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再生医療を用いた不妊治療とは?効果や治療の流れについて解説します

再生医療を用いた不妊治療とは?効果や治療の流れについて解説します

再生医療を用いた不妊治療とは、どのような仕組みで効果を発揮するのでしょうか?従来の不妊治療で結果が出なかった方にも新たな希望をもたらす再生医療での治療は、どのような流れで行われるのでしょうか?
本記事では再生医療を用いた不妊治療について以下の点を中心にご紹介します。

  • 再生医療を用いた不妊治療とは
  • 不妊治療における再生医療の適応症例
  • 再生医療を用いた不妊治療の流れ

再生医療を用いた不妊治療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

再生医療を用いた不妊治療とは

再生医療を用いた不妊治療とは

再生医療とは何ですか?
再生医療とは、体内で損傷した組織や臓器を修復・再生させる医療技術のことを指します。主に、患者さん自身の細胞や組織を用いて行われ、従来の治療では治癒が難しい病気やケガに対して効果が期待されます。再生医療の一例として、PRP療法や幹細胞療法があります。PRP療法や幹細胞療法は、骨や関節、筋肉の損傷を修復し、身体の自然な治癒力を引き出すことを目的としています。

また、アレルギーや拒絶反応のリスクが少ないことも特徴で、今後の医療の分野で重要な役割を果たすとされています。

PRP療法の不妊治療ではどのような効果が期待できますか?
PRP療法は、再生医療の一環として不妊治療にも活用されています。具体的には、患者さん自身の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を卵巣や子宮内膜に注入し、組織の修復を助けて妊娠の可能性を高めることが期待されます。卵巣機能が低下している場合や子宮内膜が薄い場合に、再生医療が有効とされています。

PRP療法によって、卵巣内の血流が改善され、卵胞の成長が促されることで、妊娠率の向上につながる可能性があります。ただし、効果には個人差があり、すべての患者さんに同じ結果が得られるわけではないため、医師と十分に相談が必要です。

PRP療法に副作用やリスクはあるのでしょうか?
PRP療法は、患者さん自身の血液を使用するため、副作用やアレルギー反応のリスクはとても低いとされています。しかし、注射を伴う治療であるため、軽度な副作用が生じることがあります。具体的には、注射部位の腫れや赤み、痛み、内出血などが起こることがありますが、一時的なもので数日以内に改善するケースがほとんどです。

また、稀に感染症のリスクがありますが、適切な消毒や清潔な環境での施術により、感染症のリスクは大変低く抑えられています。重篤な副作用が起こるケースは少ないですが、治療を受ける際は医師と相談し、リスクを理解したうえで進めることが重要です。

不妊治療でPRP療法以外の再生医療はありますか?
不妊治療では、PRP療法以外にも再生医療の選択肢があります。例えば、PFC-FD療法は患者さん自身の血小板由来の因子を使用し、子宮内膜の質を改善する治療法です。また、ACRS療法では、自己血液から抽出した成長因子を利用して、卵巣や子宮の機能を向上させます。

さらに、月経血幹細胞治療は新しいアプローチとして関心を集めています。月経血幹細胞を使用して、子宮内膜の再生や機能向上を目指す治療法で、不妊改善の可能性が期待されています。医師と相談し、自身に合った選択を見つけることが大切です。

再生医療を用いた不妊治療の費用の目安を教えてください
再生医療を用いた不妊治療では、PRP療法(多血小板血漿注入)が関心を集めています。子宮や卵巣にPRPを注入し、組織の再生や機能の回復が期待されます。費用の目安として、子宮内へのPRP注入は1回あたり10万円~30万円程度です。また、卵巣へのPRP注入も1回あたり20万円〜30万円程度の価格帯となっています。

再生医療を用いた不妊治療は、保険適用外であるため全額自己負担となり、施設や治療回数によって費用が変動する場合があります。不妊治療の一環としてPRP療法を検討する場合は、事前にクリニックで詳しい費用や治療計画についての相談が重要です。

不妊治療における再生医療の適応症例

不妊治療における再生医療の適応症例

不妊治療における再生医療はどのような人が対象になりますか?
不妊治療における再生医療は、卵巣機能の低下が見られる方や、加齢に伴い卵巣の機能が衰えている方が対象となります。具体的には、卵巣機能不全や早発閉経の女性、さらには過去に複数回の体外受精を試みたが結果が芳しくない方に対して、PRP療法などが適応されるケースが多く見られます。

ただし、すべての患者さんに効果が期待できるわけではないため、医師との十分な相談が重要です。

不妊治療における再生医療が受けられないケースはありますか?
不妊治療における再生医療は、さまざまな症例に効果が期待されますが、受けられないケースもあります。例えば、PRP療法などの子宮や卵巣内への注入では、感染症がある方や、がんなどの重篤な疾患を持つ方は治療を受けられません。また、卵巣機能が極端に低下している場合や、ホルモン異常を抱えている方も、効果が期待できないため適応外とされることがあります。

再生医療を希望する場合は、医師による診断と検査を受け、治療の適応を確認するのが大切です。

再生医療を用いた不妊治療の流れ

再生医療を用いた不妊治療の流れ

再生医療を用いた不妊治療の流れを教えてください
再生医療を用いた不妊治療では、患者さん自身の血液から採取した多血小板血漿(PRP)を使用します。まず、血液を採取し、遠心分離機で血小板を濃縮したPRPを準備します。次に、PRPを子宮や卵巣へ注入し、組織の再生や修復を助け、妊娠の可能性を高めます。

子宮の場合、PRPを子宮内膜へ直接注入し、内膜の厚さや質を改善します。卵巣の場合、卵巣内へPRPを注入し、卵巣機能の回復を目指します。

再生医療を用いた不妊治療は外来で行われ、身体への負担も少なく、注入後は日常生活を継続できます。治療効果には個人差があり、繰り返し行うこともあります。

再生医療を用いた不妊治療後の注意点はありますか?
再生医療を用いた不妊治療後には、いくつかの注意点があります。まず、治療直後は激しい運動や無理な身体の動きは避けることが重要です。治療部位に負担をかけないためであり、しばらくは軽い運動や日常生活の範囲内の活動に留めるようにしましょう。また、感染症予防のため、治療後数日間は清潔を保ち、入浴はシャワーのみが推奨されます。

さらに、治療の効果には個人差があり、すぐに改善が見られない場合もあります。焦らず、医師の指示に基づいて経過観察を行うことが大切です。万が一、治療部位に痛みや異常があった場合は、速やかに医療機関に相談するようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで再生医療を用いた不妊治療についてお伝えしてきました。再生医療を用いた不妊治療の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 再生医療を用いた不妊治療とは、患者さんの細胞や組織を利用し、卵巣や子宮内膜の機能を改善して妊娠を目指す治療法のことである
  • 不妊治療における再生医療の適応症例は、卵巣機能低下や子宮内膜が薄い場合など、従来の治療では効果が出にくい症例に適応される
  • 再生医療を用いた不妊治療の流れは、患者さんから血液や組織を採取し、加工後に卵巣や子宮に注入し、その後定期的に経過を観察する

再生医療は不妊治療の新しい選択肢となりつつありますが、医師と相談のうえで、自身に向いている治療法を選ぶことが重要です。 これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
馬場 敦志医師(宮の沢スマイルレディースクリニック)

馬場 敦志医師(宮の沢スマイルレディースクリニック)

筑波大学医学専門学類卒業 / 現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務 / 専門は産婦人科

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