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メソセラピーはAGA治療に効果あり?育毛・発毛を促す有効性・副作用を解説

メソセラピー 効果

メソセラピーは痛みが少なく効果が出やすいことで注目されている治療法です。さまざまな医療現場で用いられており、AGA治療でも利用されています。

しかしAGA治療を行っている患者さんにとって治療を選択する際のポイントは、自分自身が育毛・発毛の効果を感じられるかどうかにあるでしょう。

そこでこの記事では、メソセラピーによるAGA治療について詳しく解説します。治療を検討する際にぜひお役立てください。

メソセラピーはAGA治療に効果あり?

医師が手に持っている注射器

再生医療が加速するなかで注目を集めているメソセラピーは、美容医療からAGA(男性型脱毛症)治療まで幅広い分野で活用されている治療法です。

まずメソセラピーとはどのような治療法なのか、AGA治療にどう活用されているのかご紹介します。多方面で用いられている理由をみていきましょう。

メソセラピーとは

美容外科で施術を受ける女性(脂肪溶解注射・ボトックス)

まずメソセラピーとは簡単に、患者さんの症状・悩みに応じた薬剤を少量ずつ皮内・皮下に注射する治療法を指します。

英語では「mesotherapy」と書きます。中間・中央を意味する「meso」と、治療を意味する「therapy」からなる単語です。

これは筋肉・血管への注射または薬の服用を内側の治療、外用薬の塗布を外側の治療とした場合、ちょうどその中間の治療であることを表しています。

1952年にフランスのミッシェル・ピストール博士が初めて施行し、考案当時はリウマチ・関節炎・スポーツ外傷などの治療法として利用されていました。

その後、皮膚科領域での治療でも効果が実証されたことで、しわ・たるみの治療をはじめとする美容医療にも広く用いられるようになってきました。

なお、美容医療で人気の脂肪溶解注射もメソセラピーと呼ばれます。そのため、メソセラピー=脂肪溶解注射と誤解している方もいるでしょう。

しかしメソセラピーは注射を使用する医療テクニックを指し、脂肪溶解注射はメソセラピーを取り入れた具体的な治療法の1つですので、ご注意ください。

AGA治療におけるメソセラピー

AGA治療は内服治療が一般的ですが、効果を得にくいのが現状です。そこで、頭皮に直接アプローチし効果を得やすいメソセラピーが活用されてきました。

大きな効果が得られるように、真皮の浅い層に注射するのが一般的です。脱毛している頭皮全体に少量ずつ薬剤を注射でき、広範囲の脱毛にも向いています。

注射と聞くと痛みへの不安を感じる方もいますが、多くの場合極小の針を用いることにより、施術時の痛みが少ないのが特徴です。

また、注射器以外にもローラー・炭酸ガス・レーザー照射などの種類があります。より痛みが少ない治療、または受けやすい治療を選択できるでしょう。

さらに施術にかかる時間が短く、忙しくて治療をためらっていた患者さんでも施術を受けやすい点もメソセラピーを選ぶ利点といえます。

メソセラピーによるAGA治療について

薄毛治療の診断をする医師と男性患者

AGAは20代後半から症状が出始めるため、若いころから薄毛に悩まされている男性も少なくないでしょう。そのような患者さんを助けるのがAGA治療です。

メソセラピーによるAGA治療は、ほかの治療法とどのように異なるのでしょうか。育毛メソセラピーについてさらに詳しくチェックしましょう。

育毛メソセラピーに使用される有効成分

育毛メソセラピーにおいて、使用される薬剤は既成品ではありません。育毛・発毛に効果のあるさまざまな成分が、クリニックで独自に配合されています。

有効成分として代表的なのは、内服薬・外用薬にも用いられているミノキシジルです。毛乳頭細胞の増殖・血流改善などの効果があります。

また健やかな毛髪が発毛し育成されていくには、毛包サイクルの成長期を維持する以下の細胞成長因子(グロースファクター)の存在が重要です。

  • 血管内皮細胞成長因子(VEGF)
  • 繊維芽細胞成長因子(bFGF)
  • インスリン様成長因子(IGF-1)
  • ケラチノサイト成長因子(KGF)

