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再生医療

脳梗塞の再生医療とは?効果・脳卒中・幹細胞治療について解説

脳梗塞の再生医療とは?

脳梗塞を患うと、疾患部分の再生は難しいと思いがちです。しかし、脳梗塞・脳卒中分野での再生医療は日々進歩し続けています。

まずは、再生医療とはどのようなものなのか、脳梗塞における再生医療の効果についてを知ることが重要です。

脳梗塞の再生医療のメリットとデメリットを知り、治療の選択肢を広げましょう。脳卒中という病の基本情報・再生医療対象の後遺症・再生医療の治療機関についても紹介しています。

脳梗塞に対する幹細胞治療と治療費についても紹介しているので、患者さんはもちろんご家族の人も知っておきたい情報をまとめました。

脳梗塞の再生医療について

脳梗塞の再生医療について

再生医療とはどのようなものですか?
まずは再生医療についての、基本的な情報を知ることから始めましょう。

  • 病気による身体の機能の低下で起こった機能障害や機能不全に対し、人体などの細胞や人工物を用いて機能の再生を行う
  • 再生医療の技術を駆使した、現在治療困難とされている難病の原因を解明する
  • 難病に対する治療の開発を行う

日本では2014年11月に再生医療の安全性を確保するといった内容の法律が施行されて、徐々に安全性や手続きなどのルールが定められて現在まで研究が積み重ねられてきました。
また、脳梗塞や脳卒中における再生医療は、健康保険適応外なので高額になりやすいのも知っておくべき情報でしょう。再生医療を受けることによって障害の軽減が望めますが、完治は難しいケースもあります。

脳梗塞の再生医療の効果を教えてください。
脳梗塞を発症すると、麻痺などの障害が残ってしまうことが難点です。脳梗塞発症後の治療に再生医療を実践することで、以下のような効果に期待が高まります。

  • 脳梗塞によって失ってしまった、身体能力を回復させる…血流の改善で痛みが軽くなる・可動域が広がるなど
  • リハビリの効果アップが見込める…リハビリと再生医療を組み合わせることで、リハビリの効果をより引き出しやすくする
  • 脳梗塞の再発を防止…血管の修復機能に高い期待が寄せられている

前述の通り、再生医療を行っても100%再発を防げるわけではありません。しかし、再発防止は患者さんが非常に気になる点の一つです。そのほかの気になる部分も、再生医療を受けることで改善する可能性が見込めます。

脳梗塞の再生医療のメリットはどのようなものですか。
脳梗塞の発症後に再生医療を受けることのメリットは、以下のものがあります。

  • 骨髄由来の間葉系幹細胞を用いた点滴による施術を受けることで、幹細胞やサイトカインを損傷や疾患部分に届けて神経回路の再構築を促す効果が期待できる
  • 自分の骨髄由来間葉系幹細胞を使用することで、安心して施術を受けられる
  • 点滴治療なので、痕が残らない
  • 感覚障害の改善…温度を感じる機能の回復・触感・しびれや麻痺の軽減
  • 歩行障害の改善…ふらつきの軽減や改善・下肢のしびれや麻痺の軽減や改善
  • 排せつの改善…排せつをコントロールしやすくなる排尿痛の軽減
  • 言葉の改善…言葉の理解力の回復・発声の改善・読み書きの改善や回復・意思疎通能力の回復など

再生医療に使用される骨髄由来の間葉系幹細胞は、検査を行い骨髄液を採取して、細胞を抽出します。抽出した細胞を培養し、安全性と性能をチェックして点滴治療に使用しているので安心して施術を受けられるのも特徴です。

脳梗塞の再生医療のデメリットはありますか。
再生医療はメリットだけでなくデメリットも発生します。勢いだけで施術に踏み切らないよう、デメリットにも目を通しておくと安心です。

  • 高額な治療費が発生する
  • 骨髄液を採取するとき、麻酔によるアレルギーが発生する恐れがある
  • 血管からの出血
  • 針を刺したときの不快感や感染症リスクがある
  • 間葉系幹細胞の点滴施術を受けることによる、肺血栓塞栓症を発症することがある
  • 稀ではあるものの、発熱することがある

細胞を採取するときと点滴を血管に入れるときは、どうしても感染症のリスクがあります。針の刺さり方によっては内出血のような跡が残ることがありますが、こちらは手術痕のようにずっと残るわけではありません。自由診療なので治療費が高額になる可能性が高いです。

脳卒中と再生医療について

脳卒中と再生医療について

脳卒中とはどのような病気ですか?
脳卒中は、予兆なく脳に起こる脳血管疾患です。発症する脳の部位によって、症状が異なります。高齢の人が多く発症する病気で、脳梗塞も脳卒中の一種です。脳卒中の種類は、以下のものがあります。

  • 脳梗塞…血栓などが原因で血管が詰まり、血流が滞ってしまう
  • 脳内出血…脳内の血管が破れることで、脳内に出血が広がる
  • くも膜下出血…脳動脈瘤の破裂によって、血管が破裂して脳内に出血する
  • 一過性脳虚血発作…脳内の血管が詰まるものの、血流が改善し症状が改善する

