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再生医療で毛髪が増える?治療方法や副作用についても解説!

再生医療で毛髪が増える?治療方法や副作用についても解説!

再生医療と聞くと、どのような治療を思い浮かべるでしょうか?新しい治療法として注目されている再生医療ですが、まだこの治療法について広く知られていないのが現状です。本記事では、再生医療で毛髪を治療する方法について解説しています。再生医療についての知識を深め、薄毛・抜け毛治療の選択肢を増やしましょう。

毛髪再生医療とは

毛髪再生医療とは そもそも再生医療とは、薬などを使わず、患者さん自身の細胞の性質を利用してケガや病気の改善を促す治療法です。この再生医療の技術を使った、脱毛症や薄毛を改善する方法として今注目されているのが、毛髪再生医療です。

発毛を目的とした治療方法

毛髪再生医療とは、発毛を目的とした治療方法の一つです。通常、毛髪は成長期や退行期、休止期などを繰り返し、抜けてもその分新しく毛髪が生えてくることで一定の毛量をキープしています。しかし、男性ホルモンが過剰に分泌されたり、過度なストレスがかかったり、頭皮の血流が悪くなったりすると、この抜けたり生えたりのサイクルが崩れて、抜け毛が目立つようになってしまいます。

具体的には、毛髪が成長するための期間が短くなり、毛髪の成長以上に抜け毛が増えてしまう状態になることで髪全体の毛量が少なくなってしまうのです。毛髪再生医療は、自身の細胞を利用して崩れた毛髪の成長サイクルを戻すことで、抜け毛の予防や発毛を促す効果が期待できる治療として注目されています。

毛髪幹細胞について

再生医療を行うためには、幹細胞と呼ばれる特殊な能力を持つ細胞を利用する必要があります。幹細胞と呼ばれるものには、他の細胞とは違う2つの特徴があります。1つ目は分化能と呼ばれるもので、皮膚を作っている細胞や赤血球、血小板などの自分とは違うさまざまな細胞を新しく作る力のことです。2つ目は、自己複製能と呼ばれるもので、自分とまったく同じ細胞に分裂できる力です。これら2つの能力が備わっている細胞を幹細胞と呼び、幹細胞を利用して作った治療薬を注射などで投与するのがこの再生医療の大まかな仕組みです。

幹細胞が発毛に影響するメカニズム

まず、発毛の仕組みについて簡単に説明します。毛包にある「毛包幹細胞」と呼ばれる細胞が、スイッチを入れることで発毛が促されるのですが、毛包幹細胞が発毛スイッチを入れるためには「脂肪前駆細胞」というものが十分に働いている必要があります。この脂肪前駆細胞の働きが悪くなってくると、うまく発毛が促されず、薄毛になってしまうといわれています。そのため、薄毛を治療するためには、脂肪前駆細胞や毛包幹細胞の働きを活性化させることが大切であるとされています。

脂肪前駆細胞が活性化すると毛包幹細胞を刺激してくれるので、まずは脂肪前駆細胞の働きを良くすることが求められます。そのために、お腹やお尻などの脂肪からとれる「脂肪幹細胞」を頭皮に移植する治療法が注目されています。脂肪幹細胞を頭皮に移植する理由は、この脂肪幹細胞が発毛に必要不可欠である脂肪前駆細胞に分化しやすい特徴を持っているからです。脂肪幹細胞が脂肪前駆細胞に分化し、十分に脂肪前駆細胞が頭皮で働くことで毛包幹細胞が活性化し、発毛が期待できるというメカニズムです。

再生医療で毛髪を治療する流れ

再生医療で毛髪を治療する流れ ここでは、治療の流れとして一般的な例を紹介します。治療を行う医療機関によって多少の違いがありますので、実際に治療する際は、その医療機関での治療の流れや方針を確認しながら治療を進めましょう。

カウンセリング

まず、治療を開始する前に医師の説明を受けるところから始まります。説明をよく聞き、再生医療についての正しい知識や幹細胞の利用に関すること、治療で期待できる作用、副作用などを理解するようにしましょう。 また、自分の年齢や体質で問題なく治療を進められるかなど、不安に思ったことがあれば、それを解消できるように質問すると良いでしょう。毛髪の状態によっては、再生医療以外の治療もできる場合があります。いくつかの選択肢を提示してもらったうえで、現在の健康状態にあった治療法を選びましょう。

