注目のトピック

再生医療

肝臓の再生医療はどんな病気に良いとされているの?幹細胞治療についても解説します

再生医療 肝臓

肝臓の再生医療はどんな病気に良いとされているのかを知っていますか?本記事では、肝臓の再生医療について以下の点を中心にご紹介します。

  • そもそも再生医療とは?
  • 幹細胞治療とは
  • 肝臓の再生医療

肝臓の再生医療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

そもそも再生医療とは?

そもそも再生医療とは?

再生医療は、損傷や老化により失われた体の機能を回復する先進的な医療技術の一つです。この技術は、人体自身が持つ再生能力に焦点を当て、特に細胞を中心としてその力を活用します。例えば、神経や内臓、皮膚などの働きが失われた場合、再生医療のアプローチはこれらの組織や機能を再生・修復することを目的とします。細胞を培養・増殖させて損傷部位に移植することで、体の機能や組織を取り戻したり、再構築したりすることが可能となります。このように、再生医療は病気や怪我の治療の新たなフロンティアとして、大きな期待を集めています。

肝臓の主な疾患

肝臓の主な疾患

肝臓は多彩な機能を持つ臓器で、その異常は肝炎や肝硬変などの疾患を引き起こします。

脂肪肝

近年、脂肪肝の患者さんの数が増え続けています。人間ドックでの調査では、受診者の約30%が脂肪肝と診断されているとされています。脂肪肝は、初期段階では自覚症状が少ないものの、放置すると肝臓の機能が低下し、さらには肝硬変や肝臓がんへと進行する危険があります。特に糖尿病の方々は、脂肪肝が糖尿病を悪化させる原因となるため、注意が必要です。加えて、脂肪肝から肝硬変に至った場合の治療は難しく、致死率も上昇します。このような背景から、脂肪肝は身体の警戒信号として捉え、早期の対策や治療が求められます。

肝炎

肝炎は肝臓に炎症が生じる病態で、この炎症が肝臓細胞の損傷を引き起こし、結果として肝機能が低下します。多くの場合、肝炎の主要な原因は「ウイルス性肝炎」であり、特定のウイルスが肝臓に感染することで炎症が引き起こされます。肝炎が進行すると、肝硬変や、さらには肝がんへと進行するリスクが高まります。そのため、初期段階での早期発見・早期治療が非常に重要です。放置することのリスクを理解し、定期的な検査や生活習慣の見直しを行い、肝臓の健康を守ることが求められます。

肝硬変

肝臓は体内でさまざまな役割を果たしている臓器ですが、慢性の肝炎が続くと、この肝臓の組織が次第に繊維化し、硬くなってしまいます。この状態が「肝硬変」と呼ばれるものです。肝硬変の怖さは、肝臓の再生能力があっても、一度繊維化が進行してしまうと元の状態に戻りにくい点にあります。
初期段階では、特有の症状は少ないものの、食欲不振や全身のだるさなどの症状が出ることがあります。病気が進行すると、皮膚や目の白部が黄色くなる「黄疸」が現れます。これは、体内の黄色い色素、ビリルビンが適切に処理されず体内に蓄積するためです。さらに、病状が悪化すると、全身の浮腫や、腹水、静脈瘤の形成など、深刻な合併症が出現し、生命の危険も伴うことがあります。

肝癌

肝臓の主要な疾患である原発性肝癌は、肝細胞由来の肝細胞癌と胆管上皮細胞由来の胆管細胞癌の2つのタイプがあります。肝細胞癌がそのほとんどを占め、肝炎ウイルスが主な原因です。C型肝炎ウイルスは発症の約60%を占め、B型肝炎ウイルスも15%の感染が関与しています。他にもアルコール、自己免疫性、代謝性肝疾患、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)などが原因となることがあります。
初期段階では症状がほとんど現れませんが、進行すると食欲不振、微熱、腹部膨満、黄疸、浮腫などの全身症状が出現します。診断にはASTやALTなどの肝機能検査や腫瘍マーカーのPIVKA-2やAFPの血液検査が役立ちます。さらに、腹部エコー、CT、MRIなどの画像診断が腫瘍の進行度を評価します。治療法にはラジオ波焼灼療法、外科手術、肝動脈化学塞栓療法、分子標的薬などがあります。個々の患者さんに合った治療計画が必要です。

