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AGAの原因は?なりやすい人の特徴や再生医療による治療法について解説!

AGAの原因は?なりやすい人の特徴や再生医療による治療法について解説!

AGA(男性型脱毛症)は、男性が悩む脱毛症の一種です。進行すると頭頂部や前頭部の髪が薄くなり、見た目に大きな影響を与えます。

主な原因は遺伝やホルモンの影響のため、宿命だと諦めている人も少なくないのではないでしょうか? しかし適切なケアや治療法で、発症を抑えたり進行を遅らせることが可能です。

本記事では、AGAの原因やなりやすい人の特徴、予防法、治療法について詳しく解説し、どのような対策が有効かを紹介します。

AGA(男性型脱毛症)とは

AGA(男性型脱毛症)とは ここではまず、AGAの概要をおさえておきましょう。

AGAの特徴

AGAの発症にはジヒドロテストステロン(DHT)という悪玉の男性ホルモンが関係しています。男性ホルモンの一つであるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結びつくことでDHTに変わります。

このDHTがアンドロゲンレセプターという受容体と結びつくと、髪の成長を止める信号が送られ、AGAとなります。

5αリダクターゼは頭頂部や前頭部にあり、逆に側頭部や後頭部には少ないです。頭頂部や前頭部が薄くなり、側頭部や後頭部には髪が残りやすい。これがAGAの特徴です。

AGAの発症年齢

AGAは年齢によらず発症する可能性がありますが、一般的には、加齢とともに発症する確立があがります

具体的には、20代では約10%、30代では約20%、40代では約30%、そして50代以上では約40%以上の男性がAGAを発症すると言われています。

さらに、AGAは進行性の脱毛症です。一度発症すると、治療をしない限り症状はどんどん悪化してしまいます。このため薄毛に気付いたら、早めに専門の医師に相談することが大切です。

AGAの原因

AGAの原因 それでは、なぜAGAになってしまうのか。その原因を解説していきます。

男性ホルモン(アンドロゲン)の影響

髪にはヘアサイクルと呼ばれる周期があり、成長期・退行期・休止期を繰り返して新しい髪へと生え変わります。

しかし、上述したDHTと呼ばれる悪玉の男性ホルモンが髪の成長を妨げる信号を送ることで、ヘアサイクルが乱れてしまうのです。

DHTによって信号が送られると、髪が十分に成長せず、細く短い髪が増えてしまい、やがて抜け落ちます。特に、前頭部や頭頂部の髪が薄くなってきたと感じる方は、AGAである可能性が高いです。

遺伝的要因

AGAの原因のは、親からの遺伝によるものが少なくないとされています。髪が薄くなる原因である男性ホルモンの分泌やその働きが強い体質は、父親や祖父から受け継いでいることが少なくないです。また母親が薄毛の場合も、染色体の影響で息子に遺伝しやすいと言われています。

このため、自分の薄毛を遺伝のせいだと諦めてしまう人もいるかもしれません。しかしこれはあくまで、遺伝しやすい、発症しやすいというだけです。

AGAについての予防策を考え日常的に対策を講じることで、発症を避ける、もしくは進行を食い止めることも十分に可能です。

加齢

AGAは、加齢に伴う男性ホルモンの変化によって発生することがあります。

男性ホルモンは年齢とともに分泌量が変わるのが特徴です。特に思春期を迎えると男性ホルモンの分泌が増えます。このため、ホルモンの分泌量が少なくない人のなかには、若いうちからAGAを発症するケースもあります。

また、男性ホルモンが増えすぎると、髪のヘアサイクルが乱れやすくなります。その結果、抜け毛が増え、髪の成長が妨げられます。ヘアサイクルが乱れると新たな髪が生えにくくなり、その結果、前頭部や頭頂部の髪が徐々に薄くなっていくのです。

ストレス

AGAの原因には、遺伝やホルモンのほかにストレスも大きく関わっています。

中年から壮年期の人々は仕事や生活のストレスが溜まりやすく、これが筋肉の萎縮や硬直を引き起こし、血流が悪くなります。その結果、毛根に十分な栄養が届かなくなり、薄毛が進行するのです。

さらには薄毛を気にするあまりストレスが増え、ますます薄毛が悪化するという悪循環に陥ることもあります。

このような状況を避けるためには、食生活を改善し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。また、リラックスできる時間を持つことも、ストレスの軽減に役立ちます。適度な運動や趣味の時間を作るなど、日常生活でストレスを発散する方法を取り入れることが効果的です。

