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変形性肘関節症の症状とは?原因と治療法、再生医療による治療についても解説!

変形性肘関節症の症状とは?原因と治療法、再生医療による治療についても解説!

変形性関節症が肘に起こる病気を変形性肘関節症と呼びます。今回は、変形性肘関節症とは何なのか、どうしてなるのか、治療法にはどういうものがあるのかというところまで詳しく説明します。病気の基礎知識を付けて、気になる症状が出たときにすぐに対応できるようにしましょう。

変形性肘関節症の症状と原因

まず、変形性肘関節症とはどのようなものなのかを説明します。

変形性肘関節症の症状について教えてください。
さまざまな要因により肘関節のクッションの役割を担っている軟骨がすり減ってしまうのが変形性肘関節症です。初期の頃は軟骨が減っているだけの状態ですが、症状が進行していくと軟骨が限りなく薄くなったり、完全に軟骨がなくなったりして骨が直接ぶつかってしまうようになります。そうすると骨が変形したり、骨棘(こつきょく)と呼ばれるとげ状の骨ができたりして肘に痛みが出たり、動かすことが困難になったりしてしまいます。ひどくなると、肘を動かさなくても痛みが出る場合もあり、日常生活に大きく支障を来してしまう病気です。
変形性肘関節症になる原因は何ですか?
スポーツや労働などで肘を使い過ぎた人は、軟骨がすり減り変形性肘関節症になりやすいといわれています。また、肘の故障・捻挫・骨折といったスポーツ障害がきっかけで治療後に骨の変形がみられるケースもあります。

変形性肘関節症の検査と診断

変形性肘関節症の検査と診断 変形性肘関節症ではないかと疑った場合、医療機関ではどのようにして診断が確定するのでしょうか。よく行われる検査や、診断の流れについて説明します。

変形性肘関節症の検査方法について教えてください。
変形性肘関節症の場合、痛みや肘の動かしづらさを感じて受診する患者さんが多いです。どういう原因でどのような症状が出ているかを確認するために、まずはレントゲンを撮影して状態を見ます。骨棘の有無や関節の変形がどのくらい進行しているかなどを確認します。必要があればCTやMRIの画像診断も用いて詳しく調べます。変形性肘関節症は、日頃の労働や運動の具合も大事な要素となるため、問診では職業歴や運動歴などを細かく聞かれる場合も多いでしょう。
変形性肘関節症の診断はどのように行われますか?
検査画像のほか、職業歴や運動歴、肘への外傷歴などを患者さん自身から聞き、痛みや動きの状態などをすり合わせたうえで大方の診断がつきます。変形性肘関節症の場合は、レントゲン検査で骨同士の隙間(関節の隙間)が狭くなっていることや骨棘があることなどのほかに、骨の異常や軟骨の硬化像などが確認できます。これらは問診内容や検査画像などから総合的に判断し、診断が下されます。

従来の変形性肘関節症の治療

変形性肘関節症と診断された場合は、少しでも早めに治療を開始することが大切です。ここでは以前から採用されている保存療法と手術療法について説明します。

変形性肘関節症の薬物療法について教えてください。
薬物療法では、炎症を抑えたり痛みを軽減させたりする薬を使用するのが一般的です。また、痛みや炎症が強い場合には直接関節に注射を打つ関節内注射をすることも多いです。痛みがつらい人にはステロイドの注射が有効ですが、頻繁に行うとステロイド薬の副作用が出てきてしまうため、使用頻度は少なく抑えるのがベターです。薬物療法は変形性肘関節症を治す根本的な治療ではありませんが、日々の生活を過ごしやすくコントロールするためには欠かせない治療です。
変形性肘関節症の理学療法について教えてください。
痛みを感じて関節を動かさなくなってくると、筋肉や腱が固くなり肘周りの動きが全体的に悪くなったり、可動域が狭くなったりしてしまいます。そういう場合に有効なのが熱や超音波を使用する理学療法です。医療機関によってさまざまな治療があり、鎮痛や消炎を目的として複数の治療を組み合わせていきます。無理のない範囲で行うリハビリテーションやストレッチ、マッサージなども同時に行うことで、可動域をキープしたり広げたりすることも期待できます。ただし、骨棘ができていたり、骨の位置がずれていたりする場合には、こうした保存療法では根本的な解決になりません。
変形性肘関節症の手術治療について教えてください。
薬物療法や理学療法を用いても機能改善がみられない場合は、最後の手段として手術を選択します。異常に強い痛みが続く人や、骨棘、骨折などが原因で肘を動かすのが物理的に難しい人は、手術で骨を削って滑らかにしたり、場合によっては人工関節を挿入したりする場合があります。種類によっては大きな手術となり、感染症や合併症の心配も出てきます。手術に耐えうるかどうかは患者さんの自身の状態も大きく関係してくるため、主治医とよく相談したうえで手術療法を検討すると良いでしょう。

再生治療による変形性肘関節症の治療

再生治療による変形性肘関節症の治療 以前から採用されてきた薬物療法や運動療法の保存療法と手術療法のほかに、近年出てきた再生医療という治療法が注目されています。ここでは関節に行う再生医療について簡単に紹介します。

関節再生医療について教えてください。
そもそも再生医療とは、ケガや病気などで損傷したり低下したりした組織を修復する、新しい治療法です。患者さんの血液や細胞を取り出し加工することで、人間がもともと持っている自己治癒力を増大させることができるのです。この再生医療は関節症で悩む患者さんにも適用されており、保存療法では治療効果が十分でなかった人に対してよく採用されています。
PRP療法とはどのような治療方法ですか?
再生医療の1つに、患者さんの血液を利用して治療を行うPRP療法があります。血液の中にはさまざまな組織が存在していますが、その中でも傷や筋肉損傷などを修復させる力を持つ血小板がこのPRP療法のキーとなります。血小板がこのような役割を担うのは、血小板の中に成長因子という成分が含まれているからであり、成長因子をたくさん含む血小板を血液から取り出して、PRPは作られます。そして患者さんの血液から作り出したPRPを炎症が起きている関節に直接注射することで、痛みや炎症を抑えることが期待できます。
APS療法とはどのような治療方法ですか?
血小板を多く含むPRPの中にある成長因子のみを取り出したものがAPSと呼ばれるものです。次世代PRPとも呼ばれ、関節の痛みや炎症の軽減に加え、変形性肘関痛の原因となっている軟骨のすり減りや組織の破壊を抑制する効果もあるのではと期待されています。
幹細胞による変形性肘関節症の治療について教えてください。
幹細胞は、さまざまな別のものに変化できる特別な細胞です。これを利用して関節に現れている症状を抑える治療法もあります。幹細胞は私たちの体の中にある脂肪に多く含まれているため、治療の際はまず患者さんの脂肪を吸入して、そこから幹細胞を取り出します。取り出した幹細胞を加工して関節内に直接注入することで軟骨のすり減りや痛み、腫れなどの症状にアプローチできます。

編集部まとめ

いかがでしたか。今回は再生医療についても触れましたが興味を持っていただけたでしょうか。再生医療は、手術ができない人でも受けられる新しい治療法として注目されているため、ぜひ理解を深めていただけたらと思います。関節の痛みは私生活にも大きく影響を及ぼします。自分の症状にどのような治療法が合っているのかを見極め、健康的な生活を送りましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

平成19年(2007年) 大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科 卒業 平成21年(2009年) 大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医 平成22年(2010年) 大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 平成24年(2012年) 国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 平成25年(2013年) 大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 平成26年(2014年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員 令和3年(2021年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長 令和5年(2023年) 上場企業産業医

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