通常であれば成長期は自然と終了しますが、AGAの患者さんは主に男性ホルモンの影響により、早期に成長期が終了し毛包が矮小化してしまいます。

そこで、メソセラピーによってこのような細胞成長因子を頭皮に与えることで、毛包を活性化させて毛髪の成長を促す効果が見込まれます。

さらにヒアルロン酸・ビタミン・アミノ酸なども、毛髪の成長に必要な栄養素です。より強くしなやかな毛髪を育てるために、これらの成分がブレンドされます。

メソセラピーとHARG療法の違い

医師 診察イメージ

AGA治療では毛髪再生医療のHARG療法も人気の治療法です。HARG療法はメソセラピーと同様、有効成分を含む薬液を頭皮に注入していきます。

一見同じ施術に思えますが、注入する薬剤・注入方法・料金の点が異なります。まず薬剤ですが、HARG療法で用いられるのは粉末化したHARGカクテルです。

HARGカクテルには、ヒト脂肪幹細胞から抽出した成長因子が含まれています。この成長因子により、ヘアサイクルを整え頭皮そのものを再生できます。

また、HARG療法の注入方法はメソセラピーのようにほかの方法は選択できず注射器のみです。

価格面では、HARG療法の方が圧倒的に費用が高くなります。HARGカクテルの製剤は非常にコストがかかるからです。

HARG療法は優れたAGA治療ではありますが、すべての患者さんに必ず効果があるわけではありません。よく違いを知ったうえで選択しましょう。

育毛メソセラピーによる施術の流れ

育毛メソセラピーを行う場合、まずカウンセリングが行われます。患者さんの悩み・要望をヒアリングし、適切な治療プランを提案するための大切な工程です。

続いてマイクロスコープを使用し、頭皮の状態をチェックします。患者さんに合わせて効果的な成分をブレンドするために、診察は欠かせません。

薬剤が完成したら施術に移り、薬液を頭皮に注入していきます。クリニックによっては施術前に麻酔を使用する場合もあるでしょう。

施術後の特別なアフターケアは必要ありませんが、経過観察をしつつ医師の指示にしたがって生活するようにしてください。

メソセラピーによる育毛・発毛を促す有効性

カジュアルビジネスの男性

AGA治療の効果はさまざまです。ですから育毛・発毛の効果を実感するためには、自分の求める効果が得られる治療法を選択しなければなりません。

ここからはメソセラピーによるAGA治療の有効性について取り上げます。どのような患者さんに向いているのか、期待できる3つの効果をご紹介しましょう。

薄毛の進行抑制

AGAは進行性の疾患であり、徐々に成長期が終了し休止期にとどまる毛包が増えていきます。毛髪が細く短くなり、脱毛しやすくなっていきます。

つまりAGAの改善には、まず進行抑制が重要です。メソセラピーでは成長を促す成分が使用されるため、薄毛の進行抑制にもつながります。

抜け毛・薄毛が気になり始めた早期の段階で治療を行えば、休止期に向かっていた毛包の成長期を延長でき、抜けにくい毛髪として維持できるでしょう。

また頭皮が活性化すると毛包が大きくなるため、次に生えてくる毛髪にハリ・コシが出てきます。毛髪の量は同じでも見た目の印象が変わるはずです。

発毛促進

カジュアルビジネスの男性

毛髪が十分に育たない状態になると、薄毛の進行を抑制するだけでは髪は増えません。毛包を本来の発毛サイクルに戻し、発毛を助ける必要があります。

メソセラピーの薬液に含まれる細胞成長因子は、細胞の再生力向上・新しい毛髪の生成を助ける作用を持ち、頭皮を発毛しやすい環境に整えます。

そして生え始めた毛髪が十分に成長できるようにサポートするのが、ビタミン・アミノ酸などの成分です。それぞれの成分による相乗効果で発毛を促します。

さらに、気になる箇所にピンポイントで注射できるという特性により、頭頂部だけでなく後退した生え際の発毛効果も期待できます。

女性・持病がある方にも効果的

薄毛に悩む女性も多いでしょう。頭頂部全体が脱毛する特有の症状が見られ、「FPHL(女性型脱毛症)」の名称が使われることも増えてきました。

しかし一般的なAGA治療の薬剤は女性の体には負担が大きく、利用できないものが多い状況でした。さらに、持病がある方も薬剤をよく選ぶ必要があります。

その点、メソセラピーでは患者さんに応じて個別に成分を選択します。ブレンドされる成分自体の安全性も高く、体に合わないものは使用を控え、同様の効果がある別の成分に置き換えることも可能です。成分の浸透率を高めた状態で注射するため、効果も得やすいです。

