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変形性関節症が多い部位はある?一般的なものから最新の治療法まで詳しく解説

変形性関節症が多い部位はある?一般的なものから最新の治療法まで詳しく解説

変形性関節症という病気を聞いたことはありますか。関節に炎症が起きて痛みが生じる病気ですが、体にいくつもある関節の中でもなりやすい部位というのが存在します。

今回はこの病気の特徴や原因、発症しやすい体の部位を紹介するとともに、複数ある治療法も紹介していきます。現在、関節に違和感を抱いている人も今後の予防として知っておきたいという人もぜひ参考にしてみてください。

変形性関節症について

変形性関節症について まずは変形性関節症がどのような病気なのかを説明します。原因についても詳しく紹介するので、予防のためにもぜひ読んでみてください。

変形性関節症とは

まず、変形性関節症は中高年に多く発症する病気です。40代から発症する人が増え、80代の頃には、ほとんどの人がどこかしらの関節に変形性関節症を発症しているといわれています。この病気では、関節に関係する軟骨がすり減ったり、骨や靱帯が変形したりすることで関節がこわばり、痛みや腫れなどが起きます。

全ての関節で発症する可能性がありますが、特に膝などの関節では日頃から体重の負荷がかかることで痛みなどの症状が悪化する傾向にあります。多くの場合は、寝ている状態から起きたときなど、じっと動かないでいた後に関節のこわばりを感じる人が多いですが、その後しばらく体を動かしていると30分もしないうちに症状が解消されてしまうので、初期の頃は年だからとあまり気にしない方も多い病気です。

進行すると症状も増え、体が動かしづらくなったり、関節を動かしたときにギシギシ、パキパキなどの音がしたりすることもあります。さらに、痛みも増していきます。末期になると完全に伸ばしたり曲げたりすることはできなくなってしまいます。

変形性関節症の原因や誘因

変形性関節症の原因はまだはっきりとしていない部分が多く、遺伝的要因と環境要因が絡み合う多因子疾患だと考えられています。しかし、なりやすい患者さんの特徴はいくつかあり、発症年齢からもわかるように加齢によるものが大きく、そのほか肥満や基礎疾患の有無、関節をケガして後遺症をもたらしているかどうかなども関係します。

また、スポーツや力仕事などで物理的なストレスがかかっている場合は膝や股関節に発症しやすく、細かい作業を長年行っている人は手指に発症しやすいなどの部分的な要因もあります。性別でも違いがあり、膝や手周り、股関節などは女性の方が罹患しやすく、頚椎や肩周りでは男性の方が罹患しやすいといわれています。

変形性関節症の進行度チェック

変形性関節症は症状の度合いで初期、中期、末期に分けることができるので、段階別に紹介します。ただし、症状の度合いが病気の進行度と完全に一致するとはかぎらないので、ここで紹介する内容はあくまで指標のひとつとして参考にしてください。

まず初期段階のときは、動き始めや階段の上り下りで違和感や痛みを感じます。膝の変形性関節症の場合は、正座や座った状態からの立ち上がりで痛むこともしばしばあります。ただし、先ほども少し触れたように、初期段階ではしばらく動いていれば関節の痛みは自然となくなっていくので、一過性のものとして認識され、重くとらえない人が多いのが問題です。変形性関節症は早期に気づいて医療機関を受診すれば、病気が進行しないように対策をとることができます。

違和感や動かしづらさなどを感じた段階ですぐに医師へ相談することを覚えておいてください。次に中期ですが、この頃になると初期ではすぐに収まっていた関節の痛みが動作中ずっと続くようになります。関節の可動域も狭まり、曲げ伸ばしが困難になってくるのも中期の特徴です。また、関節に水がたまり、腫れたり膨らんだりするように見える人もいます。

こうした症状が出てもまだ放置していると次は末期の段階になり、関節を使った動き全般が困難になってしまいます。膝の場合は足が変形し普段通り歩くことができず、つえをついたり車いすでの移動になったりすることもあります。また、中期までは動作中にのみ痛んでいた部分が安静時にも痛くなることがあり、精神的なストレスも相当なものとなります。高齢者の場合は、動く範囲が狭まったり寝たきりになったりすることで認知症などのリスクも増えるのでより一層注意したい病気です。

