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美容に再生医療が利用されている?治療法の種類・特徴についても解説

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スポーツ・難病治療などさまざまな分野で研究が続いている再生医療ですが、実用化されている治療の中には美容分野に活用されている医療も存在します。

これまでの治療と異なるアプローチが可能となり、長期的な効果の持続が可能となりました。しかし費用面や効果が発揮されるまでの期間はこれまでの治療と異なるため、活用するには医師とのカウンセリングが重要です。

今回は美容に利用される再生医療について解説していきます。

美容に再生医療が利用されているとは?

ポイントを示す女性医師

美容の分野で利用されている再生医療は、患者さんの細胞を血液・細胞などから採取し、培養や調整を行い注射する治療法が一般的です。

顔のしわ・たるみ対策としてヒアルロン酸注入は、即効性の高さ・ダウンタイムが短いため現在も活用されています。しかし成分の持続期間に限りがあるため、定期的な注入が求められるのが欠点です。

再生医療による美容も従来の治療と同じく持続時間に限りがあるものの、体質を改善する治療法のためより長い期間効果を得られるケースも存在します。

また再生治療の1つであるPRP療法は、繰り返す毎に効果の期待が高まるのも特徴です。医師と相談し、長期的な計画を立て治療を開始しましょう。

美容現場で使用される再生医療の種類は?

カルテを見る医師

現在美容の現場で使用されている再生医療は、主に幹細胞治療・PRP療法の2種類です。この2つの治療法の違いの1つは、採取する細胞が異なる点です。

幹細胞治療は脂肪を、PRP療法は血液に含まれる血小板をベースに治療が行われます。どちらも根本治療ですが、採取を行う過程や施術が行える範囲などが異なるため、求める効果によって治療を変更しましょう。

ここからはこの2種類の治療法について解説していきます。

幹細胞治療法

幹細胞治療とは、新しい細胞に変化する分化と呼ばれる役割を持つ幹細胞の特性を利用した治療法です。この幹細胞により病気・怪我で失われた細胞が作り直され、以前の状態に戻ることができます。

しかし幹細胞は加齢に伴い活動が低下し、増殖する力も失われていくのが弱点です。そのため現在活動している幹細胞を抽出・培養し、注入することで加齢による活動低下に対抗していくのが幹細胞治療の狙いです。

治療後速やかに効果が表れるわけではなく、時間経過とともに効果が表れます。そのため即効性のある治療と組み合わせたり、時間をかけて肌の体質改善を考えている方におすすめです。

PRP療法

PRP療法は血液に含まれる血漿(けっしょう)・血小板を濃縮し、投与する治療法です。濃縮の過程では遠心分離機を用いて成分を分離し、血漿・血小板を多く含む部分を採取し注射を行います。

また治療効果の促進を目的とした、成長因子の添加を行う医院も存在しますが、現在も研究中ということもあり全ての医院が添加を行っているわけではありません。

添加を行ったPRP療法による副作用も報告されているため、過去にアレルギー反応を起こしたことがある場合は、医師と相談し添加物を使うべきか相談を行いましょう。

美容に再生医療が利用されると何が起こる?

考え事をする女性

美容治療にはさまざまな種類が存在し、ヒアルロン注射・リフトアップ・レーザー治療などが存在します。

即効性のある対症療法と、徐々に効果の現れる根本療法の2種類に大別ができますが、現れる効果も選択した治療によって異なります。

再生治療は根本療法に分類されることが多いですが、選択した治療法によっては継続的な治療が有効な場合もあるため注意が必要です。ここからは、再生医療を用いた美容で期待できる効果について解説していきます。

肌が若返りシワなどが目立ちにくくなる

PRP治療に含まれる血漿・血小板は組織の再生を促す成長因子を放出するのが特徴です。そのため自身の血液から分離した血漿を注入することで、皮膚の再生力が向上し、シワ・たるみが目立ちにくくなります。

コラーゲン・ヒアルロン酸注射はPRP治療と比較すると、即効性が高いのがメリットです。しかし医院によっては注射した部分のみシワ・たるみが改善され、不自然な仕上がりになるケースが存在します。

