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関節リウマチの治療方法とは?生活上の注意点や大切なことも解説!

関節リウマチの治療方法とは?生活上の注意点や大切なことも解説!

関節リウマチは、重症化すると生活にも支障が出る病気です。そして、初期段階で治療を始めておくことが、重症化を防ぎ、症状をコントロールするためには大切です。この記事では、関節リウマチの治療法や日常での注意点を詳しく解説します。どのような治療法があるのか、生活するうえで何に気をつければいいのかなどを知り、関節リウマチになっても生活を快適に送っていきましょう。

関節リウマチの治療とは

関節リウマチの治療とは まずは、関節リウマチの概要についてご説明します。

関節リウマチの症状と原因

関節リウマチは、免疫異常により関節に炎症が起こる病気です。通常は身体を守るために働いている免疫機能が、何らかの異常によって正常な組織に対しても攻撃を与えてしまうことで、さまざまな症状が現れます。免疫異常に陥る原因はまだ解明されていませんが、細菌・ウイルス感染、過労、ストレス、喫煙、出産などがきっかけになると考えられています。

また、30代~50代の女性に多い疾患であるということも分かっています。症状としては、炎症による手や足の痛みや腫れのほか、だるさや熱っぽさ、体重減少、貧血が挙げられます。特に、朝起きたばかりのときに感じる身体の動かしにくさは、関節リウマチの代表的な症状となっています。また、こういった症状を放置して症状が進行してしまうと、関節が変形し可動域が制限されてしまうこともあります。

関節リウマチの治療目標

関節リウマチは、完治させるのが難しい病気です。そのため、治療を行う際は症状の寛解を目指します。具体的には、臨床的寛解、構造的寛解、機能的寛解の3つを目指し、治療を行います。

臨床的寛解は痛みや腫れといった具体的な症状を寛解に導くことであり、構造的寛解は炎症による骨や関節の破壊が治まるようにすること、機能的寛解は関節リウマチにより生活に支障が出る状態をできるだけ避け、生活の質向上を目指すことです。1つの要素だけでなく、これら3つの寛解が達成されることが、関節リウマチの治療において大切にされています。また、これらの寛解目標は、医師だけでなく患者さんにも共有し、ともに治療を進めていくことが重要だとされています。T2T(Treat to Target)と呼ばれる考え方をもとに、何を目的にどのような治療を行うのかを患者自身が理解し、率先して治療に携わっていくことが大切です。

関節リウマチの治療方法

関節リウマチで行われる治療は、薬物療法、リハビリテーション、手術療法の3つに大別されます。初期症状の場合は、薬物療法とリハビリテーションを症状に合わせて行い、症状が進行している場合には手術療法が検討対象に入ってくるというのが一般的です。「手術はできるだけ避けたい」と考える方が多いと思いますが、そのためには発症後すぐに適切な治療を始めることが大切です。また、痛みや腫れといった症状が落ち着いているように思える場合も、実際には関節の破壊は進行していることがあります。そのため、症状が落ち着いているからといって安心するのではなく、少なくとも3カ月に一度は医療機関に出向き、進行状況のチェックと薬の見直しを行う必要があります。

関節リウマチの薬物療法について

関節リウマチの薬物療法について では、具体的にはどのような治療を行うのでしょうか。まずは、関節リウマチの治療の基本となる、薬物療法について解説します。

消炎鎮痛薬

痛みや腫れの緩和を目的に処方されるのが、消炎鎮痛薬です。関節リウマチの進行を止める働きはないため、基本的には抗リウマチ薬の補助として使用されます。使用すれば痛みや腫れが軽減されるというメリットがあるものの、胃腸や腎臓、肝臓などに障害が出やすくなるという副作用がある薬剤も多いため、これらの病気の検査も定期的に行いながら注意して使用する必要があります。

抗リウマチ薬

薬物療法で中心となるのが、抗リウマチ薬です。その名の通り、関節リウマチの進行を抑制する作用があり、免疫異常を抑える働きを持っています。また、骨や軟骨の破壊進行を遅くさせる働きもあります。デメリットとしては、使い始めてから作用が出るまでに数カ月の期間がかかることです。そのため、その期間中はほかの薬を併用したり、思ったような作用が出ない場合には薬の種類を変えたり複数の種類を使用したりといった調整が必要となります。また、発疹やタンパク尿、肝障害、肝炎、間質性肺炎、感染症、血液障害といった副作用が出る場合もあります。