変形性関節症が多い部位

変形性関節症が多い部位 ここでは、変形性関節症が発症しやすい部位と、なぜそこに起こりやすいのかを説明します。

変形性関節症が起きる箇所

変形性関節症は、膝や股関節、手指、足の指、脊椎、腰、頚部など体にある全ての関節に起こる可能性があります。この病気は1カ所だけ発症する場合もあれば、数カ所同時に発症する場合もあります。通常、病気の症状は一気に出るものではなく、徐々に症状が現れるので、1カ所の発症に気づかない間にほかの部分の進行が進むというようなことも考えられます。1カ所でも気になった段階でレントゲンなどの検査を受けて全身を診てもらうと、ほかの部位も早期に発見することができて良いでしょう。

特に起きることが多い箇所

全ての関節に起こる可能性があると説明しましたが、中でも膝、股関節、手指は特に発症患者さんが多いといわれています。

なぜ多いのか

まず、膝や股関節などの下肢は、体全体を支える部分なので負荷がかかりやすいということが大きな原因です。普段から負荷がかかることで、関節にある軟骨がすり減りやすく、関節周りの骨や靱帯などにも影響を及ぼしてしまうのです。また、手指も普段からよく使うことで負荷がかかりやすい部位だといえます。細かい作業や指先に力を入れる動作を繰り返すことで、下肢と同じように関節周りの組織を損傷しやすくなってしまうのです。

変形性関節症の治療法

変形性関節症の治療法 それでは変形性関節症になってしまったらどのような治療の選択肢があるのでしょうか。必要な検査から治療までを段階的に紹介します。

変形性関節症の検査

痛みやこわばりなどを感じて医療機関を受診した際は、まずレントゲンの撮影から始める場合が多いです。レントゲン検査では、関節周りの組織変形の度合いや、骨同士の隙間の残り具合(軟骨の残り具合)を見ることができます。レントゲン検査の結果によってどのような治療を行うかが大方決まりますが、その後治療を数カ月行っても変化がない、もしくは悪化しているようなときは、CTやMRIによる精密検査をすることもあります。

骨や軟骨以外の部位に損傷や異常がないかを調べることができる検査で、場合によっては血液検査や関節液検査も平行して行い、ほかの病気である可能性がないかなども調べます。

運動療法

低下した筋力や柔軟性などを改善させるためには、運動やリハビリテーションなどを行うことが効果的です。ストレッチや簡単なトレーニング、姿勢矯正などを行うことで、関節の可動域を広げたり、関節に負荷がかかったときにしっかりと受け止められる筋肉を鍛えたりすることができます。運動療法は無理のない範囲で少しずつ行うことが大切です。病気の進行度合いによっても適切な動かし方は変わってくるので、理学療法士がいる医療機関などでメニューを組んでもらうのがおすすめです。

薬物療法

今悩んでいる症状を抑え、日常生活の大きな支えとなるのが薬物療法です。つらい痛みや腫れを落ち着かせる目的で薬を使用しますが、これらは対症療法であり、変形性関節症を根本から治すものではありません。そのため、先ほど説明した運動療法などを行いながら薬でつらさをコントロールするという考え方が良いでしょう。

医師の判断によって出される薬は違いますが、抗炎症薬などは内服のほかにゲルやクリームタイプの外用薬もあるため、用途によって使い分けることができます。また、薬を服用することでつらさが軽減されることから、ついついたくさん飲んでしまいたくなるときもありますが、薬には副作用や飲み合わせなど気をつけなければいけないこともたくさんあります。必ず医師の指示に沿って正しく使用するようにしましょう。

手術療法

病気が進行して、運動療法や薬物療法でも症状の改善が見られない場合は、手術が検討されます。変形性関節症患者への手術では、人工関節置換術、関節鏡視下手術、高位脛骨骨切り術など複数の術式があり、症状や目指す関節の状態によって向き不向きがあります。