メソセラピーの育毛・発毛効果を上げるポイント

ヘアケアに

どのAGA治療を行うにしても、できる限り育毛・発毛の効果を高めて変化を感じたいと思うでしょう。そのために覚えておくべきポイントがあります。

メソセラピーによるAGA治療を行う予定の方には、次の2つのポイントが重要です。この点を押さえておくなら、効果的な治療の計画を立てられるでしょう。

治療期間・回数の目安

育毛メソセラピーは一度の施術で効果が得られるものではありません。効果が実感できるようになるには、継続的な治療が必要です。

大抵、基本の治療期間はクリニックで決められており、一般的に2〜4週に1回程度の治療を半年〜1年継続するケースが多いです。

効果の実感は患者さんによって異なるものの、発毛サイクルの成長期・休止期が切り替わる3ヶ月程で変化を感じられます。

よって治療期間は最低でも半年間6回〜12回を目安に行うのがおすすめです。継続して行うことで、強い毛髪が育つ環境が整っていきます。

AGA治療薬と併用がおすすめ

一般的に、育毛メソセラピーは単体で行う治療ではありません。AGA治療薬による内服治療と併用することで、より短期間で効果を実感できるでしょう。

内服治療では育毛・発毛効果が実感できるまでに時間がかかるものの、効果が持続しやすいという特徴があります。

一方、育毛メソセラピーでは効果を早く実感しやすいですが、効果が持続しにくい傾向にあります。そこで併用治療にし、それぞれの弱点を補うのです。

ただし、患者さんの体質・持病などによって併用治療が行えない場合もあります。医師と相談のうえ、最善の治療法を検討してください。

メソセラピーによるAGA治療の副作用について

ヘアケアに

治療を受けるにあたって副作用はつきものです。しかし患者さんにとって不安要素となるため、なるべく副作用の少ない治療法を選びたいと思われるでしょう。

育毛メソセラピーに用いられる薬剤は、人体に害のない成分を含む薬液で構成されています。そのため、投薬治療よりも副作用のリスクは少ないです。

しかしまったく問題がないとはいえません。前述したように痛みが少ない治療法ではありますが、患者さんによっては腫れ・かゆみ・頭痛をともなう場合もあるからです。

とはいえ、これらの副作用は施術後の数時間〜数日程度で落ち着いてくるケースが多いです。あまりに症状が重いのでなければしばらく経過観察しましょう。

患者さんにアレルギーがある成分が含まれていると、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。施術前に医師とよく相談することが大切です。

AGA治療でメソセラピーを受ける際の注意点

【切抜PSD】ストップする医師

AGA治療としてメソセラピーを選択する方には、あらかじめ知っておくべき注意点があります。その点を知らずに治療を始めると逆効果になりかねません。

本当にメソセラピーが自分に合った治療法か、今行うべき治療法かを検討するためにも、ぜひ次の3つの注意点を考慮に入れてみてください。

施術当日はシャンプーや入浴を避ける

施術後は基本的にいつも通りの生活に戻れます。とはいえ注射によって頭皮に傷がついている状態のため、施術当日のシャンプーは避けた方がよいです。

また、血流がよくなると痛み・出血などのリスクが高まります。すでに副作用が出ている方は特に注意し、当日は入浴・サウナも避けましょう。

しかし短時間のシャワーのみであれば問題ありません。どうしても洗髪したい場合は、シャンプーは使わずぬるま湯で軽く洗い流す程度にしてください。

なお、針を使わないタイプのメソセラピーであれば当日からシャンプー・入浴ができます。ご自身が受けられる施術についてよく確認しておきましょう。

毛包を失っていると発毛効果が期待できない

【切抜PSD】ストップする医師

メソセラピーでは頭皮に直接薬剤を注射しますが、薬剤が効果を発揮するのは頭皮そのものではなく毛母細胞が集まった毛包です。

毛包は幹細胞によって自ら再生でき、損傷を受けても修復し毛を作り続けます。しかしAGAが進行すると、幹細胞が完全に破壊される場合があります。

幹細胞が破壊された毛包は再生する力を失い、永久脱毛となるでしょう。毛を作れる毛包を失っているため、栄養素を与えても発毛効果は期待できません。

育毛メソセラピーはなるべく早期段階で取り入れておくべき治療法です。毛包が死滅している状態ならほかの治療法を検討しましょう。

治療をやめると薄毛が進行する可能性がある

育毛メソセラピーで効果を実感した患者さんのなかには、すぐに治療をやめてしまう方がいます。しかし、その後また治療を再開することになるでしょう。

前述したようにメソセラピーは効果が持続しにくいため、正常な毛髪サイクルが定着するまでは有効成分による継続的なサポートが必要です。

効果が出てすぐに治療をやめると、せっかく生え始めてもまた脱毛しやすくなるでしょう。さらにAGAは進行性ですから、再び薄毛が進行してしまいます。

根本治療が望めないAGAは、長く付き合っていかなければなりません。治療期間・費用などを含め、計画的に治療を行っていきましょう。

まとめ

髪を気にする男性

AGA治療において効果を実感するには、育毛・発毛効果のある成分を髪・頭皮に与えて、体がもともと持っている髪を育てる力に働きかけることが重要です。

その点でメソセラピーは、有効性が高く安全面にも配慮された治療法といえるでしょう。これまで治療を悩んでいた方も検討する価値があります。

とはいえ、すべての患者さんに効果的な治療法は存在しません。だからこそ、治療に移る前に自分に合った治療法であるかをよく検討する必要があります。

ぜひこの記事でご紹介したメソセラピーの特徴・注意点を念頭に置き、医師と相談しながらご自身のAGAを解決する手立てとなるか考えてみてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
金 仁星医師(医療法人 友広会 AGAメディカルクリニック 大美会クリニック)

金 仁星医師(医療法人 友広会 AGAメディカルクリニック 大美会クリニック)

大阪大学医学部 卒 / 兵庫県立西宮病院 臨床研修 修了 / 研修終了後、大美会クリニックと医療法人 友広会で勤務 / 専門は美容皮膚科、AGA、予防医療

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