幹細胞治療とは

幹細胞治療とは

肝機能障害の幹細胞治療は、患者さんから採取された脂肪組織から幹細胞を抽出し、これを培養し、点滴で投与する方法で、肝機能の回復を目指します。幹細胞は、多様な細胞に変化できる能力を持つ特別な細胞であり、障害を受け、機能が低下した細胞を補修し、修復する能力を持っています。
患者さんの細胞を使用するため、拒絶反応やアレルギーの症状が少ないことを誇ります。そのため、この先端医療方法は大いに注目されています。ただし、研究と臨床試験が進行中であり、適応症などの確立にはまだ時間がかかるかもしれません。

肝臓の再生医療

肝臓の再生医療

肝臓の再生医療は、体内の自然な修復力を活用し、肝臓機能を回復させる画期的な治療法です。

間葉系幹細胞による治療法

間葉系幹細胞は、生理活性物質の分泌によって体内の損傷箇所を修復する能力を持っています。この特性を利用した間葉系幹細胞治療は、患者さんの脂肪組織から取り出した幹細胞を培養し、再び患者さんの体内に戻す方法です。これにより、肝臓の炎症を抑え、肝機能の回復を促すことが可能となります。個々の患者さんに合わせた再生医療の一環として、幹細胞治療が注目されています。

幹細胞の点滴投与(静脈注射)

自己脂肪由来の幹細胞は、組織修復の能力を持ち、弱った部位に幹細胞を直接送り込んで修復を促します。関節や筋肉への疾患治療には直接注射が可能ですが、臓器には点滴を通じてしか到達できません。このため、点滴投与は認可を受けた医療機関が限られています。しかし、当クリニックでは肝臓疾患の再生医療において点滴治療を提供しており、患者さんの肝臓治療に新たな希望をもたらしています。点滴を通じて幹細胞を体内に送り込むことで、肝臓機能の回復をサポートします。

再生医療ができない人

再生医療は素晴らしい治療法であり、多くの人々に希望をもたらしますが、すべての人に適用できるわけではありません。再生医療ができない人も存在します。例えば、重度の慢性疾患や進行が著しい疾患を抱えている場合、再生医療がおすすめでないことがあります。また、高齢者や他の合併症を持つ人々への適応は限定的です。
さらに、個人の生理学的条件や医療歴、治療へのアクセスにも影響があります。再生医療は科学技術の進歩により可能性が広がっていますが、まだ完全な解決策ではありません。個々の病状や状態に合わせて、適切な治療法を検討することが大切です。医師との十分な相談と情報収集が、適切な治療選択の鍵となります。

肝臓の再生医療のメリットとデメリット

肝臓の再生医療のメリットとデメリット

肝臓の再生医療には期待できるメリットと、考慮すべきデメリットが存在します。

メリット

再生医療の幹細胞利用には多くのメリットがあります。まず、現在の治療法として広く採用されており、疾患やケガの治療に幅広く利用されています。さらに、幹細胞治療は副作用のリスクが低いことが大きな魅力です。
また、幹細胞治療は美容面や医療面での手術痕を抑え、倫理的な問題も低いとされています。これにより、患者さんにとって負担が軽減され、治療の選択肢が広がります。副作用のリスクは常に存在しますが、幹細胞治療はそのリスクが低いため、受けられる治療法の一つと言えます。

デメリット

再生医療の幹細胞利用にはいくつかのデメリットが存在します。まず、高額な費用がかかる可能性があることが挙げられます。一部の治療は保険が適用されないため、患者さんが高額な自己負担を覚悟しなければならないことがあります。
また、幹細胞は特定の細胞にしか分化できないため、全ての疾患や障害に良いとされるわけではありません。治療の結果が保証されない場合もあり、期待とは異なる結果が出る可能性があることを理解する必要があります。
これらのデメリットを考慮し、幹細胞治療を受ける際には慎重な検討と情報収集が欠かせません。

まとめ

まとめ

ここまで肝臓の再生医療についてお伝えしてきました。肝臓の再生医療の要点をまとめると以下の通りです。

  • 再生医療は、損傷や老化により失われた体の機能を回復する先進的な医療技術の一つ。
  • 幹細胞は、多様な細胞に変化できる能力を持つ特別な細胞であり、障害を受け機能が低下した細胞を補修し、修復する能力が期待されている。
  • 肝臓の再生医療は、「間葉系幹細胞による治療法」「幹細胞の点滴投与(静脈注射)」などがある。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業

記事をもっと見る

注目の記事

RELATED

PAGE TOP