皮膚の再生医療は、数十年後の自分への若返りや病気治療に使用可能です。10年後の健康は誰にも分らないものですが、万が一の事態・老化に伴うシミ・シワの改善といった幅広い用途で利用できます。
皮膚再生医療とはどのようなものなのか、詳しく解説していきます。
皮膚の再生医療を受けることによって得られる効果の詳細情報もまとめているので、今後のことを考慮している方はぜひ目を通しておきたい情報です。気になる費用や注意点についても紹介しています。
皮膚再生医療の効果やセルバンクについて
- 再生医療とは?
- 再生医療とは、患者さん本人の体内から幹細胞を抽出して行う医療行為です。幹細胞を抽出する方法は、2種類の方法を用いて行います。
- 間葉系幹細胞を抽出する場合…骨髄液から抽出・腹部の脂肪から抽出
- 肌細胞を抽出する場合…耳の裏などから少量の皮膚を採取し、細胞を培養する
肌や皮膚の再生医療は、皮膚を採取して細胞を培養する方法を実践することが非常に多いです。
病気に備えるだけでなく、若返り治療にも使用できます。再生医療専門の医師に相談することで、さまざまな施術を提案してもらうことが可能です。
- 皮膚再生医療とはどのようなものですか?
- 皮膚再生医療とは、自分自身の体の一部を使って、老化に伴うシワやたるみを改善する治療法です。
自分の組織を使用しているため、副作用の心配をせずに済みます。肌のシワ・たるみなどの気になる部分の改善が可能です。
そのほか、肌のツヤ・ハリをアップさせる効果が期待できます。体への負担が少ないため、どのような方でも気軽にカウンセリングを受けられるのが特徴です。
- 皮膚再生医療の効果について教えてください。
- 皮膚再生医療を受けることで、以下のような効果が得られやすくなります。
- 加齢による肌の老化を、緩やかにする
- ほうれい線や小じわの改善
- ニキビの痕・ケガや事故などの外傷による傷跡の改善
- 目の下のクマの改善
- 顔全体の引き締め・リフトアップ効果など
外傷による傷跡は、傷跡の深さなどで仕上がりが異なってきます。必ずきれいになる・改善されるわけではないというデメリットがあるので、その部分は把握しておきましょう。
注射による施術なので、体の内側から効果が表れてきます。自分自身の細胞を使用するため、アレルギーなどの副作用がなく、手術をするわけではないので傷跡も残らないのがメリットです。
注射の痕も、すぐに消えることが大半なので、注射痕を過度に気にせず日常生活を送りながら効果が表れるのを待ちましょう。
- セルバンクとはどのようなものですか?
- セルバンクとは、患者さん自身から採取した幹細胞を凍結保存して、自分が使うタイミングで凍結した幹細胞を使用するサービスのことです。幹細胞を凍結保存することで、数十年後でも凍結時の幹細胞を使用できます。
凍結した幹細胞は、半永久的に保存可能です。自分の好きなタイミングで患者さんが自身の幹細胞を使用して肌の若返りなどを試みることができるのが、最大の特徴といえます。
保存期間は10年以上であっても幹細胞の劣化はほとんど見られないので、安心してセルバンクを使用できます。
若いうちにセルバンクを利用して肌細胞を凍結し、年齢肌が気になってきたころに若返りを目的として使用することも可能です。
クリニックによって保存期間は異なり、更新費用がかかります。自由診療なので、検査代・更新料金は高額になることが多いです。
皮膚再生医療の種類や診療科目
- 皮膚再生医療にはどのような種類があるのですか?
