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再生医療による脳梗塞の治療方法とは?治療効果や費用についても解説!

再生医療による脳梗塞の治療方法とは?治療効果や費用についても解説!

皆さんは「脳梗塞再生医療」を知っていますか?これまで、脳梗塞後の麻痺やしびれなどに対してはリハビリでの機能改善を目指したり、再発防止のための薬物療法を行ったりするのが一般的でした。しかし、より患者さんの状態を良くする治療法として再生医療が広まってきています。今回は、そもそも再生医療とはどんな治療なのか、脳梗塞に対してどのようなアプローチが可能なのか、考えられる効果やリスクなどについて解説します。

再生医療による脳梗塞の治療方法とメカニズムについて

日本では再生医療に対する研究が日々進められていて、さまざまな医療現場で注目を浴びています。そしてその中には、脳梗塞や脳出血などの後遺症に対する再生医療があるのをご存じでしょうか?まずは脳梗塞再生医療とはどのようなものか、治療の流れやそのメカニズムなどについてご紹介していきます。

脳梗塞再生医療とはなんですか?
脳梗塞の後遺症で運動機能や感覚機能を失ってしまった方に対して、患者さんご自身の骨髄幹細胞を採取・培養して移植する方法を脳梗塞再生医療と言います。これまでの一般的な治療では失った機能を取り戻すことはできませんでしたが、再生医療を行うことで、全く動かなかった右手で物をつかめるようになる、歩けなかったのに短い距離を歩くことができたなど、リハビリと同様、もしくはそれ以上の効果が期待できます。

「リハビリで思うような効果が得られない」「通院中の病院でこれ以上は回復しないと言われた」「脳梗塞・脳出血の再発が心配」という方にとって、新たな選択肢としてご検討いただけます。治療は基本的に、医療機関でリハビリを受けながら、並行して再生医療を行っていくという流れになります。

再生医療による脳梗塞の治療の流れを教えてください。
まずは医療機関を受診し、医師による問診・カウンセリングを受けることから始まります。過去の既往歴や発症の経緯、後遺症などを共有します。さらに治療の目的や再生医療の効果・リスク、治療を受けるうえでの向き合い方などを説明していただきます。そのうえで治療に対して合意が得られれば、血液検査を行い感染症がないかどうかを確認します。

血液検査の結果、問題がないことが確認できたら後日通院し、骨髄液の採取を行います。腰のあたりに局所麻酔を施し、専用の注射器を用いて腸骨から採取します。採取にかかる時間は30分ほどです。採取した骨髄液を専用の機関にて4週間ほどかけて培養し、それを患者さんの身体に点滴で投与するという流れになります。

投与は合計3回行われ、3回目の投与が終わってから6カ月後・1年後にはフォローアップ検診を受ける必要があります。医療機関によっては、投与後3カ月で検診を受ける場合もあります。

再生医療で幹細胞が働くメカニズムを教えてください。
骨髄の中には、骨や軟骨・脂肪といった細胞や、心筋・リンパ管・血管内皮細胞などに分化できる「間葉系幹細胞」があります。この間葉系幹細胞を培養して、体内に継続的に投与することで、新たな毛細血管が生成され、血流の改善や血管の修復が行われていきます。

また、間葉系幹細胞を投与することで脳神経細胞が活性化し、傷ついた神経細胞の修復につながっていることもわかっています。

再生医療による脳梗塞の治療効果について

再生医療による脳梗塞の治療効果について では、脳梗塞の再生医療はどのような後遺症に対応しているのでしょうか。また、どのくらいの期間でどんな効果が出るのか、詳しくご説明します。