ステロイド

ステロイドには、痛みや炎症を抑える作用があります。消炎鎮痛薬よりも作用が強く出ることが多く、消炎鎮痛薬では痛みや腫れが治まらない場合や、抗リウマチ薬の作用が出るまでの補助として使用されます。デメリットは、糖尿病、骨粗しょう症、白内障、感染症などの副作用があることです。そのため、痛みや腫れが治まるといって長期間使用するのではなく、一時的に使用することが推奨されます。

生物学的製剤

関節リウマチは、たんぱく質の一種であるサイトカインが過剰に働くことで炎症が起こるとされており、そのサイトカインの働きを抑えたり、リンパ球の一種であるT細胞の活動を抑制したりするために用いられるのが、生物学的製剤です。抗リウマチ薬と同様に、炎症や痛みの軽減、骨や軟骨の破壊進行抑制が作用としてあり、注射や点滴で投与します。デメリットとしては感染症にかかりやすくなるという副作用が挙げられ、主に抗リウマチ薬の作用が不十分な場合に使用されます。

関節リウマチのリハビリテーションについて

関節リウマチのリハビリテーションについて 次に、関節リウマチに対するリハビリテーションについて解説します。関節リウマチは、薬物療法に加え、無理のない範囲でリハビリテーションを行うことで、より痛みや腫れの緩和が目指せます。炎症が強い場合には、無理なリハビリテーションをしてしまうと逆効果になることもありますので、医師や理学療法士などスタッフの指示を守って行いましょう。リハビリテーションには大きく分けて理学療法と作業療法という2つの種類があり、関節リウマチではこのどちらのリハビリテーションも行われます。またそのほかに、テーピングなどを使って関節の変形や痛みを抑える装具療法が行われることもあります。

関節リウマチの理学療法

理学療法は動作や身体機能の向上を目指して行うリハビリテーションであり、主に運動療法と物理療法に分けられます。運動療法の場合、関節リウマチに対しては指を握ったり開いたりするのを繰り返す運動や、指先で物をつまむ運動、スポンジなどを握って行う握力改善のための運動、手首や足首をそらしたり伸ばしたりする動きを繰り返す運動、うつぶせになってバタ足のような動きをする太ももの運動、首を上下左右に動かす運動などが行われます。痛みなどがあるとその部位をかばうようになってしまいますが、こういった運動を無理なく続けることが、筋肉を保つためには大切です。

物理療法では、水やお湯、光、超音波などを利用して患部に刺激を与え、痛みや腫れの緩和を目指します。関節リウマチの場合に主に行われるのは、患部を冷やして行うものと温めて行うものです。同じように痛みがある場合も、炎症している場合は冷やす、炎症が治まっている場合は温めるといったように、症状に合わせて行う必要があります。

関節リウマチの作業療法

作業療法とは、日常生活で必要となる動作を行えるよう、動作訓練などを行うことを指します。食事をしたり、お風呂に入ったり、トイレに行ったり、布団に入ったりといった、生活の中で当然のようにする行為が、現状よりもできるようになることを目標に行います。関節リウマチの場合は、手首に負担をかけない道具の持ち方などの指導が行われます。これらのリハビリテーションは、医療機関はもちろん、自宅などで行われることもあり、自宅で行われる場合はより患者さん一人ひとりの日常生活に合った指導を受けることが可能です。

関節リウマチの手術療法について

関節リウマチの手術療法について 関節リウマチの治療法として最後に解説するのは手術療法です。手術療法は、関節リウマチが進行してしまい、日常生活に大きな支障が出ている場合や、薬物療法やリハビリテーションでは変化がない場合などに行われます。

滑膜切除術

滑膜切除術は、痛みを取り除くことを目的に行う炎症している滑膜を切除する手術です。進行度合いが軽度から中等度の場合に行われ、骨や軟骨などには処置をせず、滑膜のみを切除します。大半は良好な経過を示しますが、まれに関節炎の再発が起こります。またこの手術は、早期から薬物療法やリハビリテーションが行われることが多くなった近年では、あまり行われていません。

