRP療法は、損傷部位の修復や痛みの改善を促進する治療として利用されます。

APS療法

本APS療法は、再生治療の新たなアプローチで、特に変形性膝関節症を対象とした先進的な治療法です。この療法では、専用のAPSキットを使用して、PRP(多血小板血漿)から関節の健康に必要な成分、特に抗炎症成分や成長因子を高濃度で取り出します。結果として得られるAPSには、抗炎症物質と成長因子が濃縮され、これらの成分が関節内の炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待されます。 APS療法は「次世代PRP」とも称され、これはAPSがPRPから更に精製される特性に由来します。従来の治療、例えばヒアルロン酸注射や薬物療法とは一線を画し、また切開手術とも異なる新しい方法として注目を浴びています。

PRP-FD療法

PRP-FD療法は、自己治癒力を最大限に引き出す再生医療の一つです。この治療法の核心は、血小板が濃縮されたPRP(多血小板血漿)をさらに高濃度に活性化・濃縮し、その後フリーズドライ化して修復因子のみを使用する技術にあります。このPRP-FDには、一般的なPRP療法に比べて2倍以上の成長因子が含まれており、その結果、傷の修復能力や自己修復能力が大幅に高まります。 血小板は、血管が損傷した際に止血の役割を果たすだけでなく、多量の成長因子を放出する性質があります。PRP-FD療法では、この成長因子の能力を利用して、治りにくい組織の修復や炎症の軽減を促します。自分の血液を利用するため、副作用や拒絶反応のリスクが低く、その安全性は高いとされています。

膝軟骨再生治療の流れ(自家培養軟骨移植術)

膝軟骨再生治療の流れ(自家培養軟骨移植術)

膝軟骨再生治療(自家培養軟骨移植術)はどのように進めていくのでしょうか?ここでは膝軟骨再生治療の流れを見ていきましょう。

軟骨採取

「自家培養軟骨移植術」の初めのステップは、患者のひざ関節から軟骨を採取することです。この採取された軟骨は、後に培養や移植の材料として利用されるため、非常に重要な工程となります。具体的には、関節鏡による手術を実施し、その過程で約0.4gの軟骨を取り出します。 軟骨の採取には、関節鏡手術が行われ、大きな切開なしで約30〜40分の短時間の処置で完了します。

入院

軟骨の採取手術後には入院が必要ですが、その期間は大変短く、わずか1日ほどです。 しかし、その後の培養軟骨の移植手術では全身麻酔を使用し、ひざの切開が必要となるため、手術時間は2時間ほどを要します。移植後のリハビリを考慮すると、多くの患者さんは約1ヵ月後に退院となるケースが一般的です。退院後もリハビリは続けられるため、復帰が可能な職場であれば、治療から2ヵ月後には仕事に戻ることができます。この期間は、患者の状態や職種によって変わる場合もあるため、注意が必要です。

自家培養軟骨の作成

軟骨は、一度損傷を受けると自然修復が難しい組織ですが、軟骨細胞には増殖の能力が備わっています。 患者さんの関節から採取した正常な軟骨に、アテロコラーゲン(コラーゲンの一種)を加えて体外で約4週間培養します。この期間で軟骨細胞は大きく増殖し、「自家培養軟骨」として形成されます。得られた軟骨は、軟骨の損傷部に移植され、大きな損傷も正常に近い軟骨組織で再生させることが可能となります。

移植手術

約4週間培養した自家培養軟骨を欠損部に移植する手術をしていきます。 手術は全身麻酔のもと、およそ2時間程度を要します。移植した軟骨が位置を保持し、適切に組み込まれるよう「骨膜」を用いて縫合します。この手術では拒絶反応が極めて少なく、広範囲の軟骨欠損にも対応できます。ただし、移植手術には切開をともなうため、患者への体の負担は少なくありません。

入院

移植手術後の入院期間は概ね1ヵ月程度となります。 術後1〜2週後からリハビリテーションが開始され、日常生活への復帰を目指します。退院後もリハビリは継続され、ひざに負担が少ないデスクワークの場合、最速で2ヶ月後の復帰が期待されます。一方、スポーツ活動や物理的負担が伴う仕事については、6ヵ月から1年以上のリハビリ期間を要することもあります。

まとめ

まとめ

ここまで膝軟骨再生治療についてお伝えしてきました。内容をまとめると以下の通りです。

  • 外傷性の軟骨欠損症と離断性骨軟骨炎は膝軟骨再生治療が保険適用で受けられる
  • 再生医療にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なる
  • 膝軟骨再生治療は、患者の膝から軟骨を採取して作った自家培養軟骨を損傷部に移植し、約1ヵ月の入院とリハビリで日常生活への復帰を目指す治療法

これらの情報が膝軟骨再生治療について知りたい皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

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