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幹細胞治療によるAGAへの期待できる効果とは?治療の流れや注意点も合わせて解説!

幹細胞治療 AGA

AGAの幹細胞治療をご存じですか? 本記事では、AGAの幹細胞治療について以下の点を中心にご紹介します!

  • AGAの幹細胞治療の概要
  • AGAの幹細胞治療の流れ
  • AGAの幹細胞治療の注意点

AGAの幹細胞治療について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそもAGAとは?

そもそもAGAとは?

AGAとは、男性ホルモン型脱毛症のことで、英語ではAndrogenetic Alopeciaと言います。男性ホルモンは、男性らしい体つきや性的特徴を作るために必要なホルモンですが、一部の男性では、頭皮の毛包(もうほう)に影響を与えて、髪の毛が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあります。これがAGAの原因です。 AGAは遺伝的な要素が強く、親や祖父母にAGAの人がいると、自分もAGAになりやすいといわれています。また、加齢やストレス、生活習慣などもAGAの進行に影響すると考えられています。
AGAの症状は個人差がありますが、一般的には、前頭部や頭頂部から薄くなっていきます。特にM字型に後退することをM字型脱毛と呼びます。また、頭頂部から円形に薄くなることをO字型脱毛と呼びます。これらの症状は、思春期以降に徐々に現れていきます。
AGAは自然に改善することはありませんが、早期に発見し、適切な治療を行うことで、進行を遅らせたり、改善したりすることが可能です。治療法には、内服薬や外用薬、育毛剤やサプリメントなどがあります。また、手術やレーザーなどの医療機器を使った治療もあります。AGAは多くの人が悩む問題ですが、正しい知識を持ち、早めに対策を取ることで、髪の健康を守ります。

幹細胞治療とは?

幹細胞治療とは?

AGAの幹細胞治療とはどのようなものなのでしょうか。幹細胞治療の概要について詳しく解説します。

幹細胞とは何か

幹細胞とは、特定の組織や器官に分化する能力を持つ細胞のことです。幹細胞は、自己複製能と分化能という2つの特徴を持っています。自己複製能とは、同じ性質の細胞を無限に増やせる能力です。分化能とは、刺激に応じて様々な細胞に変化する能力です。 幹細胞には、さまざまな種類がありますが、大きく分けて、体幹細胞と胚性幹細胞の2種類があります。体幹細胞は、成人の体内に存在する幹細胞で、主に傷ついた組織や器官の修復に関与しています。体幹細胞は、骨髄や脂肪組織、歯髄などに見られます。体幹細胞は、分化能が限られており、自分と同じ組織や器官の細胞にしか変化できません。 一方、胚性幹細胞は、受精卵から発生する幹細胞で、人間の体を構成するすべての細胞に分化できます。胚性幹細胞は、分化能が非常に高く、多様な組織や器官の再生医療に応用できる可能性があります。しかし、胚性幹細胞には、倫理的な問題や免疫反応の問題などがあります。
近年では、iPS細胞という新しい種類の幹細胞も開発されています。iPS細胞とは、人工的に作られた多能性の幹細胞で、成人の体内から採取した皮膚や血液などの細胞に特定の遺伝子を導入することで作られます。iPS細胞は、胚性幹細胞と同じようにすべての細胞に分化できますが、倫理的な問題や免疫反応の問題を回避できるという利点があります。 幹細胞は、再生医療や薬物開発などの分野で大きな期待が寄せられています。しかし、幹細胞の利用にはまだ多くの課題やリスクがあります。侵襲性を確認するために、さらなる研究や臨床試験が行われています。

