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【幹細胞治療】間葉系幹細胞による動脈硬化の治療について詳しく解説!

幹細胞治療 動脈硬化

動脈硬化に悩んでいませんか?原因と予防法、そして新しい治療法について知りたくはありませんか? 本記事では間葉系幹細胞による動脈硬化の治療について以下の点を中心にご紹介します。

  • 動脈硬化について
  • 幹細胞治療について
  • 間葉系幹細胞による動脈硬化の治療

間葉系幹細胞による動脈硬化の治療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

動脈硬化について

動脈硬化について

そもそも動脈硬化とはなんですか?
脈硬化とは、血管の内側にコレステロールやカルシウムなどの物質が沈着して、血管が硬くなり、狭くなる病気です。 血管が狭くなると、血液の流れが悪くなり、酸素や栄養素が十分に運ばれなくなります。また、血管が硬くなると、血圧が上がりやすくなり、心臓に負担がかかります。 動脈硬化は、全身の血管に起こりうる病気で、特に心臓や脳、腎臓、足などの重要な臓器に影響を与えます。動脈硬化は、加齢や遺伝的な要因だけでなく、喫煙、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、運動不足などの生活習慣によって進行しやすくなります。
動脈硬化には初期症状はありますか?
動脈硬化の初期段階では、自覚症状はほとんどありません。しかし、病状が進行すると、血管内にコレステロールなどが蓄積し、脂肪沈着が起こります。 さらに進行すると、脂肪斑となり、血管が狭まり、血流と血管内膜の間にストレスが生じ、内皮細胞が壊れ、血栓ができるようになります。 血栓ができるような状態になると、急性心筋梗塞などの発作として目に見える症状が現れるようになります。 したがって、自覚症状が出現する前には既に、20〜30年間に及ぶ沈黙の動脈硬化の進行があるということになります。動脈硬化が進行すると、脳血管疾患や心臓病になる恐れがあるため、早期発見・治療が重要となります。
どのような方が動脈硬化になりやすいのでしょうか?
動脈硬化になりやすい方とは、主に以下のような特徴を持つ方です。

  • 高血圧:血圧が高いと、血管にかかる圧力が増え、血管壁が傷つきやすくなります。傷ついた血管壁にコレステロールやカルシウムなどが付着し、動脈硬化を進行させます。
  • 高脂血症:血液中のコレステロールや中性脂肪が高いと、動脈壁に沈着しやすくなります。特に、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高いと、動脈硬化のリスクが高まります。
  • 糖尿病:血糖値が高いと、血管壁に糖が結合し、血管の弾力性を低下させます。また、糖尿病は高血圧や高脂血症とも関連しており、動脈硬化の危険因子となります。
  • 喫煙:タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、血管を収縮させ、血流を悪化させます。また、タバコは血液の凝固性を高め、血栓の形成を促進します。

以上のように、動脈硬化になりやすい方は、生活習慣病にかかっている方や喫煙している方です。定期的に血圧や血液検査を受け、生活習慣の改善に努めるようにしましょう。

動脈硬化と関連する疾患を教えてください。
動脈硬化では、各臓器に深刻な疾患が引き起こされます。

  • 脳では脳梗塞や脳卒中が起こり、血管が詰まることで神経細胞が死滅し、機能障害が生じます。
  • 目においては眼底出血や視力障害が発生し、心臓では狭心症や心筋梗塞が心臓血管に影響を与え、命にかかわる事態となります。
  • 胸部・腹部では大動脈瘤や解離性大動脈瘤が発生し、大動脈が異常に拡張したり、破裂したりして致命的な出血が起こります。
  • 腎臓も腎硬化症や腎血管性高血圧症が発症し、腎不全や全身への悪影響が生じます。
  • 下肢では閉塞性動脈硬化症が起こり、手足のしびれや冷え性が現れ、最悪の場合は壊死することもあります。

幹細胞治療について

幹細胞治療について

幹細胞治療はどのように行うのでしょうか?
幹細胞治療は複数のステップで進行します。初回では感染症血液検査とカウンセリングが行われ、次に脂肪細胞の採取です。患者さんの腹部からごく小さな切開をして、おへその中から脂肪細胞を取得します。傷が残りにくく、目立ちにくいのが特徴です。 その後、提携CPCで脂肪細胞から幹細胞を培養し、約4週間後に幹細胞の投与が行われます。投与は局所注射または点滴により、再生医療専門の医師が実施します。患者さん個別のニーズに合わせて行われ、細胞培養や投与には約4週間の期間がかかりますが、個人差があります。 最後に再診が行われ、脂肪細胞採取の傷口や幹細胞投与による経過が丁寧にフォローされます。患者さんとのコミュニケーションを大切にし、次回治療についても患者さんのペースに合わせた相談が行われます。
なぜ幹細胞で症状が改善するのでしょうか?
幹細胞による症状改善の主な理由は、幹細胞が損傷した組織に移動し、必要な種類の細胞に分化するためです。 ヒトの体は傷ついた組織から修復の信号を発します。信号を感知した幹細胞が損傷した部分に移動し、そこで適切な細胞に変化します。このプロセスにより、損傷した組織が修復・再生され、症状が改善します。 通常では回復が難しい損傷でも、投与された幹細胞がプロセスをサポートするため、幹細胞治療は治療困難な疾患にも有効であるとされています。 また、急性期の患者さんに対して効果が期待できるのは、急性期において体が強い修復信号を発する性質があるからと考えられています。
幹細胞治療が受けられない方はいますか?
幹細胞治療は、患者さんと医師の合意に基づいて行われますが、一部の人々には適用できない場合があります。以下のような状況の人々が該当します。