- 皮膚再生医療には、主に2つの種類があります。
- 肌細胞補充療法(線維芽細胞治療)…耳の裏から皮膚を採取して培養し、加齢による肌の気になる部分に移植する
- PRP療法…患者さんから血液を採取し、遠心分離機で赤血球・PRP(多血小板血漿)・PPP(血小板の少ない血漿)に分けて、PRPのみを抽出して老化が進んだ肌に注入する
どちらの方法も、体に大きな負荷をかけることなく患者さんご自身の体の一部を採取できます。
培養した幹細胞を移植するのも、点滴や注射での注入なので、特別大きな痛みに耐えなければならないというわけでもありません。自分自身の細胞を培養して注入し、肌の機能を根本的に回復させる効果が期待できる施術です。
- 皮膚の幹細胞治療について教えてください。
- 皮膚の幹細胞治療は、いくつかの特徴を持っています。
- 患者さんご自身の細胞を採取し、体外で培養して保存する
- 保存している幹細胞を体内に戻すことで、皮膚の老化に伴う気になる変化の改善を目指す
注入したご自身の幹細胞から放出される成長因子やエクソソームの効果を活用して、肌のたるみやシワの改善に活かすことで、副作用のリスクが低く、自然な若返りが実現できます。
男女別で皮膚の幹細胞移植に伴う効果をみてみましょう。- 男性…肌悩みの改善(シミ・シワ)・薄毛治療など
- 女性…老化に伴う肌の悩み改善(シミ・くすみ・ほうれい線やおでこのシワ・肌全体のハリのなさなど)
- 皮膚再生医療の診療科目を教えてください。
- 皮膚の再生医療を受けるためには、以下のような科目を受診しましょう。
- 皮膚科
- 美容皮膚科
- 美容外科
- 再生医療を専門に扱っている病院
皮膚の再生医療は、自由診療です。幹細胞の保存にも、お金が別途かかります。そのことを考慮して、受診するかを検討してください。
美容クリニックなどでも肌の再生医療に取り組んでいるため、価格や施術方法を見比べてどの病院を受診するかを見極めましょう。
自由診療ということで、どうしても施術代などが高くなってしまいます。だからといって、あまりにも手ごろな価格を提示している場合は悪徳な施術を行う可能性があるので注意しましょう。
- 効果が得られないケースもあるのですか?
- 肌の再生医療は、幹細胞を肌に注入するため、まったく効果が得られないという可能性は低いです。
自分の細胞を培養して使用しているため、ひどい副作用が出ることもほとんどないため、過度に心配することなく施術を受けられます。
しかし、どのような方でも一律に同じような効果が出るわけではありません。効果には個人差があるため、シワやほうれいせんがすべてきれいに消えてなくなるというわけではないのです。その部分は、把握しておきましょう。
皮膚再生医療の費用や注意点
- 皮膚再生医療の費用について教えてください。
- 皮膚再生医療は、自由診療なので治療費が高額になります。そのことを踏まえて、治療に踏み切るか考える必要があります。
- 初診料…5,000〜15,000円(税込)
- 細胞抽出・培養…250,000~500,000円(税込)
- 細胞移植料…1ccあたり100,000~150,000円(税込)
上記の価格は、病院によって価格が若干異なります。細胞の抽出量や移植の量によって価格は大きく変動するので、施術を受ける前に担当の医師からの料金プランをしっかりと聞いておきましょう。
病院によってはモニタープランが設けられており、費用を抑えて施術を受けることができます。施術内容と併せて、価格面にもしっかりと目を向けましょう。
- 皮膚再生医療を受けるうえでの注意点があれば教えてください。
- 皮膚の再生医療を受けるにあたり、複数の注意事項があります。
- 副作用が全くでないわけではない…内出血などの副作用が出る可能性がある
- 治療対象外の方がいる…妊娠中や授乳期間中の方・既往歴の中に、心臓病や脳卒中がある方・血液をサラサラにする薬を使用している方・肝臓疾患や癌、感染症の方・医師が治療に適していないと判断した方
施術適応外となった場合は、費用を多く払っても施術を受けることができません。授乳期間を終えてからや、病気治療を行い完治してから、皮膚の再生医療施術を受けましょう。
副作用が起きてしまったとしても、基本的には2週間ほどで症状が治まることが多いです。気になる変化が長く続くようであれば、早めに医師に相談して解決しましょう。
編集部まとめ
皮膚の再生医療を受ける場合は、施術方法や費用面にしっかりと注目して病院選びをしましょう。
無理なく体の内側から若返り効果を得られ、施術も注射や点滴での細胞注入なので傷跡も残りません。細胞の凍結保存もできるので、自分の細胞を有効に活用しましょう。
施術を受けるうえでの注意点や具体的にかかる施術費用を知り、担当の医師とよく話し合ってどこの部分にどれくらいの量の細胞を注入するかを検討してください。
参考文献