人工関節置換術

関節の軟骨や骨が損傷し、日常生活に支障をきたしている場合に検討されるのが人工関節置換術です。この手術は、損傷した関節を金属やステンレス製のインプラントと入れ替えることで、痛みを抑えるものです。関節リウマチに限らず、ひざや股関節など関節に障害を抱えた場合に検討される、一般的な手術となっています。人工関節は永久に使えるわけではないというデメリットがありますが、使用される材料は年々改良されており、耐用年数もそれと比例して伸びてきています。ただし、人工関節置換術の大きな目的は痛みを取り除くことであり、可動域をもとに戻すためではないということを頭に入れておかなければなりません。人工関節置換術を行うことにより可動域が狭くなることもありますし、術後すぐは動きに違和感を覚えることもあります。また、合併症などのリスクがあることも覚えておきましょう。

関節固定術

関節固定術は、関節破壊が進行して痛みや腫れがひどく、日常生活の質が大きく損なわれている場合に行う手術です。損傷が激しい関節にスクリューなどを挿入して動きを制限することにより、痛みの発生を抑えます。関節を固定してしまうため、その箇所は動かすことはできなくなりますが、痛みをしっかりと取り除き、関節部分を安定させることができます。また、頚椎などが変形して神経が圧迫される恐れがある場合や、人工関節置換術では長期的な効果が見込めない場合などに行われることもあります。ただし、関節を固定するということは大きなデメリットともなるため、選択肢として検討されることは少なくなってきており、検討される場合も最終手段としての位置づけであることが一般的です。

関節リウマチの治療中にやってはいけないこと

関節リウマチの治療中にやってはいけないこと 最後に、関節リウマチを発症した後に、気をつけるべきことや控えるべきことを解説します。関節リウマチは、発症してからの数年が特に症状が進行しやすい期間であることが分かっています。この期間はもちろん、その後も日常生活でさまざまなことに気をつけ、生活の質を守れるように努めましょう。

関節リウマチでの生活上の注意点

関節リウマチの発症予防と進行予防のためには、日常生活でいくつかのことに気をつけておく必要があります。その一つが喫煙です。喫煙は関節リスクの発症を高めることが分かっており、発症後の進行にも悪影響を与えるとされています。治療の合併症を発症する要因にもなりますので、禁煙を心がけましょう。

また、疲れやストレスをため込まないことも大切です。これらは関節リウマチの悪化要因とされており、発症のきっかけになることもあります。適度に休息をとるほか、仕事や人間関係のストレスからリフレッシュできる時間も意識してとるようにしましょう。また、飲みすぎや食べすぎもよくありません。体重が多いと関節への負荷が大きくなりますので、肥満傾向がみられる場合には減量も行いましょう。

関節リウマチの生活で大切なこと

関節リウマチは、関節に炎症が起こる全身性の慢性炎症疾患です。そのため、「コップは両手で持つ」「重いものはできるだけ持たない」「うつむき姿勢は控える」「適度に休む」など、関節への負担を抑えた行動を心がけましょう

また、痛みや関節の動かしづらさを予防するためには、関節を冷やさないことが大切です。手首や足首などを冷やす格好は避け、ひざ掛けなども適宜使うようにしましょう。さらに、関節リウマチによる関節の変形や拘縮を避けるためには、適度な運動も重要です。症状をコントロールできている状態であれば適度な運動が進行予防の一つとなりますので、医師の指示の下でストレッチや軽い運動などを行うようにしましょう。

まとめ

まとめ 関節リウマチになった際の治療法を中心に、症状や発症の原因、日常生活における注意点までご説明しましたが参考になったでしょうか。関節リウマチは、発症後すぐに適切な治療を受けられるかどうかがその後の進行に大きく影響を与える病気です。朝のこわばりや関節の痛み、違和感など、気になることがあれば、早めに医師に相談するようにしましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

平成19年(2007年) 大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科 卒業 平成21年(2009年) 大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医 平成22年(2010年) 大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 平成24年(2012年) 国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 平成25年(2013年) 大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 平成26年(2014年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員 令和3年(2021年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長 令和5年(2023年) TOTO関西支社健康管理室産業医

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平成19年(2007年) 大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科 卒業 平成21年(2009年) 大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医 平成22年(2010年) 大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 平成24年(2012年) 国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 平成25年(2013年) 大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 平成26年(2014年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員 令和3年(2021年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長 令和5年(2023年) TOTO関西支社健康管理室産業医

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