  • 同意説明文書の理解が難しい方:治療の目的の理解が難しいと判断された場合、治療は行われません。
  • 麻酔薬に対する過敏症のある方:脂肪を採取するときに使用する麻酔薬に対して過敏症のある方は、治療を受けられません。
  • 妊娠の可能性がある方:妊娠中の方は、幹細胞治療を受けられない可能性があります。
  • 治療担当医師が不適当と判断した方:医師が治療の施行を不適当と判断した場合、治療は行われません。
  • 年齢制限:20歳未満または85歳以上の方は、治療を受けられない可能性があります。
  • 病原性微生物検査で陽性の方:最近6ヶ月以内にHIV、梅毒などの病原性微生物検査で陽性と判定された方は、治療を受けられません。

間葉系幹細胞による動脈硬化の治療

間葉系幹細胞による動脈硬化の治療

間葉系幹細胞とはどのような幹細胞ですか?
間葉系幹細胞(MSC)は、体性幹細胞の一種で、中胚葉性組織(間葉)に由来します。 MSCは、骨髄、脂肪組織、胎盤組織、臍帯組織、歯髄などから容易に採取できます。また、MSCは、神経や筋肉、脂肪、骨などさまざまな種類の細胞に分化する能力を持っています。 再生医療の分野では、MSCの使用が増えています。MSCは倫理的な問題が少なく、自己の組織から採取でき、移植後の免疫拒絶反応が起きにくいためです。 ただし、MSCの特性は採取する組織により異なるため、特性を理解し、適切な治療法の選択が重要です。
治療の流れを教えてください。
間葉系幹細胞による動脈硬化の治療は、以下の流れで行われます。

  • 初診:患者さんの病状や治療歴、現在の身体的情報を詳しく聞き、間葉系幹細胞を使用した治療について説明します。
  • 事前検査:感染症、脂質異常、血糖値、炎症反応などの血液検査、血圧、心電図、動脈プラーク検査(超音波検査)、動脈硬化検査(ABI、CAVI)、出血傾向のスクリーニングとして血液凝固検査(PT、APTT)をします。
  • 脂肪組織の採取:腹部などから局所麻酔下で長さ2cm以下の小切開を加え、脂肪組織を採取します。
  • 幹細胞の培養と投与:脂肪組織の採取から約5週間後に、培養・増殖した患者自身の幹細胞を静脈点滴にて投与します。
  • 経過観察と治療の評価:投与から3ヶ月後・6ヶ月後・1年後、その後は1年毎に治療後5年にわたり、経過を見る目的で、容態について問い合わせや、来院による問診・診察をします。
間葉系幹細胞による治療のメリットはなんですか?
間葉系幹細胞による治療の主なメリットは複数あります。 まず、自己免疫性疾患の改善が挙げられます。幹細胞は、異常な免疫反応を抑制し自己免疫性疾患の症状を改善する期待があります。 また、血管再生を促進する能力もあり、損傷した血管を修復し血流を改善できます。 手術や薬物療法より低侵襲な点も注目されます。局所注射や点滴による投与ができるため、身体への負担や副作用を軽減しながら治療できます。 上記のメリットが、間葉系幹細胞治療の選択肢としての価値を高めています。
間葉系幹細胞治療にはどのような副作用がありますか?
間葉系幹細胞治療は、一部の患者さんに副作用が現れることがあります。 以下にその主な副作用を挙げます。

  • 痛み:細胞採取や注射部位に一時的な痛みが生じることがあります。
  • 発熱:体が新しい細胞を受け入れる過程で一時的な発熱が起こることがあります。
  • 関節の水腫:関節に幹細胞を注入した場合、一時的に関節に水が溜まることがあります。

紹介した副作用は一時的で、自己解消します。しかし、副作用が長期間続く場合や、新たな症状が現れた場合は、すぐに医師に相談しましょう。 また、間葉系幹細胞治療は新しい治療法であるため、長期的な副作用についてはまだ完全には理解されていないという点も覚えておきましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで間葉系幹細胞による動脈硬化の治療についてお伝えしてきました。 間葉系幹細胞による動脈硬化の治療の要点をまとめると以下の通りです。

  • 動脈硬化は、血管内に物質が沈着し、血管が硬くなり狭くなる病気で、生活習慣が主な要因
  • 幹細胞治療では患者さんの脂肪細胞から取得した幹細胞が損傷した組織に移動し、必要な細胞に変化することで症状改善が期待される
  • 間葉系幹細胞による動脈硬化の治療は、局所注射や点滴による投与が可能で、手術や薬物療法より負担が軽減される

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

平成19年(2007年) 大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科 卒業 平成21年(2009年) 大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医 平成22年(2010年) 大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 平成24年(2012年) 国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 平成25年(2013年) 大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 平成26年(2014年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員 令和3年(2021年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長 令和5年(2023年) 上場企業産業医

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