細胞採取

問診やカウンセリング段階で特に問題がなければ、実際の脂肪採取に移ります。細胞の採取は、へその中の皮膚といった目立たないところから行います。局所麻酔やブロック麻酔をして5mm程度の小さい穴から採取するのが一般的なので、術中や術後の痛みはあまり心配しなくても大丈夫です。この採取時に、採血を一緒に行う場合もあります。 細胞採取の時間は15分~30分ほどです。脂肪を採取する際にできた傷口を縫合したら、その日の施術は終了します。その後、傷口がしっかりと縫えていることを確認できたら、薬を処方してもらい帰宅となるのが大まかな流れです。なお、この脂肪採取で若干の内出血などを起こす場合もあるので、術後当日の長風呂や過激な運動、飲酒などは控えると良いでしょう。

細胞培養

その後、医療機関で細胞の培養を行います。培養期間は3~4週間前後です。患者さんの治療予定日に合わせて培養開始日時を調整したり、培養のスピードや異常の有無によって治療日を決めたりすることが多いので、治療日程が決まったあとは、できるだけ日時変更やキャンセルはしないようにしましょう。

投与

培養が終わり治療薬が完成したら、医師と患者さんでよく相談のうえ、培養した細胞を注射で投与します。治療時間は20~30分程度を想定しておくと良いでしょう。医療機関によって準備などにかける時間は異なりますので、時間が心配な方は事前に治療時間について質問しておくようにしましょう。

アフターケア

注射での投与が終わったら、その日の治療は終了です。帰宅前に、治療後の注意事項などの説明を受けると思いますので、不安なことなどがあれば、その際に質問しておきましょう。なお、治療の影響や術後の痛みがあることも考えられるので、帰宅するときには車やバイクの運転は避け、公共交通機関などを利用するようにしましょう。 人によっては術後に腫れや痛みが生じる場合もあるので、鎮痛剤などを処方してもらっても良いでしょう。投与当日も、長時間の入浴や過激な運動、飲酒などは控えるようにしてください。そのほかにも、帰宅後に違和感や体調不良などがあった場合は、治療を受けた医療機関へ早めに連絡するようにしましょう。

再生医療の毛髪治療後に効果が出るまでの時間

再生医療の毛髪治療後に効果が出るまでの時間 症状の程度や体質などによって、期待できる治療効果には差があります。症状が軽度の場合は、1~3回程度の治療で発毛が見られる場合がありますが、多くの場合は6回程度の治療を行った頃に十分な結果を得られるといわれています。 治療の始め頃は、正常な発毛に必要のない毛髪が抜け落ちる期間があるため、一時的に治療前よりも毛髪が減ったと感じることがあるかもしれません。しかしこれは、そのあとに健康な毛髪が育つために必要な期間であり、良い兆候であるといえます。初めての治療の場合はこうした不安もあると思うので、心配なことは、小さなことでも担当の医師に確認すると良いでしょう。

毛髪再生治療の成分と効果について

毛髪再生治療の成分と効果について 幹細胞を培養する際に使う清液には、育毛を促すさまざまな成長因子や増殖因子であるサイトカインが含まれています。医療機関によって、培養に使用する成分やブレンドの配合などはさまざまです。ここでは、使用されている成分や、それによって期待できる治療効果などについて説明します。

毛髪再生治療の成分について

繰り返しになりますが、毛髪再生治療とは自身の脂肪から細胞を採取し、医療機関で培養したものを頭皮に注射などで投与するものです。投与する治療薬は医療機関によってはオリジナルのものを使用している場合もあります。インシュリンや線維芽細胞の成長因子、ケラチノサイト成長因子、血管内皮細胞成長因子など、1つではなく複数を組み合わせて治療薬を作っていることもあります。患者さんの状態によって、どの成分をどの割合で入れる治療が合っているのかは異なるので、気になる方はカウンセリングなどの際に質問してみるのが確実です。

