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間葉系幹細胞とは?間葉系幹細胞が再生医療で注目されている理由や治療法について徹底解説!

間葉系幹細胞とは一体どんな細胞なのでしょうか?本記事では間葉系幹細胞について以下の点を中心にご紹介します。

  • 間葉系幹細胞とは
  • 間葉系幹細胞が再生医療で注目されている理由
  • 間葉系幹細胞を用いた治療法

間葉系幹細胞について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

そもそも間葉系幹細胞とは?

そもそも間葉系幹細胞とは?

間葉系幹細胞は、私たちの体内に存在し、骨髄や脂肪組織から発見された幹細胞の一種です。これらの細胞は増殖能力が非常に高く、神経、筋肉、脂肪、骨など様々な種類の細胞に分化できる「多分化能」を持っています。間葉系幹細胞は「組織幹細胞」と同様に多能性を持ち、再生医療において重要な役割を果たしています。これらの幹細胞の特性を研究することで、新たな治療法の開発につながる可能性があります。

間葉系幹細胞と他の幹細胞との違い

間葉系幹細胞と他の幹細胞との違い

間葉系幹細胞は、ES細胞やiPS細胞と比べて分化できる細胞が限定されています。また、培養すると増殖能や多分化能が低下するデメリットがありますが、脂肪由来の間葉系幹細胞は増殖能が強く影響が小さいことがわかっています。ES細胞は倫理的な問題があるため利用には制約がありますが、iPS細胞は倫理的問題はないものの腫瘍化の問題や培養に時間と費用がかかることが課題です。一方、間葉系幹細胞は骨髄や脂肪から採取でき倫理的問題がなく、作成が短時間で低コストで行えることから、再生医療や化粧品など多くの分野で利用されています。

間葉系幹細胞が再生医療で注目されている理由

間葉系幹細胞が再生医療で注目されている理由

間葉系幹細胞がなぜ再生医療で注目されているのでしょうか?以下に紹介します。

間葉系幹細胞の持つ他の細胞への分化能力

間葉系幹細胞は、脂肪や骨などの組織に分化するだけでなく、内臓組織や神経など多様な細胞にも分化できる能力を持っています。また、成人の骨髄や脂肪組織から容易に取得できるため、治療に利用することが容易です。これらの特性は、再生医療や組織エンジニアリングにおいて大きなポテンシャルを持っています。間葉系幹細胞は、既に軟骨損傷の治療や脊髄損傷に対する点滴投与などで実用化されており、さらなる応用の拡大が期待されています。免疫抑制作用や腫瘍に集積する性質も報告されており、今後の研究によってその潜在能力がより具体化されることが期待されています。

間葉系幹細胞は獲得しやすい

間葉系幹細胞は、成人の骨髄や脂肪組織、歯髄などから比較的容易に得られるため、獲得が容易な幹細胞の一つです。これまでの研究で、間葉系幹細胞は多くの組織に分化する能力を持ち、特に中胚葉系の骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、軟骨細胞などだけでなく、内胚葉系の内臓組織や外胚葉系の神経などにも分化できることがわかっています。その多様性と獲得の容易さから、再生医療や組織エンジニアリングなど、様々な分野での利用が進められています。軟骨損傷の治療や脊髄損傷に対する点滴投与など、間葉系幹細胞を利用した治療法の応用も増えており、その有用性がますます広がっています。

間葉系幹細胞を用いた治療

間葉系幹細胞を用いた治療

間葉系幹細胞を用いた治療にはどのような治療があるのでしょうか?以下に紹介します。

間葉系幹細胞を用いた治療方法

間葉系幹細胞を用いた再生医療の流れについて解説します。 患者さんは、まず電話などで予約を取り、その後診察を受け、幹細胞治療の適応や治療方針について担当医と相談します。
治療のためには、患者様の腹部から約10gの脂肪組織と栄養分を採取します。これらを元に国の許可を受けた細胞加工施設にて、間葉系幹細胞の分離と培養を行います。培養と品質検査には約4週間かかりますが、厳しい品質管理のもとで質の高い幹細胞を製造します。
治療では培養した幹細胞を投与します。投与後の経過観察スケジュールは患者さんと担当医との相談に基づいて決定されます。再生医療には、肝障害や変形性膝関節症をはじめとしたさまざまな疾患への応用が検討されており、将来的には対象疾患を広げていく計画です。
細胞加工施設では、脂肪組織の培養と品質管理がおこなわれ、品質の確保に努めています。

間葉系幹細胞の治療対象

間葉系幹細胞(MSC)は、骨芽細胞・軟骨細胞・脂肪細胞・血管内皮細胞・筋細胞・肝細胞・神経細胞など、多様な細胞への分化能を持つとともに、体の損傷部分を修復するための細胞として活躍します。この特性を応用した再生医療では、肝障害、変形性膝関節症、乳房再建、皮膚の損傷治癒促進、脂肪萎縮、下肢の潰瘍・壊疽の血行再建、腎疾患、尿失禁、心筋再生、抗炎症による自己免疫疾患、関節リウマチ、骨欠損、組織片対宿主病、脳梗塞・脊髄損傷など、多岐にわたる病気への治療が検討されています。

まとめ

まとめ

ここまで間葉系幹細胞についてお伝えしてきました。間葉系幹細胞の要点をまとめると以下の通りです。

  • 間葉系幹細胞とは骨髄や脂肪組織から発見された幹細胞の一種である
  • 間葉系幹細胞が再生医療で注目されている理由は、脂肪や骨などの組織に分化するだけでなく、内臓組織や神経など多様な細胞にも分化できる能力を持っている
  • 間葉系幹細胞を用いた治療法は腹部から約10gの脂肪組織と栄養分を採取します。これらを元に国の許可を受けた細胞加工施設にて、間葉系幹細胞の分離と培養を行う

間葉系幹細胞を用いた治療法これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
高藤 円香医師(自衛隊阪神病院)

高藤 円香医師(自衛隊阪神病院)

防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

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