幹細胞治療に使用される成分

幹細胞治療とは、幹細胞を用いて、様々な疾患や老化による機能低下を改善する治療法です。幹細胞とは、自己複製能と分化能という2つの特徴を持つ細胞で、体内の損傷した組織や器官の修復に関与しています。
幹細胞治療に使用される成分は、主に2種類あります。ひとつは、幹細胞そのもので、患者自身の脂肪組織や骨髄などから採取し、培養増殖したものを患部に注入する方法です。この方法では、幹細胞が分化して新しい細胞組織を形成したり、既存の細胞と協調して機能回復を促したりします。薄毛治療には、脂肪組織から採取した脂肪幹細胞を使用します。
もうひとつは、幹細胞培養上清液で、幹細胞を培養する際に生成される上澄み液のことです。この上澄み液には、幹細胞から分泌されたサイトカインやエクソソームなど、500種類以上もの成長因子が含まれています。成長因子とは、細胞の増殖や分化を促進するタンパク質のことで、組織再生や創傷治癒などに重要な役割を果たします。
幹細胞培養上清液は、点滴や局注で投与できます。この方法では、成長因子が血流や組織液に拡散し、損傷した細胞や組織に働きかけて再生や修復を促します。炎症を防ぎ、また免疫調節を期待できます。
幹細胞治療に使用される成分は、どちらも自己由来のものであるため、拒絶反応や感染症などのリスクが低いといわれています。しかし、幹細胞治療はまだ新しい治療法であり、侵襲性を確認するために、さらなる研究や臨床試験が行われています。また、厚生労働省から認可された医療機関や医師でしか行えないことも注意が必要です。

幹細胞によるAGAへの効果

AGAの幹細胞治療によって以下の内容が期待できます。

ヘアサイクルの正常化:成長因子が毛周期を調整し、抜け毛や脱毛を防ぎます。
血行改善:成長因子が血管新生を促進し、頭皮の血流を増やします。血流が良くなると、毛根に栄養や酸素が届きやすくなります。
毛包幹細胞の活性化:成長因子が毛根周辺の脂肪前駆細胞を刺激し、毛包幹細胞を活性化させます。毛包幹細胞は、新しい毛髪を作る役割を持つ細胞です。
炎症の抑制:成長因子が頭皮内の炎症を抑え、薄毛の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制します。

幹細胞治療の施術について

幹細胞治療の治療の施術について

実際のAGAの幹細胞治療はどのような流れで進められるのでしょうか。以下に、施術の流れと治療期間、アフターケアについて解説します。

幹細胞治療の流れ

まず、医師とのカウンセリングを行います。治療の目的や方法、効果やリスク、費用などについて説明を受けます。治療に同意した場合は、同意書にサインします。次に、幹細胞を採取する部位によって異なりますが、脂肪吸引や骨髄穿刺などの方法で、自身の幹細胞を採取します。採取した幹細胞は、専用の容器に入れて冷凍保存されます。その後、採取した幹細胞を培養するために、国内外の専門機関に送られます。培養期間は、約2週間から1ヶ月程度です。培養中には、幹細胞の数や品質を検査します。培養が終了したら、幹細胞培養上清液が医療機関に届けられます。投与方法は、点滴や局注などがあります。投与後は、経過観察や検査を行います。

幹細胞治療にかかる時間とアフターケア

幹細胞治療にかかる時間は、局注の場合30〜40分程度、点滴の場合も同程度の時間がかかります。
アフターケアとして注意する点として、幹細胞投与直後は、注射部位の出血や腫れなどが起こる可能性があります。その場合は、冷却パックや圧迫包帯などで対処します。また、頭痛や発熱などの全身症状が出ることもありますが、通常は軽度で自然に回復します。また、投与後数日間は、注射部位の感染や炎症を防ぐために、消毒や抗生物質などの処方を受けることがあります。また、過度な運動や入浴などは避けるように指示されることがあります。投与後数週間〜数ヶ月は、定期的に医師の診察や検査を受けることが必要です。効果の現れ方や持続期間は個人差がありますが、一般的には3〜6ヶ月程度で変化が現れることが多いといわれています。

幹細胞治療の注意点

幹細胞治療の注意点

AGAの幹細胞治療では、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか。以下に詳しく解説します。

副作用が生じる可能性がある

幹細胞治療は、自身の細胞を使用するため、拒絶反応や感染症などのリスクが低いといわれていますが、それでも副作用が生じる可能性があります。幹細胞を採取する際には、脂肪吸引や骨髄穿刺などの手術が必要です。そのため、出血や感染、痛みなどの合併症が起こる可能性があります。また、幹細胞培養上清液を投与する際には、点滴や局注などの方法があります。そのため、注射部位の腫れや赤み、炎症などが起こる可能性があります。また、全身的な副作用として、頭痛や発熱、倦怠感などが起こる可能性もあります。幹細胞治療の長期的な副作用については、まだ十分に解明されていません。しかし、幹細胞が不適切に分化したり、腫瘍化したりする可能性も否定できません。