どのような脳梗塞の後遺症が治療対象になりますか?
再生医療が対象となるのは、脳梗塞の後遺症によるしびれや麻痺をどうにかしたいと考えている方、これ以上の機能向上が見込めないと診断を受けた方、今以上にリハビリの効果を高めたい方、脳梗塞や脳出血・くも膜下出血などの病気の再発を予防したい方、うまく話せないなどの後遺症がある方です。もちろん後遺症が完璧になくなるというわけではありませんし、効果にも個人差がありますが、後遺症を少しでも軽くすることで生活の質を向上させることができます。
脳梗塞に対する再生医療で期待できる治療効果はなんですか?
期待できる治療の効果として「脳神経細胞の修復・再生」があります。幹細胞は神経や骨、血管、軟骨などに分化できるため、傷ついた脳細胞を修復したり脳神経を再生させたりして、機能回復につながっていきます。 また、再生医療には脳の血管を再生させるという効果もあります。脳梗塞は、血管が詰まって血流が止まることで起きる疾患ですが、幹細胞は新しく血管を作って脳梗塞を起こしている部分に血液を届けることができます。
再生医療による脳梗塞の治療はどのくらいで効果が出ますか?
先ほどもお伝えしたように、再生医療には個人差があります。幹細胞の投与は3カ月ほどの期間をかけて合計3回行いますが、治療後1週間で効果が出る方もいれば、1年くらいたってようやく効果が出始める方もいます。ただ、治療を始めるのが早ければ早いほど良い結果が出ることがわかっているため、再生医療を受けるかどうか迷っている方は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。また、治療と並行してリハビリを行うことが大切です。
再生医療で脳梗塞は完治しますか?
残念ながら、脳梗塞によって傷ついた組織や神経を「再生医療で完全に元に戻す」ということはできません。しかし、麻痺やしびれなどを和らげる効果は期待できます。ほかにも再生医療のメリットはさまざまありますし、もちろんデメリットなどの知識も深めてから治療を受けるかどうか決断しましょう。

再生医療で脳梗塞を治療する費用について

治療を受けるにあたって、効果などと同じくらい気になるのが費用についてかと思います。再生医療はどれくらいの費用がかかるのか、なぜ自由診療なのかをご説明します。

再生医療で脳梗塞を治療する費用について教えてください。
再生医療は保険適用とならず自由診療となります。医療機関によって費用は異なりますが、相場は400万円前後です。「なぜ自由診療なのか」と疑問に思われている方もいらっしゃるかもしれません。再生医療は国の承認を得るための条件をすべて満たしておらず、有効性などが公的に確認できないため、保険診療として扱われないのです。もちろん、保健治療として認められてないからと言って治療そのものが危険というわけではありません。再生医療のほかにも、不妊治療や歯の矯正治療・インプラント治療といったさまざまな自由診療があります。

再生医療で脳梗塞を治療した時の副作用やリスクについて

再生医療で脳梗塞を治療した時の副作用やリスクについて 最後に、脳梗塞に対する再生医療において、考えられる副作用やリスクをご紹介します。良いところばかり見て判断するのではなく、起こり得るリスクなどについてもしっかりと理解を深めましょう。

再生医療で脳梗塞を治療した時の副作用やリスクはありますか?
再生医療は、骨髄液を採取する際と幹細胞を投与する際において、さまざまな副作用やリスクが生じる可能性があります。例えば、骨髄液を採取する際には、局所麻酔を施しますが、その麻酔液に対してアレルギー症状が出る場合があります。また、皮下出血や皮下血腫が起きたり、注射針を刺した部位から感染症にかかったりするリスクも考えられます。

幹細胞を投与する際は、アレルギーによるショック症状が出たり、肺血栓塞栓症になってしまったりするリスクがあります。さらに、骨髄採取時同様、刺入部からの感染症のリスクもゼロではありません。再生医療を受ける前には、このような副作用・リスクが生じないよう配慮されているか、いざというときの体制は整っているかなど、医療機関についてきちんと調べたり、事前にカウンセリンをしっかり受けましょう。

編集部まとめ

脳梗塞に対する再生医療についてまとめましたがいかがでしたでしょうか?後遺症によって麻痺が残ってしまった方の中には「治したい」「治療を諦めたくない」という思いの方も多いでしょう。そんな方にとって新たな光となるのが脳梗塞再生医療です。ぜひ今回の記事を参考にして知識を深め、治療の選択肢として検討してみてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業

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