生活習慣の乱れ

AGAの原因には生活習慣の乱れも大きく関わっています。逆にいえば、生活習慣を見直すことで薄毛の改善が期待できるということです。

以下の生活習慣がAGAの予防や改善に役立ちますので、実践してみてください。

・充分な睡眠時間
髪の成長には成長ホルモンが重要です。成長ホルモンは睡眠中に分泌され、眠りについてからはじめの3時間と、22時頃から深夜2時頃にかけて分泌されることが少なくないです。

睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌が妨げられ、髪の成長や健康に悪影響を及ぼします。睡眠不足は免疫力の低下も招くため、健康全般にもよくありません。

・健康的な食生活
バランスの取れた食事は髪の健康に直結します。特にビタミン、ミネラル、タンパク質を豊富に含む食品を摂取することが大切です。

また、適量のアルコール摂取は問題ありませんが、大量の飲酒は暴飲暴食を引き起こし、髪や体に悪影響を及ぼします。

・適度な運動
適度な運動は血流を改善し、毛根に栄養が行き渡りやすくなります。逆に運動不足は血行不良を引き起こし、髪の成長を妨げる可能性があります。

・タバコを控える
喫煙は血液の循環を悪くするため、毛根に十分な栄養が届かなくなります。さらに、喫煙によって男性ホルモンが増加し、AGAのリスクが高まります。

禁煙することで抜けた髪がすぐに生えてくるわけではありませんが、AGAの進行を遅らせる効果があります。

AGAになりやすい人の特徴

AGAになりやすい人の特徴 AGAになりやすい人にはいくつかの共通した特徴があります。以下に、その特徴を列挙します。

  • 父親か祖父、もしくは母親が薄毛
  • 睡眠不足
  • 偏った食生活を送っている
  • 喫煙している
  • 過度なストレスを抱えている
  • パーマやヘアカラーを頻繁に行っている
  • 運動不足
  • 過度の飲酒をしている
  • 頭皮の洗いすぎや不適切なシャンプーの使用

これらの特徴に当てはまる場合は、まず生活習慣を改善しましょう。AGAの進行を食い止めるだけでなく、健康にとってもよいことばかりです。

AGAを予防する方法

AGAを予防する方法 ここからは、AGAの予防策を紹介します。遺伝や加齢といった要因を取り除くことはできませんが、生活習慣を少し改善するだけで、体にとっても頭皮にとってもよい影響を与えることができます。

頭皮を清潔に保つ

薄毛や抜け毛を改善するためには、マッサージするように頭を洗うのがおすすめです。頭皮には毛細血管が分布しており、マッサージによって血行を促進すると、髪の毛の成長に必要な栄養を送り届けやすくなります。 毎日のシャンプーをするときには、次の点を意識しましょう。

  • 頭を洗う前にブラシなどで汚れなどを落としておく
  • 38度程度のぬるま湯で予洗いする
  • シャンプーを手のひらで泡立ててから何ヶ所かに分けて髪の毛につける
  • 指の腹で頭皮を動かすようなイメージで優しくマッサージする
  • シャンプーの洗い残しがないようしっかりとすすぐ
  • タオルドライをしたらドライヤーで乾かす

これらの方法を実践することで、頭皮の血行がよくなり、髪の毛の成長を促進することができます。

食生活を見直す

薄毛や抜け毛を改善するためには、栄養バランスに偏りのない食事を摂ることも重要です。健康な髪の毛の成長をサポートするため、日々の食事に次のような栄養素を積極的に取り入れるよう意識しましょう。

・良質のタンパク質
髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られています。そのため、日々の食事に良質のタンパク質を取り入れることが重要です。体内に取り込まれたタンパク質はアミノ酸に分解され、身体の各部へと送られます。

・亜鉛
アミノ酸が髪の毛を構成するタンパク質へと再合成される際に必要な栄養素が、必須アミノ酸の一種である亜鉛です。亜鉛にはAGAの原因、5α-リダクターゼの働きを阻害する作用も期待されています。抜け毛予防のためにも積極的に亜鉛を摂取しましょう。

・ビタミン類
ビタミン類には頭皮の皮脂分泌量を調節したり、血液の循環を促進したり、頭皮を酸化から守ったりする働きがあります。果物や野菜はもちろんのこと、肉や魚、貝類などもバランスよく摂取することが重要です。

