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幹細胞点滴の費用はどれくらい?保険適用は可能?他の治療方法と比較しながら解説!

優れたアンチエイジング効果があるとして、美容に強い関心を持つ方々から注目を集めている「幹細胞点滴治療」。
興味はあるものの、「費用はいくら必要?」「どんな効果がある?」など、様々な疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、幹細胞点滴の概要や、治療にかかる費用について詳しく解説します。
ほかの再生医療のとの違いや、リスクなどについても徹底解説するので、施術を検討中の方はぜひ参考にしてください。

幹細胞点滴とは?

幹細胞点滴とは、シミやしわ、たるみを改善する美容効果のほか、動脈硬化や間質性肺炎の治療など、幅広い効果が期待できる再生医療の一つです。
人間の体内に存在する「幹細胞」は、様々な組織や細胞に変化する能力や、新しい細胞を作り出して修復する能力を持っています。
身体中の細胞が、ケガや加齢によって失った際に、それらの細胞を補充・回復する役割を幹細胞は担っているのです。

しかし、幹細胞は加齢により減少していくため、年齢を重ねるごとに代謝も低下し、体の不調や見た目の老化も進むようになります。
幹細胞点滴は、減少した幹細胞を点滴によって補充し、代謝をより正常な状態にまで回復させることを目的としているのです。

幹細胞の種類はどのようなものがありますか?

幹細胞には主に、ES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(人工多能性幹細胞)、成体幹細胞の3種類が存在します。

ES細胞は、ヒトの受精卵の一部から取り出して生成された細胞です。
あらゆる細胞や組織に分化(特定機能を持つ細胞に変化)する能力があり、理論上ほぼ無限に増殖が可能なため、幹細胞点滴にもっとも適する幹細胞の一つとなっています。

iPS細胞は、人間の皮膚等の細胞へ、4種類の遺伝子を導入し、数週間培養して作成された細胞です。ES細胞と同様に、ほぼ無限に増殖可能で、筋肉細胞や神経細胞など、体中のあらゆる細胞に分化可能な能力を持っています。

成体幹細胞は、皮膚や血液、骨髄など、体内のあらゆる組織や臓器に存在する細胞です。ES細胞やiPS細胞のような多様な分化はできず、一定の限られた種類の細胞にのみ分化が可能で、分裂回数にも制限があります。

幹細胞点滴とは幹細胞を点滴するものですか?
その通りです。患者さん自身から採取した幹細胞を培養し、点滴によって全身にいき渡るように投与します。本人由来の幹細胞を投与するため、点滴における副作用リスクも起きにくいという特徴があります。

幹細胞点滴にはどれくらい費用がかかりますか?

クリニックや治療内容によって異なりますが、美容目的の場合、1回の点滴で2万円~15万円ほどが大まかな相場となっています。定期的に複数回点滴をするコースの場合、30万円~100万円ほどです。なお、場合によっては数百万円を超える金額で提供しているクリニックもあるため、事前に費用の相談をしておくことをおすすめします。
適切な施術回数も人によって異なるため、目的と予算を明確にし、医師とよく相談して検討しましょう。

幹細胞点滴は保険が適用される?
美容や健康目的の場合は、保険適用外となり全額自己負担となります。
幹細胞点滴とほかの治療ではどのような違いがありますか?

幹細胞点滴と並ぶアンチエイジング治療として、特に広く使われている、ボトックス注射、PRP療法、ヒアルロン酸注射の3種類の治療法の特徴を紹介します。

ボトックス注射は、ボツリヌス菌から抽出されたたんぱく質を、表情筋などの筋肉に注射する治療法です。
ボトックス注射を筋肉に注入すると、筋肉がリラックス状態になって動きが弱まり、注入した箇所のシワやたるみが目立たなくなります。

施術から約2週間程度で効果があらわれ、その後6ヶ月間ほど効果が持続し、徐々に元の状態に戻っていきます。より長く効果を保つためには、数ヶ月ほどのペースで定期的に施術をする必要があります。