手術療法は、これまでの治療で良くならず諦めていた人でもできる治療だという魅力がある一方、入院が必要となったり、手術をしても思うような結果が得られなかったりというリスクがあります。メリットとデメリットを踏まえた上で、医師や家族ともよく相談し、手術をするかどうか選択すると良いでしょう。

変形性関節症が多い部位の新しい治療法

変形性関節症が多い部位の新しい治療法 ここまで段階別の治療を説明してきましたが、手術に不安があったり入院ができない環境で悩んでいたりする方に対しては再生医療という治療の選択肢があります。ここでは再生医療の治療について詳しく説明します。

PRP療法とは

今回は、PRP療法という再生医療について説明します。血液の中でも血小板が多く含まれる部分をPRPと呼び、PRP療法は患者さん自身の血液を利用した治療法のことを指します。血液の中にある血小板には、傷ができたときに止血する働きや、成長因子を放出して傷を修復する働きがあります。

PRP療法では、この血小板の成長因子の働きなどを利用して、軟骨や靱帯など、さまざまな疾患や損傷の改善を目指すことができます。治療の際はまず患者さんの血液を採取し、そこから専用の機械を用いてPRPを作ります。できたPRPを膝や股関節など変形性関節症を起こしている関節に直接注射することで1回の治療は終了します。

PRP療法の種類

PRPには血小板以外にもさまざまな成分がはいっており、その成分はそれぞれ別の役割を持っているため、各成分をどれだけ配合するかによって、PRPの作用は変化します。タンパク質を多く含むように調整したり、成長因子を多く含むように調整したり、目的に応じて多様な種類のPRPが存在します。医療機関によってPRPの調整の仕方が異なりますので、PRP療法を検討している場合はいくつかの医療機関を回ってみるのも良いでしょう。

PRP療法のメリット

PRP療法がほかの治療よりも優れている点としてはやはり、入院不要で治療ができる点でしょう。これまで、運動療法や薬物療法で改善が見られなかった人は手術療法での治療しか選択肢がありませんでしたが、PRP療法などの再生医療が出てきたことで治療に期待が持てる患者さんも増えました。また、患者さん自身の血液を利用した治療法なので、アレルギーや拒絶反応などの副作用が少ないという点も魅力のひとつです。

PRP療法の費用

PRP療法は新しい治療法であるため、保険が適用されません。そのため、治療費が比較的高額になってしまいます。効果には個人差があり、一度の治療でどこまで症状が軽減されるかも異なります。自由診療なので治療を受ける医療機関によって料金が変動するので、料金も加味しながら医療機関を選択するようにしましょう。

変形性関節症でPRP療法が向いている人

変形性関節症でPRP療法が向いている人 複数の治療法を紹介してきましたが、ここからはどのような人がPRP療法を検討すべきかについて説明します。

PRP療法は高齢者にも有効なのか

PRP療法は年齢を問わずどの世代でも受けることができる治療で、体力面などの観点から手術が困難といわれた高齢者にも有効な治療といえます。ただ、骨の変形が進んでいる人などには向かない場合もあるので、PRP療法を受けて効果が望めるかどうかは医師に相談するのが望ましいです。

どのような人におすすめか

PRP療法などの再生医療は、運動療法や薬物療法などの保存療法で改善が見込めなかった人におすすめの治療です。また、先ほども触れたように手術をすすめられたが受けたくないという方や、生活環境により手術に伴う入院が難しい方、また、高齢のため手術を受けるメリットよりもリスクのほうが高い方などにはPRP療法がおすすめといえます。

まとめ

まとめ いかがでしたか。保存療法から新しい再生医療まで説明しましたが、気になる治療法はありましたか。高齢になるにつれて発症する人が多くなり、珍しくないからと治療を放置してしまう人も多いですが、変形性関節症はなるべく早い段階で治療をすれば急激な進行を止めることができます。自身の気になっている症状や似たような症状がある場合はぜひ一度医療機関を受診してみてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

平成19年(2007年) 大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科 卒業 平成21年(2009年) 大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医 平成22年(2010年) 大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 平成24年(2012年) 国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 平成25年(2013年) 大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 平成26年(2014年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員 令和3年(2021年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長 令和5年(2023年) 上場企業産業医

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