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再生医療

再生医療とは?幹細胞との関係やメリット、デメリットなど徹底解説!

再生医療とは?

再生医療についてご存知ですか?本記事では先端医療技術として注目される再生医療について以下の点を中心にご紹介します。

  • 再生医療に期待される効果
  • 幹細胞の再生医療
  • 再生医療のメリットとデメリット

再生医療について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

再生医療とは

再生医療とは

再生医療とは何ですか?
再生医療とは、培養増殖した幹細胞を体内に移植し、機能的・器質的に障害された臓器や組織の改善や修復を目指す革新的な医療技術のことです。
この方法は、従来の治療では効果が得られにくい難治性疾患へのアプローチとして期待され、多数の臨床研究が進行中です。 特に幹細胞は、自己複製能と分化能を持ち、損傷した部位の修復や組織の機能回復に不可欠です。
我が国では、先進的な再生医療を推進する法制度が整備されていますが、健康保険の適用は限定的で、その安全性や効果についての確認作業が継続されています。
再生医療は美容への効果も期待できますか?
再生医療は美容分野にも革命をもたらしています。 特に肌の再生において、「線維芽細胞」「幹細胞由来の培養上清」「PRP」などが使用され、肌の潤いやハリを取り戻す効果が期待されています。 線維芽細胞は、エラスチンやコラーゲンの生成を促進し、肌を若返らせます。
さらに、脂肪由来の幹細胞を注入することで、ただの肌再生だけでなく、皮膚のバリア機能や血管、神経の再生も促進されると言われています。これにより、紫外線や加齢によるダメージを受けた肌が、より若々しく、健康的な状態へと導かれます。
再生治療の効果が期待できるまでの期間を教えてください。
再生治療の効果が現れるまでの期間は、症状の原因や治療対象により異なります。 炎症が主な原因である場合、幹細胞の抗炎症作用により、効果は比較的早く、約1ヶ月程度で現れることがあります。
一方、痛みが関節の変形やその他の物理的変化に起因する場合、細胞が組織を修復・再生するのに時間が必要です。
身体の基本的な代謝サイクルは約3ヶ月のため、実際の効果が現れるのは3ヶ月から半年、場合によっては1年を要することがあります。効果を最大限に得るためには、リハビリを続け、耐え忍ぶ姿勢が必要とされます。

幹細胞とは

幹細胞とは

幹細胞とは何ですか?
幹細胞とは、私たちの体内に存在する特殊な細胞で、細胞の修復や再生のための能力を持つものです。
主に2つの重要な特性を持っています。
一つ目は、さまざまな体の細胞に変化する「分化能」、もう一つは同じ幹細胞に分裂する「自己複製能」です。幹細胞は、全ての細胞を生み出すことができる「多能性幹細胞」、例えば胚性幹細胞やiPS細胞、と特定の組織や臓器の細胞を補充する「組織幹細胞」の2種類に大別されます。これらの幹細胞は、病気や怪我の治療、再生医療の分野での応用が期待されています。
幹細胞の再生医療で治療が期待できる疾患を教えてください。
現在、この治療の効果が示されている病気には糖尿病、肝臓や腎臓の病気、変形性関節症、スポーツ外傷、半月板損傷、しわや毛穴の悩み、薄毛、認知症、脳梗塞、動脈硬化などがあります。さらに、日常の身体の疲れにも応用されています。
幹細胞は、注入されると身体内でダメージを受けた部分や機能低下した臓器を探し、その部位で作用します。これにより、多くの疾患への対応が期待されています。 研究や治験が進む中で、今後は薬物治療や手術を必要としない症状改善が期待され、適応病気の範囲も広がっていくことでしょう。
幹細胞の再生治療の流れを教えてください。
幹細胞の再生治療を受ける際の主要なステップは以下の通りです。問診とカウンセリング:初めに、治療の詳細についての情報提供とカウンセリングが行われます。治療の適格性を確認した上で、文書と口頭での説明があり、同意書を交付します。血液検査:患者の血液を調査し、ウイルス感染の有無をチェックします。組織(細胞)採取:主に腹部の皮下脂肪から、約5mgの脂肪を採取します。この時、局所麻酔を用いるため、痛みは感じません。

