注目のトピック

再生医療

再生医療においての凍傷治療|症状・治療法について解説

再生医療 凍傷

再生医療には、組織の再生細胞の回復効果が期待されています。

「凍傷によって治らなくなった傷を治したい。」
「再生医療を行い、凍傷によって壊死した組織は再生しないのか?」
と考えたことはありませんか?

そこで本記事では、再生医療による凍傷治療について解説していきます。

記事の後半では、再生医療を行うメリットやデメリットも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

再生医療の凍傷治療について

しもやけ

再生医療で凍傷治療ができるのでしょうか?
再生医療による凍傷治療は、医療に携わるさまざまな機関で研究されています。しかし、現段階では凍傷に対する治療法として確立されていません。
一部では、再生医療による凍傷治療の可能性が期待されているものの、臨床試験段階であり、課題は多く残っています。凍傷の治療法としては、なるべく早期に対処することが大切で、凍傷部分の保護・温度保持・血流の促進が一般的に有効とされている方法です。
再生医療でどのくらいの凍傷治療効果があるか教えてください。
再生医療にはいくつかの治療法がありますが、幹細胞を用いた「幹細胞治療」が主流です。幹細胞治療とは、さまざまな種類へと変化できる幹細胞を活用し、組織や細胞を修復していく治療法です。
幹細胞治療の効果は、細胞の働きによるため人によって効果にばらつきがあります。一概にどれほどの効果があるとはいえません。例えば、人体の皮膚代謝のサイクルは約1ヶ月で行われます。また、代謝速度や効果は人によって異なるため、軽度の症状でも治療開始から完治するまでに1ヶ月〜3ヶ月ほどかかる可能性があります。

凍傷の症状や治療法

凍傷の症状や治療法

凍傷とはどのような状態や症状を指しますか?
凍傷とは、主に手足・指・耳・鼻など肌の露出が多い部分に起こりやすく、体の組織が凍結してしまうことです。主に、厳しい寒さでの作業・スポーツ・遭難などの際に受傷します。ひどい場合には水疱ができたり、組織が壊死して皮膚が黒く変色したりすることがあります。凍傷の診断は、受傷部位を見ればすぐに判断が可能ですが、進行具合までは受傷部位からは判別がつきません。凍傷の経過を予測することは困難であり、時間をかけて経過観察する必要があります。
また、時間の経過と共に深度が進行する場合もあるため、治療開始後も十分な注意が必要です。さらに、凍傷になっている人は、低体温症も併発している可能性が高いです。毛布などで体全体を覆い、すぐに患部を温めましょう。患部を温める際は、約40℃のお湯につけるのが理想的です。40℃以上のお湯につけることや患部を擦ることは、さらに組織を損傷させる可能性があるため、十分に注意しましょう。
再生医療による凍傷治療はどのように行いますか?
凍傷治療を再生医療で行う場合、いくつかの手段がありますが、幹細胞を用いた治療法がもっとも一般的でしょう。これまでは、生体適合性のあるバイオマテリアルを利用した「組織工学」の活用が検討されてきました。
しかし近年では、幹細胞の働きの発見により、幹細胞を使った組織の再生を目指す研究が世界中で進められています。再生医療に使用する幹細胞には、患者さん自身の幹細胞が必要です。幹細胞はお腹周りの脂肪に多く存在するため、ほとんどの場合お腹を切開することになります。切開による痛みはほとんどありませんが、自分の体を切開するのが怖い方は、事前に担当の医師に相談しておきましょう。
再生医療による凍傷治療は症状が重いほど適用されやすくなりますか?
凍傷の症状が重い場合にも、再生医療が適用されるとは限りません。凍傷を再生医療によって治療する方法はいくつか存在し、その全てに組織の再生効果が期待されています。
しかし、現段階で再生治療による凍傷治療は研究段階であり、治療方法として確立されていません。ただし、症状の重さではなく、治療の内容によっては再生医療が適用されることもあります。凍傷治療に再生医療を適用するかについては、担当の医師と相談の上、慎重に検討しましょう。
治療中に起こり得る主な副作用を教えてください
再生医療による治療の場合、治療中の副作用の報告はほとんどありません。再生医療は、自身の細胞を使用するためアレルギー反応や副作用の心配がありません。そのため、安全性が高く体への負担が少ない治療法として知られています。しかし、脂肪採取の際にお腹や太ももの切開を行うため、低確率で感染症にかかることがあります。
また、ごくまれに頭痛・発熱・嘔吐・細胞の注入箇所が腫れる、などといった症状が現れることもあります。安全性が高いとはいえ、副作用が全くないとはいいきれません。再生医療による治療を選ぶ場合は、副作用についても担当の医師にきちんと確認しておきましょう。