PRP療法は、血液中の細胞である血小板を高濃度に凝縮して活性化させた「PRP(多血小板血漿)」を、体内に注入する治療法です。シワやたるみ、ニキビ跡やヤケド跡などの改善効果が期待できます。もともと自身の体内にあったものを注入するため、感染症やアレルギーなどの副作用が発生するリスクが少ないのが特徴です。

ヒアルロン酸注射は、ヒトの体内に元々存在するヒアルロン酸を、希望の部位に注射してボリュームを与え、シワやほうれい線などを改善する施術です。身体に元々ある成分を注入するため、副作用のリスクが少なく、即効性もあり、効果がすぐに実感できるのが魅力です。製剤によって異なりますが、1度施術すれば半年〜2年間ほどは持続します。

幹細胞点滴の費用とほかの治療の費用ではどのくらい違いがありますか?
施術する箇所や量、クリニックによって異なりますが、大まかな1回あたりの費用目安としては、ボトックス注射が5万~10万円、PRP療法が5万~40万円、ヒアルロン酸注射が1万〜15万円ほどです。なお、上記の治療は美容目的の場合、幹細胞点滴と同様に保険適応外となります。

幹細胞点滴の費用対効果はどのくらいありますか?

幹細胞点滴の費用対効果について、実際の効果とリスクをみて考えてみましょう。

幹細胞点滴の効果はどのようなものがありますか?
美容面では、シワ・クマ・たるみなどの肌質改善、毛髪再生・増毛効果、美白効果があげられます。また、健康面については、老化予防、生活習慣病予防、免疫力の向上、疲労回復、糖尿病改善、動脈硬化改善、肝障害改善、更年期障害改善、ED改善などがあげられます。
幹細胞点滴では、シワやたるみの改善などの美容効果のほか、糖尿病や動脈硬化の改善など、幅広い症状の改善効果が期待できます。数万円~数十万円ほどでこれだけの恩恵を受けられるのであれば、費用対効果はそれなりに高いとも言えるのではないでしょうか。
幹細胞点滴のリスクにはどのようなリスクがありますか? 
幹細胞点滴における主なリスクは、献血ができなくなる、点滴箇所が腫れたり赤みが出る可能性がある、すべての人が治療を受けられるわけではない、といったものがあげられます。

まず、献血ができなくなることについてですが、幹細胞点滴を1度でも受けた場合、その方は献血ができなくなります。ヒト由来の細胞を用いる幹細胞点滴治療は、現状、未知のウィルスに感染する可能性が否定できないため、献血を不可としているのです。
また、腫れたり赤みが出る可能性があることについては、幹細胞点滴は点滴注射をするため、点滴をした箇所が腫れたり、赤みが出たりする可能性があります。なお、ほとんどの場合、数日程度で症状は収まります。
最後に、すべての人が治療を受けられるわけではないということですが、幹細胞点滴は、拒絶反応が起きにくく、比較的リスクの少ない幹細胞点滴ですが、誰にでも施術可能なわけではありません。

例えば、がん治療中の方や妊娠中の方は、基本的に治療を受けられないため注意してください。
がん治療中の方は、がん細胞を活性化させる恐れがあるため受けることができませんし、妊娠中の方は、胎児や母体へ悪影響を及ぼす恐れがあるため受けることができません。
また、該当する方はそう多くないですが、過去に幹細胞点滴によってアレルギー反応があらわれた方も、施術できません。

編集部まとめ

幹細胞点滴は、体内組織の再生を促進しアンチエイジング効果や免疫力向上効果など、あらゆる恩恵を受けられる再生医療です。
美容目的の場合、保険は適用されませんが、クリニックによっては1回数万円ほどで治療が可能なところもあり、決して手が届かない治療方法というわけでもありません。
「いつまでも若々しくいたい」「病気になりにくい体でいたい」と考えている方は、カウンセリングを受けてみる価値は充分にあると言えます。

幹細胞点滴では、シワやたるみの改善などの美容効果のほか、糖尿病や動脈硬化の改善など、幅広い症状の改善効果が期待できます。数万円~数十万円ほどでこれだけの恩恵を受けられるのであれば、費用対効果はそれなりに高いとも言えるのではないでしょうか。

 

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

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