細胞培養:採取した組織から幹細胞を抽出し、4〜6週間、特定の細胞培養センターで培養されます。

品質検査と投与可否の決定:培養された幹細胞の無菌性を検査し、問題がない場合、医師の判断で投与が決定されます。

細胞投与:静脈点滴を通じて、幹細胞が患者に投与されます。

経過観察:治療後、6ヶ月間、月に1回の定期通院や医師の連絡を通じて健康状態を確認します。

再生医療を受けるために

再生医療を受けるために

再生医療のメリットを教えてください。
再生医療の主なメリットは以下の通りです。多くの治療実績:再生医療は、骨髄液からの幹細胞を用いた脊髄損傷治療や、患者の血液を用いた関節痛治療など、さまざまな疾患に対する治療実績が存在します。根本治療の可能性:一部の慢性疾患や慢性疼痛は薬物治療だけでは解決しづらいものが多いですが、再生医療ではこれらの根本的な治療が期待できます。副作用が少ない:患者自身から採取した細胞を使用するため、副作用や拒否反応のリスクが大幅に低下します。また、薬物や手術のような外科的介入のリスクも少ないため、合併症の心配も軽減されます。

脳卒中の再発予防:再生医療は脳卒中の再発リスクを低減させる効果も確認されており、脳細胞の機能回復や脳血管の新生が期待されます。

再生医療のデメリットを教えてください。
再生医療は革命的な治療法として期待されていますが、いくつかのデメリットも指摘されています。効果が100%ではない:全ての患者に対して100%の効果を保証するわけではありません。効果の出方や持続時間には、個人の体質や状態による差が見られるため、治療後すぐに効果を感じることは難しい場合があります。高額な治療費:再生医療は現在自由診療となっており、高額な治療費が必要です。そのため、経済的な理由で治療を受けられない方も少なくありません。ただし、再生医療により、入院や手術の必要がなくなるケースも多く、長期的には経済的な負担を減少させる可能性もあるとされています。ガン化のリスク:ES細胞やiPS細胞を使用する際には、ガン化するリスクも指摘されています。これらの細胞は予想外の細胞に分化する可能性や、ガン化するリスクが存在するため、治療を行う際には十分な注意が必要です。
再生医療の注意点を教えてください。
再生医療は進化する医療技術の一つですが、さまざまな注意点もあります。
まず、幹細胞培養上清液療法を受けた方は献血ができなくなります。これはヒト由来の製品を使用するため、未知のウィルス感染のリスクが完全に否定できないためです。また、妊娠中やがん治療中の方など、一部の方はこの治療が適用できません。
治療に伴う注意点として、脂肪採取後は当日の飲酒や一週間の入浴を控えることが推奨されています。また、脂肪採取部位にはむくみや内出血が生じる可能性がありますが、これは通常1ヵ月程度で治まるとされています。
培養幹細胞注入後は、飲酒や湯船への入浴、激しい運動やマッサージは数日間控えるようアドバイスされています。しかし、関節の動きを促進する軽い運動は推奨されています。
最後に、医療行為には常にリスクが伴います。拒絶反応のリスクは少ないとされていますが、脂肪塞栓症や感染、神経損傷のリスクも存在するため、不安や疑問がある場合は医師に相談することを強く推奨します。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで再生医療について、幹細胞との関係やメリット、デメリットを解説してきました。 内容をまとめると以下の通りです。

  • 再生医療は培養増殖した幹細胞を体内に移植し組織の改善や修復を目指す革新的な医療技術で、美容分野にも効果が期待される
  • 幹細胞は体内に注入されるとダメージを受けた部分に作用し多くの疾患への対応が期待されている
  • 再生医療のメリットは根本治療が期待でき副作用が少ないこと。デメリットは高額な医療費やガン化のリスクなどが挙げられる

これらの情報が再生医療について知りたい方の参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

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