再生医療において凍傷治療のメリット・デメリット

再生医療において凍傷治療のメリット・デメリット

再生医療による凍傷治療のメリットはありますか?
凍傷治療を再生医療で行うことのメリットは、副作用を起こす可能性が低いことです。再生医療には、自身の体から採取した細胞を使用するため、アレルギーによる拒絶反応を起こすことがほとんどありません。
また、細胞を採取する際、切開する範囲が小さいため手術痕が残りにくいです。そのため、見た目を気にする人にとっては、美容面でもメリットがあるといえるでしょう。
再生医療による凍傷治療にデメリットは生じるでしょうか?
再生医療を行うことのデメリットは高額な治療費がかかることです。幹細胞を用いた再生医療は、厚生労働省の認可が下りていないケースが多く、自由診療での治療となります。そのため、再生医療による治療で保険適用されることはほとんどありません。
ただし、安全性や有効性など、一定以上の条件を満たしている場合には、「先進医療」とみなされ健康保険との併用が認められる可能性があります。担当の医師と治療内容について十分に相談し、保険適用が認められる内容があれば、保険の範囲内での治療も可能です。

再生医療において凍傷を治療する場合

再生医療において凍傷を治療する場合

凍傷治療を再生医療で行った場合の通院回数はどのくらいですか?
凍傷治療を再生医療で行った場合、凍傷の状態や進行具合によって通院回数は異なります。凍傷のレベルが軽度の場合、通院回数は少なくて済むでしょう。しかし、重度の凍傷である場合には1年以上の通院、または入院の可能性があります。
例えば、2度の凍傷で再生医療を行わない場合の治療では、経過観察に約3週間・10回の通院を重ね、約1ヶ月後に治癒が認められました。具体的な通院回数は、症状の進行具合によってその都度変わる可能性があるため、担当の医師と相談しながらスケジュールを調節しましょう。
再生医療の治療費相場はいくらになりますか?保険適用されますか?
再生医療の治療費相場は、治療内容によって変わりますが、200万円〜400万円(税込)ほどかかります。また、再生医療による治療はほとんどが自由診療となるので、多くのケースで保険適用されません。2023年4月の段階では保険適用される再生医療は19種類に限られています。
しかし近年では、再生医療に関する法の整備や薬・医療機器の安全基準が見直されており、国を挙げて医療の進歩を推進しています。再生医療の研究は現在も進められており、多くの再生医療が国による承認を待っている段階です。そのため、明確な時期はわかりかねますが、再生医療の保険適用範囲は今後広がっていくでしょう。

編集部まとめ

説明

再生医療には、副作用がないことや傷跡が残りにくいなど、患者さんにとって大きなメリットがあります。

しかし、保険適用されないことがほとんどであるため、多額の費用がかかります。いくら副作用がなく、傷が綺麗に治るからといっても金銭的負担は大きいでしょう。

凍傷治療に再生医療を選ぶ際には、費用面や治療内容について、担当の医師に入念に確認してください。

また、再生医療による凍傷治療はまだ臨床試験段階にあり、確立された治療法ではありません。

凍傷治療については、医師に十分に相談したうえで、適切な治療法を選びましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業

記事をもっと見る

注目の記事

RELATED

PAGE TOP