良質な睡眠をとる

薄毛や抜け毛を改善するには、十分な睡眠を確保することが大切です。髪の毛は私たちが寝ている間に成長するため、少なくとも6時間以上の睡眠をとるよう意識しましょう。

また、早寝早起きを心がけ朝日を浴びる習慣をつけることや、お風呂に浸かってリラックスすることも、睡眠の質を高めるのに役立ちます。寝る直前にはスマートフォンやテレビを見ないようにし、照明を落としてリラックスできる環境を整えることも効果的です。

適切な睡眠時間は人によって異なるため、自分に合った睡眠習慣を身につけましょう。

禁酒・禁煙を心がける

薄毛や抜け毛を改善するためには、過度な喫煙や飲酒を控えることも重要です。

タバコに含まれるニコチンは、毛細血管を収縮させて血行を悪化させ、髪の成長に必要な栄養が頭皮に届かなくなります。一方飲酒は、適量であれば心身のリラックスにつながりますが、過度の飲酒は体内のアミノ酸を消費し、髪の成長に必要な栄養が不足します。

ストレスを溜め込まない

ストレスは薄毛や抜け毛を悪化させる要因の一つです。ストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮して血行が悪くなり、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなります。

適度な運動や趣味に取り組むことで、ストレスを解消し、髪の健康を保つことができます。リラックスする時間を持つことが、心身の健康にとっても重要です。

AGAの治療法

AGAの治療法 「お医者さんに相談だ!」というテレビCMが流行ったように、AGAは医師による治療が可能です。進行性の病気ですので、気付いたら早めに受診することをおすすめします。

ここでは、病院でどのような治療が行われるかを解説します。

内服薬による治療

AGAの初期段階や予防のためには、内服薬や外用薬が使用されます。

特にフィナステリドを含む内服薬は、AGA治療の第一選択とされ、AGAの進行を遅らせる効果があります。フィナステリドは米国FDAから認可を受けており、信頼性の高い治療法です。

フィナステリドに加えて、デュタステリドという内服薬も使用されます。デュタステリドはフィナステリドよりも高い効果が期待されており、AGA治療において有効です。

さらに、ミノキシジルという有効成分を含む内服薬もあります。これは血管を拡張し血液の循環を促進することで発毛を促進します。

外用薬による治療

AGA治療には外用薬も有効です。ミノキシジルを含む外用薬は、内服薬と同様に血管を拡張し、血液の循環を促進することで髪の成長をサポートします。

外用薬は頭皮に直接適用するため、局所的な効果が期待できます。

注入薬(メソセラピー・hARG療法)

メソセラピーは、注射やレーザーを用いて頭皮に直接有効成分を注入する治療法です。この方法は短時間で発毛効果を実感でき、その後は薬で毛量を維持することができます。

メソセラピーは、広範囲の薄毛に悩んでいる方に適しています。治療薬と併用することで、さらに効果を高めることができます。

再生医療による治療

再生医療の一つである自毛植毛は、AGAの影響を受けない側頭部や後頭部の髪を、薄毛が気になる部位に移植する方法です。

自分の髪を使用するため、移植後も自然に髪が成長し、効果は半永久的に続きます。拒絶反応が少なく、安全性が高い治療法として日本皮膚科学会からも承認されています。

AGA治療の費用

AGA治療の費用は、月額で15,000〜25,000円が一般的な相場です。年間に換算すると、約180,000円〜300,000円となります。

治療を始める際の初診料は、5,000円程度が一般的で、再診料は1,000〜3,000円程度に設定されていることが少なくないです。また、治療経過や副作用を確認するために、初診時や半年〜1年ごとに検査が行われます。検査にかかる費用は、1回あたり5,000〜15,000円程度です。

AGA治療薬には内服薬と外用薬があり、薄毛の進行レベルに合わせて処方されます。はじ目に行う内服薬の費用は、月あたり5,000円〜10,000円程度です。治療の初期段階では、効き目が穏やかで低価格の内服薬から始めるのが一般的。6ヶ月から1年の服用で効果が現れることが少なくないです。

AGA治療は自由診療のため、原則として保険は適用されません。そのため、診察、検査、薬代はすべて自己負担となります。

編集部まとめ

AGAの原因には遺伝や加齢といった避けられないものも少なくないです。しかし、だからといってあきらめるのは早いです。適切な頭皮ケアや生活習慣の改善でAGAの発症を抑え、進行を食い止めることは十分に期待できます。

治療方法も多様で、内服薬や外用薬、注入療法、再生医療など、手軽に始められるものから先進的なものまで選択肢が少なくないです。

過度に心配せず、気になったらまずは医師に相談を。適切な対応でAGAの影響をできる限り抑えましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

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