施術前と施術当日に避けるべきこと

施術前には、以下のようなことを避ける必要があります。
アルコールやタバコは、血行を悪化させたり、炎症を引き起こしたりする可能性があります。そのため、施術の3日前からは控えるようにしましょう。また、抗凝固剤やサプリメントは、出血や内出血のリスクを高める可能性があります。施術の1週間前からは医師の指示に従って中止するようにしましょう。感染症や発熱がある場合は、施術を受けられません。そのため、施術前には体調管理に気を付けましょう。もし、施術前に感染症や発熱の症状が出た場合は、医師に相談してください。
次に、施術当日に避けるべき行動を紹介します。
空腹や水分不足は、体調不良や低血圧などの原因になる可能性があります。そのため、施術当日は軽食や水分を摂るようにしましょう。ただし、食事は控えめにしてください。また、洗髪やシャンプーは、頭皮のバリア機能を低下させたり、刺激物質を残したりする可能性があります。そのため、施術当日は避けるようにしましょう。また、施術後も3日間は洗髪やシャンプーを控えるように指示されることがあります。日焼けやメイクは、頭皮の色素沈着や感染のリスクを高める可能性があります。そのため、施術当日は避けるようにしましょう。また、施術後も1週間程度は日焼け止めや帽子などで紫外線対策を行いましょう。

AGA以外の幹細胞治療の期待できる効果

AGA以外の幹細胞治療の効果

幹細胞治療がAGAの治療以外でどのような分野で用いられているかご存知ですか?代表的なものを以下に紹介します。

病気への期待できる効果

幹細胞治療は、AGAだけでなく、他の様々な病気の治療への応用が期待されています。例えば、以下のような病気があります。

膝関節症:膝関節症は、膝の軟骨がすり減って関節が損傷する病気です。幹細胞治療では、脂肪組織から採取した幹細胞を関節内に注入することで、軟骨の再生や炎症の抑制を促します。
心筋梗塞:心筋梗塞は、冠動脈が詰まって心臓の一部が壊死する病気です。幹細胞治療では、骨髄から採取した幹細胞を冠動脈に注入することで、壊死した心筋の再生や血管新生を促します。
パーキンソン病:パーキンソン病は、脳内のドーパミン神経細胞が減少して運動障害や認知障害を引き起こす病気です。幹細胞治療では、臍帯血から採取した幹細胞を脳内に移植することで、ドーパミン神経細胞の再生や神経保護を促します。

美容への期待できる効果

幹細胞治療は、AGAだけでなく、他の様々な美容目的でも活用されています。例えば、以下のようなものがあります。

肌の若返り:幹細胞培養上清液を顔や首などに注入することで、肌のハリや弾力を回復させたり、シワやシミを改善したりできます。幹細胞培養上清液には、コラーゲンやエラスチンなどの成分が含まれており、肌の再生や保湿に役立ちます。
バストアップ:幹細胞培養上清液を乳房に注入することで、バストのサイズや形を自然に整えたり、垂れやしぼみを防いだりできます。幹細胞培養上清液には、乳腺組織や脂肪組織の増殖を促す成分が含まれており、バストのボリュームや張りの改善が期待できます。
脱毛予防:幹細胞培養上清液を頭皮に注入することで、毛根の活性化や血行促進を行い、薄毛や抜け毛を防ぎます。幹細胞培養上清液には、毛髪の成分であるケラチンやメラニンなどの成分が含まれており、毛髪の再生や色素沈着の改善に役立ちます。

まとめ

まとめ

ここまでAGAの幹細胞治療についてお伝えしてきました。 AGAの幹細胞治療の要点をまとめると以下の通りです。

  • AGAの幹細胞治療とは脂肪組織から採取した脂肪幹細胞と幹細胞培養上清液を用いてヘアサイクルの正常化や血行改善、毛包幹細胞の活性化などを促す治療である
  • AGAの幹細胞治療の流れは、カウンセリング、同意を得た上で患者さんの幹細胞を採取し、幹細胞の培養をした後に点滴や局注などで注入する
  • AGAの幹細胞治療では副作用や、医師からの施術前後の注意点を守ることが重要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

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