脳卒中とひと口にいっても、脳と脳内の出血にまつわるさまざまな病気があります。中でも脳内出血とくも膜下出血は、脳卒中の中でも死亡率が高いことで有名です。完治することもありますが、発症する部位によって障害が残ることも少なくありません。

再生医療が対象となる後遺症はどのようなものですか?
脳卒中の後遺症の中でも、以下のものが再生医療で効果が出やすいです。

  • 運動障害…歩行や手の使い方・排せつの自己コントロール・温度を認識する能力など
  • 認知障害…ものの位置を正しく認識する・相手に自分の意思を伝え、相手がなにを伝えようとしているかを理解する能力
  • 文字の読み書き・適切な発声など

上記の能力は、日常生活に欠かせないものばかりです。後遺症や障害によって失われてしまうと、患者さんだけでなく家族も戸惑ってしまうような場面が多くなります。

脳卒中に対する再生医療の治療期間はどのくらいですか?
脳卒中を発症後に再生医療を受ける場合、治療期間が気になる患者さんは多いです。体力の回復や障害の有無などを考慮すると、治療期間を事前に知っておくことで前向きに治療に取り組みやすくなる可能性が高まります。

  • カウンセリング(約2時間)…問診などで既往歴やこれからの治療の効果リスクを話す
  • 採血と感染症の検査(結果が出るまで約1週間)…採血で感染症のウイルスの有無を調べ、細胞培養可能かをチェックする
  • 骨髄液の採取(約90分)…専用の服を着用し、腰の上部あたりに局所麻酔をかけて専用器具を使用して骨髄液を採取する
  • 採取した細胞の培養(約4週間)…採取した骨髄液をその日に専門施設に輸送し、培養を実施して幹細胞が細胞内にあることを確認する
  • 点滴による幹細胞投与(約30分)…4週間間隔をあけて、3回実施
  • 検診…点滴治療終了後、半年~1年後に実施

点滴による治療そのものは、順調にいけば約2か月で終了します。点滴実施時間も短く、負担は少ないです。

脳梗塞に対する幹細胞治療や治療費について

脳梗塞に対する幹細胞治療や治療費について

再生医療の一つである幹細胞治療について教えてください。
幹細胞治療を行うにあたり、体内にある間葉系幹細胞を採取する必要があります。間葉系幹細胞は、以下の方法で採取可能です。

  • 麻酔をかけて骨髄液を採取し、抽出する
  • 皮下脂肪を採取し、脂肪内にある幹細胞を抽出する

骨髄液を採取する方法は体への負担がかかりますが、皮下脂肪の採取は体に負荷をかけずに済みます。双方の方法で抽出した幹細胞は、培養して投与できるよう安全性などを確認したうえで、点滴注射して体内に戻すのが治療の流れです。
前述した通り、治療そのものの期間はそこまで長くありません。通院で点滴を受けられるので、施術後は帰宅してゆっくりとくつろげます。

治療費はどのくらいかかりますか?
脳梗塞を発症して幹細胞治療を受ける場合、自由診療になります。そのため医療費が高額になるので、その点は十分に注意しましょう。価格は病院やクリニックによって差があるものの、高額であることには間違いありません。

  • カウンセリング…3,000〜10,000円(税込)ほど
  • 術前検査…10,000円(税込)ほど
  • 幹細胞点滴…1回につき1,000,000〜1,500,000円(税込)前後

3回施術を受けると、3,000,000〜4,000,000円(税込)ほどになることが多いです。病院やクリニックによっては、モニター価格を設定していることがあります。モニター価格は通常価格よりも治療費を抑えられるので、モニター対象になれるかを主治医に確認してみましょう。

再生医療の効果が十分でない場合もありますか?
再生医療は自由診療なので、治療費が高額になります。そのため、どのような方でも気軽に試せる治療方法ではありません。
高額な治療費を払うということは、状態の大きな改善が期待されますが、必ず回復すると思い込まないようにしましょう。
どのような治療方法を試す場合でも、治療効果の現れ方は個人差があるものです。幹細胞治療においてもそれは当てはまるため、どのような方でも劇的に症状や障害が改善されるというわけではありません。しかし、まったく効果がないわけではないので、試してみる価値がある治療方法です。

編集部まとめ

編集部まとめ
脳出血・脳卒中・脳梗塞を発症すると、どうしても後遺症や障害に苦しむことが多くなります。生活に支障が出てしまう状態が長く続くのを防ぐためにも、リハビリと併せて幹細胞治療を検討してみましょう。

点滴治療なので、体に大きな負荷をかけずに治療を受けられます。治療期間も長すぎないので、リハビリと併せて取り組むことで不自由だった体の動きがかなり改善される期待が持てます。

自由診療なので、医療費が高額になってしまう点には注意してください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業

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