再生医療を利用したPRP治療・幹細胞治療法は自身の細胞により再生機能が高まっているため、皮膚全体の改善を目指せるのが異なる点です。

肌の内部から代謝を上げ効果が持続する

ヒアルロン酸・ボトックス注射といった肌のシワを伸ばすような治療法は、時間経過と共に効果が落ちていく点がデメリットとして挙げられていました。これは注射された成分の効果が弱まるにつれて、皮膚のハリを保つ効果も弱まっていくためです。

再生医療は個人差があるものの肌の内部から効果を発揮するため、効果持続が期待できるのが特徴です。また医院によって添加物の有無も異なり、効果をより持続することを主観に置いた治療法も存在します。

効果の持続時間を重視する方や、外科治療によるトラブルに不安を覚えている方は再生治療を検討してみましょう。

肌の老化の進行を抑制する

幹細胞治療法は、怪我・病気などで失われた細胞を補う働きを持つ幹細胞を利用した再生治療です。加齢によって幹細胞が減少することが、ハリの減少やシワの増加に繋がります。

老化の進行を止めるために使用する幹細胞は、腹部・耳の裏から採取して培養を行います。治療に使用する十分な量を確保出来たら患部に注入し、治療は完了です。

PRP療法も、幹細胞治療と同様に肌の老化に効果が期待できます。従来の注入治療と異なる点として、これまでは外科手術が必要だった部分にも対応できる点が挙げられます。

期待される効果に関しては重複している部分はありますが、作用には違いがあるため医師と相談し目的に合った治療法を選択しましょう。

施術の短縮化が期待できる

PRP療法は血液を採取した後、遠心分離機で必要な成分を抽出する必要があります。採決・抽出・患部に注入までの工程に必要な時間は、約30分です。

外科治療を伴うため時間が掛かるのと腫れや内出血などダウンタイムが長いというデメリットが存在します。また30分より短い施術として、ヒアルロン酸注射がありますが、こちらは持続期間が短いのがデメリットです。

総合して考えると、再生治療は根本治療でありながら施術時間の短縮が期待できます。現在も研究が進んでおり、医院によってはより効果を得られるよう成長因子と呼ばれる成分調整も行っています。

公式ホームページ上で再生治療の概要を掲載している医院も多く存在するため、気になる医院を一度確認してみましょう。

美容で行われる再生医療の特徴は?

再生医療は何らかの原因で損傷した組織・器官を、患者さん自身の細胞を元に培養や加工を行い移植する治療法です。

美容以外で現在実用化されている再生医療は、火傷・あざに用いられる皮膚シート・軟骨の修復に用いられる培養軟骨・脊髄損傷の改善薬などです。

美容で使われる再生医療も、現在実用化された再生医療と似た特徴があります。ここからは、美容で使われる再生医療の特徴について解説していきます。

患者さん自身の細胞が使用されるので副作用が少ない

OKサインをする女性医師

現在美容の再生治療として細胞を用いる場合は、身体から微量の細胞を採取し培養する方法が一般的です。自身の細胞を利用しているため、細胞の注入が原因の副作用が出るケースは少ないです。

全く副作用が出ない訳ではなく、注入時の針による出血や青あざといった副作用が発生する場合があります。

また注入時は一般的に麻酔を使用するため、痛みを感じることも殆どありません。精神的ストレスを軽減して治療を受けられることも、再生治療による美容の特徴です。

自分の持っていた細胞由来のため安全性が分かる

患者さん自身の細胞を利用する再生治療は、自身の細胞を増殖・調整を行ってから体内に注入を行います。そのため安全性が保証されており、副作用のリスクが低い治療法です。

また法律上でも複数の制限が設けられているため、その基準をクリアしている医院でしか受けられません。再生医療ポータルのホームページでは、各都道府県で届出を出している医院の検索が可能です。

治療法・治療可能な箇所などを検索対象に絞り込めるため、自身の条件にあった治療法を提供している医院の検索に役立ちます。再生医療を検討している方は、一度確認をしてみましょう。

美容で行われる再生医療でも気を付けたいことは?