再生治療の毛髪への効果について

先述したように、毛髪の再生医療では、発毛に必要な幹細胞を頭皮に注入することで、働きの悪かった脂肪前駆細胞や毛包幹細胞の活性化が期待できます。それにより、成長期、退行期、休止期のサイクルを正常の状態に導き、成長期に新しい毛髪が十分に成長するよう促します。

再生治療を毛髪に施術する安全性について

再生治療を毛髪に施術する安全性について 頭皮へ注射を直接打ったり、細胞を採取したりと、治療には外科的な処置も含まれるため、治療を受ける医療機関の安全性はしっかりと知っておく必要があるでしょう。ここでは、治療前にどのようなポイントに注意するべきかをお伝えします。

認可を受けた医療機関のみで施術可能

毛髪に限らず、再生医療は「再生医療等安全性確保法」や「医薬品医療機器等法」に則って行われている必要があります。このような決まりの中で、幹細胞を用いる再生医療は厚生労働省が認めた「特定認定再生医療等委員会」の認可を受けた医療機関でしか行うことができないと定められています。特定認定再生医療等委員会では、治療の妥当性や安全性、治療体制、細胞の管理体制などを厳しく審査しています。そこで再生医療を行って問題ないと認められてから、医療機関が厚生労働省へ治療計画を提出し、それが受理されて初めて治療を行うことが可能となります。受診したい医療機関が認可を受けているかどうかはインターネット上から誰でも検索することができるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

副作用は判明しきれていない現状

再生医療は今期待されている治療法ではありますが、まだまだ新しい治療法だということもあり、治療リスクや副作用など、一部判明しきっていないことがあるのも事実です。再生治療に興味がある方や、実際に受けてみたいと考えている方は、受診予定の医療機関が認可を受けているところなのかどうか、治療における安全対策を実行しているところなのかどうか、副作用が起きた場合の対処はどう行っているのかなど、治療を始める前によく確認するようにしておくと治療に伴った危険性を減らすことができるでしょう。

毛髪再生医療がおすすめな人

毛髪再生医療がおすすめな人 毛髪再生医療はさまざまな髪のお悩みを解消できるということで注目されていますが、ここではどのような方におすすめの治療なのかをお話しします。

幹細胞を使った毛髪再生医療がおすすめな人

薄毛や抜け毛が気になっている方は、毛髪再生医療を検討してみると良いかもしれません。AGAといわれる男性型脱毛症はもちろん、女性型脱毛症もあるので、性別を問わず髪のボリュームが減った方や生え際が気になる方におすすめです。 また、髪にハリがなくなってきたと感じる方やもっとコシのある髪にしたいと希望している方などの期待にも応えられる治療法です。 薄毛や脱毛症の治療には再生医療以外にも、内服治療や植毛などの手段がありますが、薬をあまり飲みたくないと考えている方や、植毛を怖いと感じて抵抗を持っている方には再生医療を検討いただくと良いかもしれません。

薄毛や抜け毛が気になったら毛髪再生医療対応のクリニックに相談しよう

薄毛や抜け毛の症状が自分や家族に現れたとき、どうしたら良いのか困ってしまう方も多いのではないでしょうか。そうした症状の原因は人それぞれであり、病名も治療法も異なります。中にはAGA(男性型脱毛症)のように進行性の疾患もあるので早めの治療が求められますが、患者さん自身で病気を見極めるのは難しいと思います。薄毛や抜け毛が気になってきたら、自己判断をしたり放置したりせずに、まずは医療機関を受診するようにしましょう。医師や専門家の診断で正しく原因を突き止め、今後の治療やケア方法について相談しましょう。もしその治療の選択肢として再生医療に興味を持ったら、まずは再生医療に対しての情報を集め、対応している医療機関を探してみましょう。

まとめ

まとめ 新しい治療法として少しずつ広まってきている再生医療について、ご理解いただけたでしょうか。今は大きな病院だけでなくクリニックのような身近な医療機関で再生医療を行える場合も少なくないですし、再生医療を専門として診療しているクリニックも増えてきています。事前に正しい知識を身に着けておくことはもちろん大切ですが、専門家や医師の話をよく聞き、リスクや副作用も考えて自分に合った治療法を選択してもらえればと思います。

参考文献

この記事の監修歯科医師
松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

松澤 宗範医師(青山メディカルクリニック院長 慶応義塾大学病院形成外科)

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業

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