カルテを示す医師

上記で解説してきましたが、美容で行われる再生治療は副作用の低さ・根本治療による効果の持続が特徴です。しかし再生医療を選択する際、気を付けておくべき点が存在します。

再生医療は現在もさまざまな研究が行われており、治療法も多岐にわたります。そのため、自身が求める治療の要点を整理し、理想にあった治療法を選択することが重要です。

ここからは、美容で行われる再生治療で気を付けておきたい点について解説していきます。

自由診療のため高額になりやすい

美容目的で再生医療を受ける場合、原則として自由診療となり保険適用されません。そのため医療費が高額になる点は、あらかじめ注意しておきましょう。

金額は医院によって設定が異なりますが、PRP再生医療は約80,000~100,000円程度(税込)・幹細胞治療は1,600,000円程度(税込)です。参考にしてみてください。

医院によっては代謝を上げるための成分調整や、成分のばらつきを防ぐために調整を行うため、金額が左右する場合があります。

金額・治療方針・施術内容などは公式ホームページの記載以外に、問い合わせ・カウンセリングで確認できます。治療を受ける際は費用面についても相談を行いましょう。

注射や方法により赤みなどの副作用も生じる

かゆみを感じる女性

美容における再生医療は、患者さん自身から細胞・血液を採取して処置を行った後、再度患者さんに注入する治療法が一般的です。

注入された成分による副作用が発生する頻度は低い反面、注入を行うために行う注射などで腫れ・赤み・青あざといった見た目の変化が発生する場合があります。

また痛み・発熱を伴うケースも少数ですが報告されているため、治療を受けて数日経っても体調不良が続く場合は治療を受けた医院に相談しましょう。

100%の効果は得られない

再生医療は、現在も解明されていない部分の多い治療法です。そのため治療を受けても十分な効果を得られない場合があります。

原因としては、再生治療は細胞の再生能力を若返らせる効果に留まるためだと考えられています。効果が現れるまで時間がかかる上に、細胞の再生能力が老化を上回らなければ老化抑制には至りません。

そのため再生治療を行ったから確実に効果を期待できると考えず、あくまで若返らせる作用が期待できると考え、治療を受けましょう。

再生医療分野が新しく情報が乏しい為安全性に疑問が残る

再生医療は近年大幅に進歩した分野のため、情報の蓄積が十分でないのが現状です。美容における再生治療も委員会・厚生労働省に届け出を出す必要があるなど、審査を受ける必要があります。

現在選択できる治療の副作用は上記で解説した通り可能性は低く、安全性は問題ないと考えられています。しかし今後新しく生み出される美容の再生医療も安全かどうかは、未知数です。

そのためこれまでの美容に使用された再生医療が安全だからといって、今後の再生医療もそうだろうと早合点せず、医師の説明や自身で情報を集め治療を受けるか決定することが重要です。

確実な治療や技術が少なく曖昧

PRP・幹細胞治療のどちらも、添加する成長因子の有無や細胞を採取する部分は医院によって異なる場合があります。

これは医院毎の考えの差や、採取の際に発生する身体への負担を考慮しているためです。しかしこの差がどういった違いをもたらすか、具体的な違いは十分に解明されていません。

曖昧な要素が多い点に不安を覚える場合、医師とのカウンセリングで疑問を解消し納得してから治療を受けましょう。

再生医療と細胞治療の違いはなに?

説明する医師

美容に使用される再生医療として、血液を遠心分離機にかけて濃縮した成分で行うPRP療法・組織の一部を採取し培養する幹細胞治療の2種類を紹介してきました。

どちらも再生治療という分野に該当し、更にそこから細分化すると細胞治療に分類が可能です。今回紹介した治療法は、どちらも再生治療に含まれる治療法ですが、全ての細胞治療が再生医療に該当するわけではありません

特定の疾患の免疫力を高めるため、免疫細胞を取り出し増殖を行う治療は免疫療法と呼ばれています。この治療法も細胞治療の1つですが、再生を目的にしていないため再生医療には含まれません。

細胞の数を増やす・調整を行うのが細胞治療であり、その結果組織の再生を伴うものが再生医療です。

まとめ

男性医師

今回は美容で活用されている再生医療について解説してきました。自身の細胞をベースに、施術箇所の若返りを目的とした治療が、現在美容の再生治療で活用されているものです。

効果が現れるまで時間がかかる・自費治療で行う必要があるといった注意点が存在しますが、副作用が抑えられる・細胞の減少に対抗できるなどがメリットに挙げられます。

再生治療は厚生労働省に届け出を提出している医院でのみ、治療を受けることが可能です。興味がある方は治療を受けたい部分や治療法から、条件に合った医院を調べカウンセリングを受けてみましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業

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